幕府安定期とは? わかりやすく解説

幕府安定期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:57 UTC 版)

室町時代」の記事における「幕府安定期」の解説

1367年2代将軍足利義詮死去し10歳義満3代将軍となったこのころまでに反幕府方畠山国清大内弘世上杉憲顕山名時氏らが幕府降っており、九州では後醍醐皇子征西将軍懐良親王中国明朝より「日本国王」として冊封受けてお勢力を拡大していたものの、中央の南朝方は抵抗力をほとんど失っていた。管領細川頼之は幼い将軍補佐し1368年には南軍の将楠木正儀を寝返らせ、九州南朝勢力排除のために今川貞世派遣内政においては新興禅宗である南禅寺と旧仏教勢力比叡山との対立問題の対応や半済実施などを行い幕府権力安定化推し進めていった。1379年には康暦の政変で頼之が失脚し後任には斯波義将就任する義満奉公衆呼ばれる将軍直轄軍事力整え、有力守護大名山名氏大内氏挑発してそれぞれ明徳の乱応永の乱追討し、将軍権力固めて明徳の和約によって南北朝合一し、天皇に迫る権力確立する足利義満急死すると、4代将軍足利義持斯波義将補佐され、義満対す太上天皇追号辞退し勘合貿易での明との通商一時停止するなど義満政策否定し幕政守旧的なものに改める。これは貴族色が強まった義満晩年政策反感を抱く武士達の不満に応えたものであった応永30年1423年)に実子足利義量将軍職を譲るが義量早世し、さらに義持自身後継者決めないまま死去する6代将軍籤引き選ばれることとされ、義満の子僧門入っていた義円還俗して足利義教名乗り将軍就任する足利義満南北朝合一達成し幕府権力絶大にしたものの、義満急死後は大名合議制戻り相対的に将軍権力低下した。更に民衆による土一揆発生後南朝による南朝再興運動など、幕府にとってはかつてない事態遭遇するようになったそのような中で諸大名にとっても領国統治の必要上、将軍これ以上権威の低下避けたいとの思惑もあった。比叡山座主であった足利義教くじ引き将軍になると、土岐氏赤松氏大内氏らの有力守護大名後継争い積極的に干渉し将軍権力の強化努めた。更に幕府反抗的だった鎌倉公方足利持氏永享の乱で、その残党結城合戦討伐する全国足利将軍表向き刃向かう勢力無くなり一見社会安定に向かうかに見えた。だが、余りにも強硬な政治姿勢人々に「恐怖政治」との反発を抱かせ、嘉吉元年1441年)に赤松満祐により義教暗殺された(嘉吉の乱)。これをきっかけ将軍の力は衰えた義教急死により息子義勝幼少にて7代将軍となるが、在位1年早世した。義勝死後8代将軍足利義政就任する幼少将軍続いたため有力大名による合議幕政運営された。 関東鎌倉公方足利成氏関東管領上杉憲忠暗殺したことに端を発し享徳の乱勃発すると、義政は成氏への対抗策として前年還俗させた異母兄の政知を正式な鎌倉公方として関東送った。しかし政知は鎌倉に入ることが出来ず手前伊豆堀越留まりそこに堀越御所築いた一方で成氏の方は今川範忠鎌倉占拠されたため、下総古河新たな本拠とした。これにより、堀越公方古河公方という二つ鎌倉公方並立することになった義政子供恵まれなかったために弟の義視養子として後継者指名したが、正室日野富子息子義尚生まれると、将軍後継問題発生した義政義視中継ぎとして就任させてから、その上で義尚将軍にするつもりであったが、義尚養育であった政所執事伊勢貞親義視将軍就任反対であった文正元年1466年)、貞親は斯波氏家督争い武衛騒動)に介入し斯波義敏家督与えるよう義政求め義政もこれに応じた。しかし有力大名山名宗全斯波義廉支持し、これに反発した。貞親は義敏に加え日明貿易利権めぐって細川勝元対立していた大内政弘抱き込み一大派閥結成した上で義視謀反疑いありと義政讒言し義視排除図った。しかし義視勝元邸に駆け込み救援求めると、勝元と宗全は結託して義政抗議し、これにより貞親は失脚し京を去った文正の政変)。側近である貞親の失脚により義政将軍親政を行うことが不可能となり、義政権威失墜した

※この「幕府安定期」の解説は、「室町時代」の解説の一部です。
「幕府安定期」を含む「室町時代」の記事については、「室町時代」の概要を参照ください。

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