測地系 日本の測地系:世界測地系と日本測地系

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測地系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/26 07:58 UTC 版)

日本の測地系:世界測地系と日本測地系

日本測地系

日本では、2002年4月1日までは、日本測地系(旧日本測地系、Tokyo Datum)と呼ばれる測地系を用いてきた。

  • 局所座標系の範疇に属する測地系(日本周辺にしか通用しないことが前提)
  • 準拠楕円体はベッセル楕円体
    • 楕円体中心のずれは以下の通りである。事実上の日本測地原点である「東京大正三角点[4][5]」において、X、Y、ZをITRF94座標系の直交座標値、X2、Y2、Z2をTokyo97座標系[5]の座標値とすると[6][7]
\begin{pmatrix}
X  \\
Y  \\
Z
\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}
X2  \\
Y2  \\
Z2 
\end{pmatrix}+ \begin{pmatrix}
-146.414 \,\textrm{m} \\
+507.337 \,\textrm{m} \\
+680.507 \,\textrm{m}
\end{pmatrix} 。

ITRF94の経緯度と日本測地系のそれとでは、準拠楕円体の差異により両者の値には東京付近の地表面では400m程度のずれが存在する。東京付近では、おおむね、日本測地系の数値から、北緯に12秒加え、東経に12秒減ずると、ITRF94の数値が得られる。

ただし日本測地系にもとづく基準点網は古い測量成果の三角網によって設定されているため、測地系以外の要因によるゆがみが北海道や九州では5~10m程度存在する(南西諸島、離島等はそれ以上の場合もあった)。このようなゆがみも考慮したITRF94との測地系変換方法が、国土地理院により公式に提供されている(TKY2JGD)[8]

これらのずれやゆがみは、日本国内向けに1:25,000の地形図を発行するには問題を生じないが、海図の国際利用や、精密な位置情報にもとづくGISデータの整備の障害になりつつあった。

世界測地系

そこで、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行により2002年4月1日から、日本測地系2000[2]と呼ぶ測地系を用いることとなった。

  • 日本国内の法令上名称と通用名は「世界測地系
  • 全地球的測地系の範疇に属する測地系
  • 準拠楕円体はGRS80楕円体
  • 測地座標系はITRF 94座標系
  • 基準ジオイド面「日本のジオイド2000」は東京湾平均海面に一致。
  • 測量法第11条第3項による定義は次の通り[9]

「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。

一  その長半径及び扁平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であるものであること。

二  その中心が、地球の重心と一致するものであること。

三  その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。


[ヘルプ]
  1. ^ 正確にはITRF 等では固体地球重心を測地座標系の原点とする。
  2. ^ a b c d 学術的名称は「日本測地系2000」("The Japanese Geodetic Datum 2000")、日本国内の法令上名称と通用名は「世界測地系」。
  3. ^ [1] 測量法第11条第2項 「前項第一号の地理学的経緯度は、世界測地系に従つて測定しなければならない。」
  4. ^ 米国では、国防総省が1960年に世界測地系(World Geodetic System)を策定する以前は、軍(陸軍と空軍)によって異なる全地球的測地系を開発していて、統合化されていなかった。
  5. ^ Tokyo97座標系は旧日本測地系の一種であり、1997年に国土地理院海上保安庁水路部、通信総合研究所の3機関が合同で、VLBISLR[要曖昧さ回避]GPSを用いた共同同時観測(Project97)を実施して決定された。飛田幹男:「世界測地系と座標変換」、(社)日本測量協会、2002年4月、ISBN 9784889410143、p.52。
  6. ^ 飛田幹男:「世界測地系と座標変換」、(社)日本測量協会、2002年4月、ISBN 9784889410143、p.75
  7. ^ [2] 飛田(2001):世界測地系移行のための座標変換ソフトウェア“TKY2JGD”,国土地理院時報,No.97(31-57).p.5
  8. ^ このTKY2JGDは、一、二、三等三角点の経緯度(および地表面高度)のITRF94および日本測地系の数値に基づいており、四等三角点による検証では全国でほぼ0.2 m以下の水平誤差で変換できる。
  9. ^ [3] 測量法第11条第3項


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