数独
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世界選手権
2006年3月10日、11日にはイタリアのルッカで初の世界選手権(世界ナンプレ選手権)が開催され、22か国85名が参加した。優勝はチェコの女性ヤナ・ティローバである。女性が国際的なパズル選手権で優勝するのは世界パズル選手権でも例がないことだった。日本代表はパズル作家の西尾徹也の4位が最高だった。
2007年にはプラハで第2回大会が開催され、個人ではアメリカのトーマス・スナイダーが、チームでは日本が優勝した。また、これに伴い、日本では世界選手権の参加者の選抜を兼ねた日本選手権が行われた。この大会は日本パズル選手権(世界パズル選手権の日本代表選考を兼ねる)と同様世界文化社が主催していたが、現在の選考は世界パズル選手権と同様日本パズル連盟が行っている。
選手権の正式名称は World Sudoku Championship(世界数独選手権)だが、長らく公式な日本語名は商標の関係もあり「世界ナンプレ選手権」となっていた。しかし、2023年以降日本選手権を主催する日本パズル連盟に対して商標の保持者であるニコリが支援を行うようになった影響もあり、公式な日本語名も「世界数独選手権」と改められた。
2013年より18歳以下と50歳以上の部門が新設されている。
バリエーション
数独の中には、新しいルールを付加したり一部のルールを変更したものが多く存在する。
大きさの変更
一般的な数独は枠の大きさが9×9であるが、一辺のマスの数を増やして大型化したものが考えられる。ブロック分けの関係上一辺のマスの数は平方数にすることが多いが、平方数でなくとも作成は可能であり、世界選手権においては6×6(2×3のブロックが6個)の問題が出題されている。16×16や25×25程度のサイズは比較的よく見られ、毎号のように掲載している専門誌もある。これ以上のサイズでは、36×36のものが世界文化社発行の「ナンプレ」1997年11月号に掲載されている。今までにパズル誌で発表された最大の問題は、49×49である。
10以上の数字については、そのまま数字を入れる場合もあれば、アルファベットに置き換えられる場合もある。
ルールの付加
数独のルールに新たな条件を追加したものがある。代表的なものには以下のようなものがある。追加の条件にはそれ自体が解答のヒントとなるものも多いため、同程度の難易度の通常の問題に比べ初めから数字で埋められているマスは少ないことが多い。
- 対角線
- 縦・横・ブロックの他に、対角線でも同じ数字が重複してはならないようにしなければならない問題。対角線を強調するために点線が引かれていたり、色分けされていたりすることも多い。
- 重ね合わせ
- 複数の問題がマスを共有している問題。共有された部分のマスはそれぞれの枠の一部であるため、それらすべてから制約を受ける。
- リレー
- ある問題の解答の一部がそのまま次の問題のヒントとして用いられる。
- 任意の9マス
- 9×9の問題の81マスの内、9マス(例えば、各ブロックの中央のマス)のみ色分けなどによって限定し、その9マスには1から9の数字が一つずつ入るように制限を設ける問題。
- 合計値
- すべてのマスが、3×3のブロックとは別に1〜4個程度のグループに分けられており、各グループの合計が指定されている問題。「サムナンプレ」「キラー数独」などと呼ばれる。
- 入る数字の制限
- 色分けなどによってマスを分別し、「色つきのマスには偶数のみ入る」「カプセルの中には奇数と偶数が1つずつ入る」などのようにマスに入る数字を制限した問題。
- 隣り合ったマスの関係
- マスの境界線に記号を置くことにより、隣り合ったマスに条件が課せられる問題。以下の2つが多い。
- 不等号によって隣り合ったマスの大小関係が指定されている。
- 問題によって指示される記号を挟むマスの数の差が1になる。はさまれない場合の差は2以上が多い。
ルールの変更
ルールの一部を変更したものがある。
最も代表的なものは、本来3×3の正方形であるブロックの形状を不規則な9マスの形(ノノミノ)に変更したものであり、「ジグソー数独」「幾何(模様)ナンプレ」などの名称で呼ばれる。なお、このルールによれば必ずしも9×9の問題である必要はなく、任意の大きさの正方形で問題を作ることも可能である。
他に、立方体の表面上に数字を並べるものや、数字が2つ入るマスを設け各列に10個ずつ数字が入るもの、などがある。
入る数字の変更
入る数字の表記法を制限して、表記の一部を表示するタイプの問題がある。世界選手権では、以下のようなものを入れる問題が登場した。
- 例えば英単語の場合、1 (ONE) なら3文字、7 (SEVEN) なら5文字など、各マスに入る数字の文字数が指定されており、「4文字のマスの2文字目が"I"」などスペルの一部が与えられ、これを手がかりに解いていく。
コンピュータと数独
前記のウェイン・グールドがタイムズ紙に問題を提供していた例のように、コンピュータを用いて数独の問題を解答したり作成したりすることも広く行われている。日本でも、インフォレストが2004年1月から(外注のプログラマが作成した)プログラムで生成された問題を誌面に掲載しているなど、コンピュータによって作成された問題が商業誌に使用されるも例も多い。
ルールの単純さから多くの解答プログラムが作られており、フリーウェアとして公開されているものも多い。多くのプログラムは9×9の標準の形式の解答しかできないが、大きいサイズの問題や対角線の条件が加わったものなども解けるプログラムもある。
問題作成プログラムは、解の存在をチェックするために解答プログラムを内包することになるため、解答プログラムよりも数は少ない。コンピューターで問題を作成する利点としては、短時間で多くの問題が作れることや、「盤面に17個しかない」などのより限定された条件の問題を作ることができることがあげられる。
ただし、コンピュータで面白い問題が作れるかどうかは別の話である。パズル通信ニコリの編集部および読者や、西尾徹也のように日本で専門の雑誌が刊行されるよりも前から数独を作っている作家の中には、「コンピュータ作成の問題より人間が手で作った問題の方が解いて面白い」という意見が存在している。
コンピュータゲームの数独
数独専用の電子ゲーム機やウェブサイト上で
