宇宙空手連合軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 15:06 UTC 版)
「銃夢 LastOrder」の記事における「宇宙空手連合軍」の解説
宇宙時代における空手道は、サイボーグ対サイボーグ武術へと発展されている。全長5-6m前後の大型ボディを生かしたフルコンタクト空手やキックボクシングの流れを汲む流派が多数派だが、超電磁空手など沖縄古流空手を源流とする流派も存在する。 刀耳(トージ) 宇宙空手連合軍のリーダー。「虐殺士」の称号を持つ超電磁空手八段位。巨躯ならではのパワーと外見に似合わない身の軽さを兼ね備え、試割りでビル120階を粉砕する「超電磁逆突き」などを使いこなす。正々堂々とした実直・求道的な性格。 人権のない子供たちが空手を学べない現体制を憂慮し、老若男女分け隔てなく諸流派の空手を修業できる「空手星」を作らんと、超電磁空手の方針に背いて宇宙空手連合軍を結成、ZOTTに参加する。本大会前に戦闘解放区での肩慣らし中にガリィらと対決、意識を失ったガリィを殺害するチャンスを得るが自身の敗北を認めて手を下さずそのまま帰し、ガリィと互いにライバルと認め合った。本戦が開始し絶火がチームに合流した後、絶火の「真の突き」を通じて祖師・呑破が憑依、呑破との無自覚な会話の中で本当の意味での「強さ」を求めていくようになる。 決勝戦でのガリィとの一騎打ちでは奥義「豪鼠天敵殺し」を開眼、憑依した呑破の動きを無意識にトレースすることで絶火も驚愕するほどの身のこなしを見せるも最後は敗れ、危うくとどめを刺されるところを実体化した呑破に救われた。 絶火(ゼッカ) 「伝説の拳豪」として知られる空手家。呑破と共に、生身の人間が使う空手を知る最後の人物(カラテマスター)から首里手の教えを受け、サイボーグ用の空手を発展させた一人である。ゼクスと同じフィジロイ体の持ち主で、何者にも属さず政治信条もなく「男のロマン」を追い求める極めて自己中心的・豪放磊落な性格をしている。その実力は極めて高く、第2回ZOTTに参戦し呑破と対戦した際はお互いの技のぶつかり合いで会場が崩壊し、その余波が遠く離れたザレムのチューブを切断したほどである。 「屠竜の技を完成させよ」という師の遺言を守り、強烈な連続技から反物質を込めた右拳で全てを破壊する「屠竜破骨」を編み出したが、並の相手は牽制の初撃(下段足刀蹴り)で即死するため、かつて出し切ったことは一度もない。また反物質を生成する為の粒子加速器「丹田炉心」を組み込んだ結果、ボディのバランスが非常に繊細な物になっている。 刀耳から大会参加の招集を受けるもレベルの低い戦いに気乗りがしていなかったが、ゼクスの能力に興味を持ち勢いで大会参加を了承。群を抜いた戦闘力を発揮しアノーマリーやガルガンチュアを圧倒、決勝戦でも苦戦の末にゼクスを粉砕して勝ち残る。その後刀耳から離れ実体化した呑破と対決、屠竜破骨を出し切るも是空掌によって反物質を右腕ごと宇宙の彼方に飛ばされ、直後に自身も是空掌で月面にワープさせられ、敗北した。 破壊や殺人を一切厭わない気質のため周囲からは危険人物扱いされているが、本人は戦いに関して悲壮感や憎しみを抱いておらず、技を振るえることを純粋に喜び楽しんでいる。 呑破(ドンファー) 絶火の相弟子。カラテマスターより那覇手を授かった後、超電磁空手を創始し宇宙最大の空手団体へと育て上げた。絶火と互角の実力を持ち、宇宙海賊を相手に一撃虐殺を成し遂げたこともある。「星拳」の異名で知られる。伝法な口調で大らかな性格をしている。 