戦闘での役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 01:06 UTC 版)
マンゴネルは、重量のある投射体を、支持腕終端の椀状に整形されたバケットから放った。[要出典]このバケットはスリングに比べて多量の岩を放つことができた。これはオナガーとの相違点である。スリングは、射撃に用いる力が強化されるとバケットに交換された。戦闘において、マンゴネルは、岩や燃焼物を射ち出した。ファイアーポットは衝撃で炎上する可燃物を充填した容器だった。また他には、攻撃や防御に当たる部隊が、即座に利用できたものを投げつけた。風変わりな投射物としては、腐敗した動物や人間の死体、とくに頭部など、脅迫や士気喪失、または防御側に疫病を蔓延させるために用いられた。この戦術は効果があった。攻城戦において、防御側は城内に閉じこもることになるため、食料の補給は不十分になりがちで劣化・腐敗しやすく、狭隘な居住空間も相まって衛生状態も劣悪であった。こういった状態で腐敗した死体を投げ込むことは、有害な小動物の加勢も得て防御側に疫病を蔓延させるにあたって理想的な手段であった。しかし注意すべきことに、マンゴネルの主要な任務は、ことに中世の戦闘においては城壁や都市の防壁、インフラを打ち崩すことであり、兵員の殺傷ではなかった。予測不能で強力な打撃は、建造物や防壁など、面積が大きい固定目標の攻撃に最適だった。
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