レベルファイブ レベルファイブの概要

レベルファイブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 14:36 UTC 版)

株式会社レベルファイブ
LEVEL-5 Inc.
レベルファイブ本社のある薬院ビジネスガーデン
種類 株式会社
本社所在地 日本
810-0022
福岡県福岡市中央区薬院1-1-1
薬院ビジネスガーデン
設立 1998年(平成10年)10月
業種 情報・通信業
法人番号 6290001021770
事業内容 ゲームソフトの企画・制作・販売
代表者 代表取締役社長 日野晃博
資本金 1億円
売上高 104億円(2011年7月)
従業員数 300名(2019年5月現在)[1]
主要子会社 LEVEL-5 International America Inc.
LEVEL-5 abby Inc. 51%
外部リンク https://www.level5.co.jp/
テンプレートを表示

歴史

デベロッパーとして創業

1998年10月、元リバーヒルソフト社員の日野晃博を中心に有限会社として設立。当初はソニー・コンピュータエンタテインメント(以下「SCE」)の子会社としての起業を視野に入れていたが、当時SCE副社長だった佐藤明の助言により独立起業の道を選んだ[2]。その後、2001年10月に株式会社へ組織変更。

SCEの支援を受け、デビュー作となるロールプレイングゲーム(RPG)『ダーククラウド』(2000年)をPlayStation 2(PS2)向けに開発した。同作はアメリカミリオンセラーを達成し高い評価を受けた。

これ以降RPG作品を制作するデベロッパーとして、『ダーククロニクル』(2002年、SCE)、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(2004年スクウェア・エニックス)、『ローグギャラクシー』(2005年、SCE)、『JEANNE D'ARC』(2006年、SCE)などのRPG作品をPS2やPlayStation Portable(PSP)向けに開発した。『ドラクエVIII』は同シリーズの作者堀井雄二から、シリーズにおいて「初めて延期なしで発売できた快挙」と称賛された。

2002年にはマイクロソフトのパブリッシングによるXboxMMORPGトゥルーファンタジー ライブオンライン』が発表されたが、2004年6月3日に開発中止が発表されている。2004年4月、GFF九州地方のゲームソフトウェア制作会社8社にて設立。

パブリッシャー参入とメディア展開

2006年10月11日にパブリッシング事業の開始と企業ロゴマークの変更が発表された[3]2007年に発売されたパブリッシング第1弾の『レイトン教授と不思議な町』(ニンテンドーDS)は国内外でヒットしシリーズ化され、同社の成長と知名度向上の原動力となった。『レイトン教授』は有名俳優の声優起用やアニメ映画の公開などメディアを広く活用した展開が行われ、続く『イナズマイレブン』(2008年、ニンテンドーDS)からは、ゲームの発売前からテレビアニメの放送を前提に時期を連動させるなどのメディアミックス展開が積極的に活用されている。

加えて『ダンボール戦機』(2011年、PSP)や『妖怪ウォッチ』(2013年ニンテンドー3DS)では玩具メーカーとの提携を深めており、ゲームソフトにプラモデルやメダルといった玩具を同梱した上で、これらの別バージョンを玩具メーカー自身も販売し、また他の各社が販売する関連商品にも同梱させている。これによりゲームの販促活動としてのメディアミックスに留まらず、提携各社の商品の売り上げを最大化することで、他社を巻きこんだIP全体としての経済規模を拡大させる施策を成功させている。

2008年に福岡市の東平尾公園博多の森球技場命名権を取得し、3月1日から2020年2月29日まで「レベルファイブスタジアム」と呼称されていた[4]

2011年6月13日、10月より放送開始のテレビアニメ機動戦士ガンダムAGE』を製作発表し[5]、レベルファイブが企画協力し、日野がストーリーとシリーズ構成、長野拓造がキャラクター原案を担当する。

事業の拡大

2011年6月21日、モバイルコンテンツ大手のDeNAと業務提携を行いソーシャルゲーム事業において、ゲームの共同企画・開発を進め、両社共同で海外のソーシャルゲーム市場の創出・開拓を目指すと発表した。10月15日、初の単独ゲームショー「レベルファイブワールド2011」を東京ビッグサイトで開催し、出版ブランド「LEVEL5 BOOKS」の立ち上げおよび店舗用ゲーム機分野への参入も発表された。

2013年5月30日、ハードの垣根を越えた(サーバーを介してハード間でデータを共有する)スマートフォン向けの新ゲームブランド「UNIPLAY」を発表[6]ワンダーフリックなど2タイトルが配信されたが、現在はサービスが終了している。

2015年7月23日、UNIPLAYに代わる新たなサービス「LEVEL5 ID」の提供が開始された。

2015年8月31日電通との共同出資により海外クロスメディア展開を行う会社「LEVEL-5 abby Inc.」を米国のサンタモニカに設立[7]

2016年12月26日、2D・3Dグラフィックワーク製作を専門とし、自分の好きな時間帯でグラフィック製作の仕事が行える新しいスタイルの会社「フリースタイルワーク」(レベルファイブ100%出資の子会社)を設立[8]

2017年6月15日には、ゲーム開発会社comceptとともにゲームアプリ企画開発を行う会社「LEVEL5 comcept」[1](レベルファイブの100%子会社)を設立し[9]、2019年6月18日に初のタイトル「ドラゴン&コロニーズ」を配信したが、2020年2月17日をもってサービス提供を終了した[10]