超電磁空手を引退した後、出家して仏門に入り、修業の果てに「即身物」となった。しかし死亡したわけではなく、その体に搭載されたD-リッパー装置のために別の次元を行き来できる特異体質となり、ワープや実体化・非実体化を自在にできるようになっている。 師が今際の際に残した「戮虎の拳を編み出せ」という遺言を守り、敵の攻撃や敵自身を遠く離れた場所へとワープさせる右掌「是空掌」と、ブラックホールを生み出し全てを破壊する左拳「是色拳」を完成させた。ZOTT決勝戦終盤に突如試合場に出現、ガリィにとどめを刺されそうになっていた刀耳を守り、是空掌によって絶火との宿命の対決を制した後、ダモクレスの剣を是色拳で破壊。ムバディの脳チップを奪い、ガリィに「想像力の制御」というアドバイスを伝えたのち、ペイン大佐の思念体を無理矢理引き連れて別の次元へと旅立っていった。 絶火に対しては、その自己中心的な視野の狭さを嘆く一方、空手家としての天賦の才能と「男のロマン」を求める単純な生き方が羨ましかったと語っている。 汰羅刃(タラバ) 上地流の流れを汲む超甲殻空手の達人。自分の身体をコイルにして周囲に磁界を発生させる防御法「超甲殻三戦法」は、攻撃した側の拳足が破壊されるほどの圧倒的な防御力を誇る。 刀耳の空手星構想に共鳴し、リザーバーとして宇宙空手連合軍に合流。準決勝の金星チーム戦にて、刀耳に擬態したオムデュフーに不意打ちでプラズマ毒を撃ち込まれて致命傷を負い、最後はオムデュフーをひとりの武人と認め正面から立ち合い死亡した。超甲殻三戦法は、不完全ながら刀耳に受け継がれている。 羅姦(ラカン) 徹甲館空手の使い手。指先に劣化ウラン弾芯を仕込んで貫手として用いており、更にポロニウムを加えて毒手としている。各種銃弾に対する防御を得意とし、動作によって生み出す衝撃波や身に着けた防具「外道輪」で銃弾を防ぐだけでなく、正確かつ高速の貫手「弾心徹し」で飛来する銃弾の軌道を逸らす。外道輪を外して身を軽くすると、常軌を逸した超高速戦闘「変態飛攻」が可能となる。 かつては銃弾掴みでの演武で知られる温厚な空手家だったが、友人にそそのかされた息子に頭部を撃たれて脳が損傷、一命は取り留めたものの人格が豹変し、婦女の暴行と殺戮を好む殺人鬼となった。その高い実力と奔放な生き方を絶火に評価され、リザーバーとして宇宙空手連合軍に編入。ZOTT決勝戦にてザジとの一騎討ちを行い、超人的な身のこなしでザジを追い詰めたが、オスミウム弾により弾心徹しを破られて四肢を撃ち抜かれ、最後は肛門から撃ち込まれた銃弾で脳を破壊されて死亡した。「変態」と言うある意味筋を通した生き様は「漢のロマンの残骸」と評された。 牙鼻人(ガヴィト) 宇宙空手連合軍初期メンバー。我道会所属。背部に備えた打撃(ヒッティング)タービンによって毎秒40発に達する連打「ファランクス」を得意とする。スカラベのようにあらゆるものをダンゴのように丸めてしまう癖がある。 戦闘解放区でガリィと交戦し、挑発に乗ってリミッターを解除し、毎秒400発を実現した「ファランクス・アフターバーナー」を繰り出すも、カウンターを取られて敗北し死亡した。 鳳眼(ホーガン) 宇宙空手連合軍初期メンバー。忍術と空手を組み合わせた「冴天狗流空手」の相伝者。猛禽類のような外見をしており、空中戦や奇襲を得意とする。 戦闘解放区でザジと交戦、電磁気による防壁で銃撃を無効化していたが、地雷と非金属兵器の前に敗れた。
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