高橋英夫 (評論家) 高橋英夫 (評論家)の概要

高橋英夫 (評論家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 02:57 UTC 版)

高橋 英夫
(たかはし ひでお)
誕生 1930年4月30日
東京府北豊島郡滝野川町田端
死没 (2019-02-13) 2019年2月13日(88歳没)
職業 ドイツ文学者
翻訳家
文芸評論家
言語 日本語
国籍 日本
最終学歴 東京大学文学部独文学科卒業
活動期間 1955年 - 2019年
ジャンル 文芸評論
代表作 著作
『批評の精神』(1970年)
志賀直哉』(1981年)
『偉大なる暗闇 師岩本禎と弟子たち』(1984年)
『疾走するモーツァルト』(1987年)
『時空蒼茫』(2005年)
翻訳
『ホモ・ルーデンス』(1963年)
『影のない女』(1967年)
主な受賞歴 亀井勝一郎賞(1970年)
日本翻訳文化賞(1972年)
芸術選奨文部大臣賞(1975年)
読売文学賞(1982年)
平林たい子文学賞(1984年)
日本芸術院賞(1997年)
旭日中綬章(2005年)
藤村記念歴程賞(2006年)
やまなし文学賞(2008年)
伊藤整文学賞(2010年)
デビュー作 著作折口学の発想序説」(1968年)
翻訳リルケ詩集』
(1955年)
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来歴・人物

東京府北豊島郡滝野川町田端(現:東京都北区田端)に生まれる。1947年第一高等学校に入学(一高最後の卒業生)、1950年東京大学文学部独文科に入学、1953年卒業、大学院に進み、指導教授の手塚富雄の勧めでヘルダーリンの詩を訳し(のち河出書房新社「全集1 詩集」)、手塚との共訳でマルティン・ハイデッガー 『乏しき時代の詩人』(理想社)、東京府立五中同期からの友人粕谷一希の勧めで、ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』を訳し、後者は林達夫の指導を受け没時まで師事した。

1964年から立教大学非常勤講師を30年務める。1966年から武蔵野音楽大学非常勤講師を15年務める。1968年中央公論』に「折口学の発生序説」を発表。以後文芸評論を書き続ける[注釈 1]1970年、最初の著書『批評の精神』を刊行した。1972年から東大独文科非常勤講師を2年間務め、1973年から明治大学非常勤講師を3年間務めた[注釈 2]。1994年に後藤明生の誘いにより近畿大学文芸学部教授に就く(1998年まで)[1]1997年、日本芸術院会員となる。

2019年2月13日に老衰により死去。88歳没[2]。叙従四位[3]

受賞歴


注釈

  1. ^ この頃、『早稲田文学』編集長立原正秋より原稿執筆依頼あり。「いまは書くものがありませんから」と断ったところ、立原は経緯を公表し、感謝の意を示した。
  2. ^ 雑誌『ユリイカ』1974年10月号に掲載した論考「われ語る、ゆえにわれ在り―小林秀雄と吉田健一」にて、吉田による『小林秀雄文庫』解説(中央公論社 全5巻、1954年2月-1955年2月)を引用し、「(小林の「平家物語」)に至って、批評といふものに対する一つの見方が拒否され、迷夢が破られている。そしてそれは、批評するといふことが或る対象をだしに使って自分に就て語ることだといふ考へである。これは曾て小林氏自身がどこかで書いたことになつてゐて、或はさういふことがあつたかも知れない。併し批評は或る対象をだしにして自己を語ることではないのであつて、『当麻』以後の小林氏の評論がそのことを何よりもはつきり示している。自分といふものは、言葉でわざわざ描くに価する程貴重な存在ではない……(以下略)」という叙述を「全くその通り」と肯定。これを吉田は、河上徹太郎との対談「時代を生きる」で、「高橋ヒデオさんが取り上げてくだすって」と報告した。『都築ケ岡から』に収録、毎日新聞社、1975年4月 p.328

出典

  1. ^ 『批評の精神』講談社文芸文庫版、附載年譜。なお解説は三浦雅士(青土社での初期の担当編集者)
  2. ^ 文芸評論家の高橋英夫氏死去”. 時事通信 (2019年2月20日). 2019年2月20日閲覧。
  3. ^ 『官報』7473号、平成31年3月25日
  4. ^ 平成17年秋の叙勲 旭日中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 3 (2005年11月3日). 2006年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月21日閲覧。


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