2020年10月15日には、クリエイティブコミュニケーションサイト「マンガ5」のサービスを開始[11]。サービス開始時点では完全オリジナルの9作品が掲載されている。

ROID

2009年6月1日iモード向けにサービス開始されたゲームポータルサイト。2008年9月26日の「LEVEL5 VISION 2008」で発表、プレゼンではロボットに変形する仮想のゲーム機が登場した[12]。PC版のリリースも発表されたが、最後まで実施されることはなかった。

2012年11月1日、同じくゲームポータルサイト『レイトン教授モバイル』とサービスを統合し、新たに『レイトン教授モバイルR』としてリニューアル[13]。ROID時代のゲームは一部を残してサービスを終了。その後、『レイトン教授モバイルR』も2014年8月31日にサービス提供を終了した。


  1. ^ 会社概要|株式会社レベルファイブ”. 2019年5月22日閲覧。
  2. ^ インタビュー 日野 晃博さん”. PlayStation.com(Japan)|PS World. 2011年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月2日閲覧。
  3. ^ レベルファイブ、パブリッシャー事業を開始。第1弾は“ナゾトキ”アドベンチャー、DS「レイトン教授と不思議な町」”. GAME Watch (2006年10月11日). 2016年6月24日閲覧。
  4. ^ “「レベスタ」球技場名称を変更へ、12年で幕 福岡”. 日本経済新聞. (2019年11月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52790130Z21C19A1LX0000/ 2020年3月5日閲覧。 
  5. ^ a b 「機動戦士ガンダムAGEエイジ」 2011年10月より放映開始” (PDF). バンダイナムコホールディングス (2011年6月13日). 2011年6月13日閲覧。
  6. ^ “[https://www.level5.co.jp/news/20130530/popup.html スマートフォン向け新ブランド"UNIPLAY"を立ち上げ 『ワンダーフリック』『地球壊滅的B級カノジョ』『魔神STATION』の 3タイトルを発表!]”. 2019年10月3日閲覧。
  7. ^ レベルファイブと電通が海外クロスメディア展開専門の新会社“LEVEL-5 abby Inc.”を設立”. ファミ通.com (2015年10月1日). 2016年6月24日閲覧。
  8. ^ デザイナーが“好きな時間を選んで働ける”新しいスタイルの会社「株式会社フリースタイルワーク」設立のお知らせ”. レベルファイブ (2016年12月26日). 2016年12月31日閲覧。
  9. ^ レベルファイブ 開発拠点を大阪へ展開 新会社「LEVEL5 comcept」設立のお知らせ”. レベルファイブ (2017年6月15日). 2017年6月17日閲覧。
  10. ^ 『ドラゴン&コロニーズ』サービス終了のお知らせ”. レベルファイブ (2019年12月19日). 2019年12月23日閲覧。
  11. ^ マンガ5”. レベルファイブ. 2020年10月15日閲覧。
  12. ^ “レベルファイブ、「LEVEL5 VISION 2008」開催 完全新作や新規プロジェクトを多数発表”. GAME Watch. (2008年9月26日). https://game.watch.impress.co.jp/docs/20080926/lv5.htm 2011年7月13日閲覧。 
  13. ^ “NTTドコモ iモード公式・ゲームポータルサイト「レイトン教授モバイル」および「ROID」サービス統合と新サービス開始のお知らせ”. レベルファイブ. (2012年8月31日). https://www.level5.co.jp/news/20120831/popup.html 2013年6月25日閲覧。 
  14. ^ イナズマイレブン巡り…セガ、ゲーム特許で提訴 Archived 2012年12月11日, at the Wayback Machine. 読売新聞 2012年12月11日
  15. ^ レイトンシリーズ公式サイト - ウェイバックマシン(2018年5月30日アーカイブ分)
  16. ^ レイトンシリーズ公式サイト - ウェイバックマシン(2018年6月6日アーカイブ分)
  17. ^ ゲームとCGアニメのデザインを体験して”. ■□■KYMG■□■ (2016年1月18日). 2018年5月10日閲覧。
  18. ^ レベルファイブの「スナックワールド」が,韓国でスマホ向けアクションゲームとして登場。NFCチップ内蔵玩具も発売”. 4gamer.net (2018年11月24日). 2019年5月2日閲覧。
  19. ^ 妖怪大辞典”. 2021年1月29日閲覧。
  20. ^ モーションキャプチャースタジオ[MCS]”. レベルファイブ. 2022年3月27日閲覧。
  21. ^ https://twitter.com/hoshiko_level5/status/1176784056484126720?s=21
  22. ^ レベルファイブがベルギー1部リーグ所属のサッカークラブ STVV(シント=トロイデンVV)とオフィシャルスポンサー契約を締結。『イナズマイレブン』がユニフォームスポンサーに! - レベルファイブ 2018年7月17日
  23. ^ レベルファイブ制作・ネーミング考案の大会マスコット 「シーライ」と「シャーニー」発表のお知らせ - レベルファイブ 2019年7月9日(2019年7月11日閲覧)


「レベルファイブ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「レベルファイブ」の関連用語

レベルファイブのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



レベルファイブのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのレベルファイブ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS