親書(しんしょ)
外交手段の一つとして、首相や大統領など国家元首が差出人となり、相手国の国家元首まで届けられる文書だ。政府特使が相手国に出向き、基本的には、本人に直接手渡す。
漁業実習船「えひめ丸」が米原潜に衝突されて沈没した事故で、ブッシュ大統領はファロン海軍大将を特使として来日させ、先月27日、森首相に事故に対する謝罪を記した親書を手渡した。
また、アメリカと北朝鮮の間で1994年にまとまった米朝核合意では、当時のクリントン政権は親書を公開して交渉を進めていたという経緯もある。内容を公開することで、同時に国際社会へ向けたメッセージとすることが狙いだったようだ。
また、親書という手紙のやり取りだけでなく、最近では首脳間を直接電話で結ぶホットラインの設置も行われている。日本は、アメリカ、ロシア、中国などとの間でホットラインを結んでいる。
親書などの外交手段を効果的に利用して、首脳間の信頼関係を確立させ、そして国際社会での友好関係を目指したいものだ。
(2001.03.06更新)
親書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 09:42 UTC 版)
親書(しんしょ)とは、自分(本人)自ら書き相手へ渡す文書を指す。
また、国家元首や政府首脳が相手国の元首や政府首脳に出す文書を指す。
概要
国際法上の明確な定義はないが、首脳自らの名前で送られるため、国際関係で局面を大きく転換する効果を発揮することもある重要な外交ツールと位置付けられている[1]。送り手の首脳による直筆署名が入るため、首脳間の個人的な信頼関係の醸成のために出されるケースが多い[1]。
就任祝いや災害見舞いなど儀礼的な内容である場合、二国間協力での謝意を伝えたり特定の政策について相手国に対して理解を求める等の二国間関係において重要なメッセージを伝える場合に用いられる[1][2][3]。
親書を送付する方法としては、本国の外務省幹部から本国に駐在する外国大使館を通じて渡すケース、外国に駐在する特命全権大使が相手国の首脳等に直接届けるケース、政治家が外国訪問の際に特使として携えて相手国の首脳等に直接届けるケースがある[1][2]。
天皇が外国の元首などに出す「ご親書」は宮内庁の文章専門員が毛筆で書くが、改竄防止のため上下の余白を残さない書き方となっている[4]。
脚注
- ^ a b c d “政府 竹島親書 返却を拒否 韓国は郵送で対抗 首脳が自筆署名 外交上の重要ツール”. 西日本新聞. (2012年8月24日)
- ^ a b “ことば:親書”. 毎日jp. 毎日新聞社 (2012年8月24日). 2013年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月26日閲覧。
- ^ “親書とは 首脳間の手紙、内容幅広く”. 朝日新聞デジタル (2012年8月24日). 2012年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月29日閲覧。
- ^ “第74回日書展受賞者 佐伯司朗先生 インタビュー│サンスターストーリー│サンスター製品情報サイト”. サンスター. 2024年3月9日閲覧。
関連項目
リンク
「親書」の例文・使い方・用例・文例
親書と同じ種類の言葉
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