- ぱずるまにあ
- 1999年2月25日、ヒューマンより発売された。ヒューマン倒産後はハムスターより発売。機種はPlayStationで、2007年からはPlayStation Portable用にゲームアーカイブスにてダウンロード配信も開始された。ナンバープレース、ナンバークロスワード、スケルトン+αの4種類のパズルゲームが収録されている。
- SUDOKU 数独
- 2006年3月23日、ハドソンより発売。対応機種はニンテンドーDS。ボタン操作とタッチペン操作の切り替えが可能。ニコリが問題提供で協力している。日本国外では任天堂より「Sudoku Gridmaster」「Sudoku master」のタイトルで発売されている(パズルシリーズの項も参照)。
- ナンプレアドバンス
- 2006年4月6日、サクセスより発売。対応機種はゲームボーイアドバンス。問題数が1000個と多いのが特徴。問題提供は スカイネットコーポレーション。2018年12月13日には問題数が1万個のナンプレ10000(対応機種はNintendo Switch)が配信された。
- カズオ
- 2006年4月27日、ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売。対応機種はPSP。日本以外では「Go! Sudoku」のタイトルで発売されている。また、オンラインのランキングや対戦などにも対応したPlayStation 3版もオンライン配信専用タイトルとして発売されている。
- THE イラストパズル&数字パズル
- 2006年4月27日、ディースリー・パブリッシャーよりSIMPLE DSシリーズ Vol.7として発売。お絵かきロジックと数独を1本のソフトに収録。オリジナル問題の作成機能が付いている。対応機種はニンテンドーDS。
- 2007年11月29日には続編の「SIMPLE DSシリーズ Vol.28 THE イラストパズル&数字パズル2が発売された。
- 2008年11月25日には「@SIMPLEシリーズ Vol.2 THE ナンバーパズルneo」(Wiiウェア)、2014年6月25日には「@SIMPLE DLシリーズ Vol.30 THE ナンバーパズル」(ニンテンドー3DS)、2018年6月7日には「THE 数字パズル」(Nintendo Switch)がダウンロード販売されている。
- Brain Age、Brain Training
- 任天堂『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の日本国外版には数独が収録されている。日本では『ちょっと脳を鍛える大人のDSiトレーニング 数独編』に収録されている。
- 眠れない夜とパズルの日には…。
- 2006年9月28日、ジャレコより発売。カックロなど5種類のパズルを1本のソフトに収録。対応機種はニンテンドーDS。ニコリが問題提供で協力している。また、自動生成の問題も出題できる。
- ナンプレ
- 2007年6月6日、iTunes Store にてダウンロード販売開始。対応機種は iPod(第五世代でソフトウェア1.2以降)。iPod のクイックホイールで操作。エレクトロニック・アーツより提供。海外でのタイトルは「Sudoku」。
- ニコリの数独
- 2010年11月25日、第1集がハムスターより発売。ニコリとの共同開発で数独以外のパズルも収録。PlayStation Portable版の他、ニンテンドー3DS版も発売された。
- ナンプレ Relax
- 2019年4月25日、ジー・モードよりダウンロード販売開始。300問収録で、数字がそろった時のエフェクトを売りにしている。対応機種はNintendo Switch。
注釈
出典
- ^ 西山豊「Sudokuがイギリスで大ブレイク」『数学セミナー』(日本評論社), Vol.45, No.5, 40-44, 2006年5月
- ^ “「数独」の名付け親、鍜治真起さん死去 ニコリを設立:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年8月18日閲覧。
- ^ “「数独」鍜治真起さん死去 読者参加でファン拡大、世界に2億人”. 毎日新聞. 2021年8月18日閲覧。
- ^ 社会部 村井正美; 社会部 渡辺光彦 (2008年3月26日). “[解説]高校教科書検定…1冊で383か所指摘も、文科省の厳しさ浮き彫り”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). オリジナルの2008年5月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「数独データランド」(数独通信Vol.16、ニコリ、2009年11月10日)
- ^ 数独の初期ヒント最小個数は「17」、それ未満では解けないと数学者が結論
- ^ ヒント数最大のナンプレ 稲葉のパズル談話室 2008年6月16日
- ^ 瀬山士郎 編『数学は楽しい』日経サイエンス、2010年2月18日。ISBN 978-4-532-51169-2。
- ^ ニコリ『数独通信』Vol.18(2010年5月)P.44-45「数独データランド」
- ^ プログラミングパズル雑談コーナー 2006年7月10日の書き込み
- ^ GPCC 2011(2011年5月29日閲覧)
- ^ “ギネス世界記録™達成!TIM提供、世界最大のマルチナンプレ・パズル ~『数学の祭典 MATH POWER 2018』にて正式認定~”. Webシステム開発/教育ソリューションのタイムインターメディア. 2021年4月22日閲覧。
- ^ 「鍜治真起の足あと」P.50 ニコリ刊
- ^ Jarvis, Frazer; Ed Russell (2005年9月7日). “There are 5472730538 essentially different Sudoku grids ... and the Sudoku symmetry group”. Frazer Jarvis's home page. 2006年9月16日閲覧。
- ^ 数字のパズルの本 | WEBニコリ
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