「評論家」という肩書き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 16:03 UTC 版)
評論家の定義そのものが曖昧であり、本を1冊出版するだけで評論家を自称することができる。 政治評論家が「政治アナリスト」と名乗っても問題はないし、経済評論家が「エコノミスト」を自称するなど、特定の分野でのみ使われる別名もある。さらには文化人と総称される場合、「論客」や「オピニオンリーダー」として紹介される場合もある。経済評論家などでは大学教授やシンクタンク研究員などのポストを持っていることが多く、この場合「経済評論家」よりも教授や研究員を名乗ることもある。報道番組の「ワイドショー化」によって、専門分野以外のコメントを求められることも多く、コメンテーターとの区別は難しくなっている(たとえばスポーツニュースで、取り上げるスポーツの数だけ評論家を用意することが困難である場合、メインの評論家である元野球選手や元力士が他のマイナーなスポーツでもコメントを求められることがある)。 また、主にマスメディアなどにおいては、評論活動をしていても「評論家」ではなく「有識者」という表現を用いる場合があるが、これは高度な学位をもつか、それと同様の実績が認められているか、そう考える場合である。一般に大学教授でも「専門家」として政府などに呼ばれるが、専門性を超えた教養主義的な立場から高い判断能力があることが「有識者」の条件となる。たとえば、当該の分野に対してその道の専門家さえ舌を巻くほどの極めて高度な学術的専門知識を持つ人物であったり、別分野であっても高い社会的ステイタスを持つ人物が評論活動を行う場合などである。専門家は、その分野にのみ通じていれば良く、その知識が要求されるのに対して、有識者や(本来の)評論家には、専門分野だけでない学際的な知見や教養主義的に幅の広い視点が要求され、高い合理性と思考力、判断力が求められ、要求される能力が異なる。また、外部の「評論家」であっても業界団体や政府・行政が設置した諮問機関に招請した場合には同様に「有識者」「学識経験者」などと称されることがある。
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