《盛土》の正しい読み方
「盛土」の正しい読み方
「盛土」の読み方は「もりど」または「もりつち」である。土木の分野では「もりど」と読まれるば、それ以外の一般的な文脈では「もりつち」と読まれることも多い。「盛土」の意味解説
「盛土」は「土を盛ること」および「盛った土」のことであり、既存の敷地の地盤に新たに土を盛って固め、周囲より高い敷地に造成することを指す語である。宅地開発や道路、鉄道整備の際などに行われ、盛土によって造成に必要な平坦な土地を作りだすことができる。土地の造成方法には、盛土のほかに、土地を削って平坦な敷地を作りだす「切土」がある。切土はもともとあった土地を掘削して土地をならすため地盤は強いが、盛土は既存の地盤に土を盛って固めて平地を作るので、地震や大雨によって沈下や地滑りといった災害を起こす危険性も高くなる。2021年には静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生した。この災害を契機に、これまで一律に規制する法律がなかった盛土に対する安全対策の見直しがはかられ、2022年3月に「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称・盛土規制法)が閣議決定され、通常国会に提出された。
なぜ「盛土(もりつち・もりど)」と読むのか・理由
「盛土」は、常用漢字表に示されている読み方にそって「もりつち」と訓読みするのが一般的であり、「もりど」と湯桶読みする読み方はそぐわない。一方で、土木の専門用語や行政用語には「もりど」と読むならわしがあり、慣用的に定着していることから「もりど」を見出しに入れている辞書もある。「もりど」という特殊な読み方(湯桶読み)を業界で用いる理由は詳らかでないが、「もりど」の方が言いやすかった、とか、業界用語としての特殊性のある言い方として好まれた、といった要因が考えられる。
「盛土」の類語・用例・例文
「盛土」の類語としては、鉄道・道路などにおける盛土のことをさす「築堤」、堤防を築造する意味の「築堤」、 畑で作物を作るために、間隔を複数あけて細長く真っすぐに土を盛り上げた場所をいう「畝」などを挙げることができる。「盛土」の用例には、「新しい盛土、石がのせてあつた(「旅日記」種田山頭火)」、「その穴の縁に近づいたとき、傍らの盛土の中から、二本の足がニョッキリ出ているのを発見して大騒ぎになり(「崩れる鬼影」海野十三)」などがある。
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