戦闘 戦闘理論の応用

戦闘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 02:56 UTC 版)

戦闘理論の応用

陸上戦闘

陸戦は陸上で実施される戦闘である。徒歩、装輪などの複数の機動手段と部隊編制、多様な攻撃防御後退行動の戦術行動、火器が発達した現代では長短射程、直曲射弾道射撃などを有機的に組み合わせて行われる。また陸地は人間の生活基盤が存在するため、陸戦は複雑な心理的影響を与える。加えて陸戦は非常に多様な側面を持っており、作戦地形気候、時間帯、戦術などにより様々に分類することができる。

  • 野戦 - 人工建築物がほとんど存在しない地域における陸上戦闘。
  • 陣地戦 - いくつもの野戦築城陣地が準備された地域で行われる戦闘。戦線が膠着し、その野戦陣地が逐次増強されてきている場合に発生する(塹壕戦はこれに含まれる)。
  • 攻城戦 - 一方が要塞・城砦に立て篭もって防勢をとり、敵対する戦力がそれに対して攻撃して起こる戦闘(近代以降は要塞戦と呼ばれる)。
    • 籠城戦 - 攻撃を仕掛けてくる敵に対し要塞・城砦に立て篭もって迎え撃つ戦闘。攻城戦の守勢側からの呼称(因みに、ではあるが南北戦争で目と鼻の先にある要塞同士で戦闘が行われた事例があった)。
  • 遊撃戦 - 敵戦力の後方または敵の支配地域における戦闘(ゲリラ戦とほぼ同義)。
    • 森林戦 - 熱帯雨林など植生が濃い地域における陸上戦闘。
    • 山岳戦 - 高低起伏が激しい山岳地域における戦闘。
    • 市街戦 - 人工建築物が密集する都市部における戦闘。
  • 湿地戦 - 湿地などの湿り気の多い場所での戦闘。
  • 雪中戦 - 寒冷地における戦闘。
  • 砂漠戦 - 砂漠地域における戦闘。
  • 上陸戦 - 上陸を試みる戦力とそれを阻止しようとする戦力が衝突する海岸・川岸における戦闘。
  • 機動戦 - 部隊が機動しながら遂行される戦闘[注 1]
  • 会戦 - 大規模な部隊が決戦を目的として準備した上で、戦場で対峙してから行われる戦闘。主に近代の世界大戦以前の戦闘を指す。
  • 遭遇戦 - 機動中に敵と不用意に接触して起こる戦闘をいう。会戦の対義語。
  • 白兵戦 - 近接戦闘部隊による突撃を主要な戦術行動とした戦闘[1]

海上戦闘

海戦は水域において海上戦力が戦術的に衝突した戦闘をいう。気象、水路、海洋短波、潮汐などに影響され、また補給・整備の関係から持久戦を実施することができず、決戦となり、またその結果も完全な勝利か殲滅的敗北のどちらかになる傾向が強い。特徴として水域における戦闘であるために陸上戦力のように地形を戦力化することが殆どできず、兵器の性能が戦闘の勝敗を直接的に決める。そのため海戦はランチェスターの法則が殆どそのまま適用される。分類には以下のようなものが代表的に挙げられるが、さらに特殊作戦、監視・哨戒、情報戦、指揮統制、電子戦、補給などが関わる。

  • 水上打撃戦 - 水上艦艇を以って敵の水上艦艇、地上戦力、陸地の施設などに対して砲やミサイルなどで攻撃する戦闘。
  • 空母航空打撃戦 - 航空母艦の航空隊を用いて敵艦隊に対して航空攻撃を行う戦闘。
  • 対空戦闘 - 敵の航空戦力に対して航空攻撃を妨害するために対空ミサイルや機関砲などで攻撃を行う戦闘。
  • 対潜戦闘 - 潜水艦に対する対潜艦艇、航空機による戦闘をいう。その要領として、聴音ソナーアクティブソナーなどを用いて捜索、探知して対潜魚雷対潜ミサイルで攻撃を行う。また潜水艦の攻撃に迅速に対応するために精度を犠牲にして行う攻撃を行う場合もある。
  • 機雷戦 - 戦略的、作戦的、戦術的な機雷の敷設と掃海。

航空戦闘

航空戦は航空戦力による戦闘をいう。航空戦は極めて迅速に進展し、また地球上あらゆる場所で発生し、高度な打撃力で敵と交戦できる特徴がある。航空戦力は長時間その空域に駐留することはできないため、その進展は即時決戦であり、敵航空戦力を撃破することによって航空優勢を得ることができる。確保ただし空軍はその戦力の特徴上から作戦によって分類している。

  • 戦略的航空作戦 - 敵の戦略要地・要線に対する攻撃を行う作戦をいう。
  • 戦術的航空作戦 - 作戦地域において味方陸上及び海上戦力と連携して敵部隊を攻撃する作戦をいう。
  • 防空作戦 - 侵攻する敵航空戦力を撃破、妨害することにより防護対象を防護する作戦をいう。

その他の戦闘

戦闘とは戦力が直接的に戦闘力を行使し、相手を排除してでも目的を達成しようとする場合に発生するものであるため、ここで述べる戦闘は厳密には戦闘ではない。しかし闘争の形態として一般的に認知されている。


注釈

  1. ^ 旧軍用語では運動戦。

出典

  1. ^ 旧軍用語では遠戦・火戦(火器を用いた戦闘)と対比されることがある。


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