「行動綱領」の採択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 15:30 UTC 版)
4月の党中央委員会総会で『行動綱領』が採択された。この文書は「新しい社会主義モデル」を提起し、 党への権限の一元的集中の是正 粛清犠牲者の名誉回復 連邦制導入を軸とした「スロヴァキア問題」の解決 企業責任の拡大や市場機能の導入などの経済改革 言論や芸術活動の自由化 外交政策でもソ連との同盟関係を強調しつつも、科学技術の導入を通した西側との経済関係の強化 が盛り込まれた。 またオルドジフ・チェルニークを首班とする新内閣が発足した。副首相として、計画経済の改革を主張する経済学者のオタ・シクや、1950年代に「ブルジョワ民族主義」の罪で終身刑を宣告され、公的生活から追放されていたグスターフ・フサークが入閣した。国民議会議長には、国民の間で人気のあったヨゼフ・スムルコフスキーが、国民戦線議長にフランチシェク・クリーゲルが就任し、党および政府の主要ポストを改革派が占めた。 『行動綱領』の採択を受けて、改革運動は社会全体に浸透していった。労働組合、青年組織、社会民主党やKAN, K-231などの非共産系政治組織の動きが活発になった。それと同時に、改革の内容をめぐる認識の相違が顕在化し始めつつあった。改革運動の急進化に懸念を抱く勢力が形成され、ソ連などと接触を図るようになったり、スロバキアでは民主化よりも連邦化を重視する動きがあり、改革に対する認識が必ずしも一枚岩ではなかった。
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