ブラックホールとは?

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ブラックホール [5] 【black hole】

物質も光も外部脱出できないような強い重力場を持つ天体質量太陽の数倍程度のブラック-ホールは,大質量の星が超新星爆発したときに残された中心部が重力崩壊したもの銀河中心核にあるとされる質量太陽数百万倍以上もあるブラック-ホールは,銀河形成初期につくられたと考えられている。

ブラックホール black hole

光さえ脱出できないほどの重力の強い大質量天体太陽の8倍以上の質量を持つ星は、進化最終段階超新星爆発起こす。星の外側爆発で吹き飛ばされるが、内側中心核残り、やがて収縮する。中心核質量太陽の1.9倍以上の場合、その中心核自分自身の強い重力のため星を支えられなくなり、限りなく収縮していく。その収縮した半径がある一定の大きさ半径シュワルツシルト半径)に達すると、重力極めて強くなり、その内側からは全ての物質が出られなくなる。これがブラックホールである。ブラックホールは理論上存在に過ぎない考えられてきたが、最近観測により宇宙存在していることがわかったはくちょう座X-1Cygnus X-1X線を出す領域中心に強い重力場持っている見えない領域)がブラックホールではないか考えられており、セイファート銀河NGC7742(Seyfert Galaxy極めて明るく輝く点状の中心核持ち渦状腕はっきりしない銀河)の中心部にも存在すると考えられている。

ブラックホール

ブラックホールに入ったら物質は2度と外に出られなくなる

ブラックホールとは、重力が強いために光さえ脱出できない天体をいいます。太陽の8倍以上の質量をもった星では、その進化最終段階超新星爆発起こし、星の外層部を吹き飛ばしますが、逆に中心核重力収縮します。この中心核質量太陽の2~3倍に達しない場合中性子星になりますが、それ以上の場合自分自身の強い重力のために星を支えることができなくなります。そして最後に重力崩壊し、物質が外に飛び出せない領域(ブラックホール)をつくるのです。

重力バランスの崩壊がブラックホールを形成する

一般相対性理論によれば、ブラックホールは光さえも重力に引きつけられるので、外部からブラックホールそのものを見ることはできません。天体限らず太陽質量10万倍以上の星間雲そのまま収縮すれば重力崩壊します。銀河中心核球状星団中心核では星が密集しているため、互いに作用する重力によってバランス崩れ巨大なブラックホールを形成する可能性あります

最初に発見したブラックホールははくちょう座X1番星

1970年アメリカ科学者たちは強力はX線放射する天体突きとめるため、アフリカケニアからウフルという名の人工衛星打ち上げました。X線エネルギーの高い光で、宇宙激し活動表わすものですが、ウフルは数100個もX線源を発見しました。その多く中性子星で、伴星ガスをはぎとって活動する星でした。
しかし、はくちょう座X1番星はちがいました。そのX線源と同じ位置に、太陽のおよそ30倍の重さ大きな熱い青い星があったのです。この星は、太陽10倍の大きさ見えない天体引っぱられており、これが多く天文学者からブラックホールであると初め認められました。

世界の科学者にショックを与えた「ホーキングの放射」理論

「ブラックホールは、明る輝いたり、縮んだり、ときには爆発したりすることがある」。1974年イギリス科学者スティーブン・ホーキングのこの予言は、科学世界大きなショック与えました。それまで、ブラックホールは宇宙物質究極的吸込口であり、どんなものもそこから出ることはできないし、ガスや星を飲み込んで質量を増やし、大きくなることしかできないと思われていました。
ホーキング理論は、一般相対性理論量子力学組み合わせて、さらに想像力大きく飛躍させたものです。彼はブラックホールの周囲重力場から、エネルギー放射されることを発見しました。つまり、ブラックホールから質量エネルギーがわき出ることもあるということです。この「ホーキング放射」は、通常のブラックホールではごくわずかです。しかし、非常に小さなブラックホールはエネルギー放射し、やがて大爆発起こす確率が高いとされています。

宇宙にはまだまだ巨大なブラックホールがある

いまでは、ブラックホールが引き起こす宇宙現象は、大きく分けて次の5つがあります。それは、(1)見えない質量(ミッシングマス)、(2)X線など周囲物質落下する際の放射、(3)物質吸い込み、(4)重力波源、(5)重力レンズです。
先ほどふれた質量太陽の6倍もあるはくちょう座X-1さそり座V861星、宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))衛星発見したきりん座X0331+53大マゼラン星雲にあるLMCX3などが大質量星のブラックホールの有力候補といわれています。また、銀河中心核では、ハッブル宇宙望遠鏡などの観測によりアンドロメダ座M32おとめ座M87などの巨大なブラックホールがあるとされ、M87については、太陽質量26億倍という超大質量のものであるといわれています。また、国立天文台1995年銀河M106太陽質量の3,600万倍巨大ブラックホール発見したと発表しています。

衛星あすかがガスを吸い込むブラックホールを初観測

ブラックホールは、光さえも吸い込む強力な重力場として知られていますが、実際に物質吸い込まれるのを観測したことはありませんでした1999年8月日本の天衛星「あすか」が、ガスがブラックホールに吸い込まれる様子初めてとらえました。これは、地球から1億光年離れ銀河「NGC3516」の中心にある太陽の1,000万倍もの質量をもつブラックホールを観測したもので、銀河の出すX線詳しく分析し、波長から速さ割り出したところ、ガス時速1,040kmでブラックホールに吸い込まれているとわかりましたその後、米オハイオ州立大研究チームが、ブラックホールが強い重力によって周りのちりやガス渦巻くように吸い込む様子撮影に初成功しました。

これまでで最も低温、100万℃のブラックホール

1999年10月観測では、X線天文衛星チャンドラ観測史上最も低温のブラックホールを発見しました。冷たいといって温度100万を超えますが、これまでは最低でも1,000はあるとされてきたので、超低温といえます。見つかったのは、地球から約200光年離れアンドロメダ銀河で、太陽の3,000万倍もの質量があると考えられる超大型ブラックホールです。ここに吸い込まれるガス摩擦で熱せられて出すX線チャンドラキャッチするのに成功X線強さからガス温度は数100万わかりました。なぜ温度が低いのか不明ですが、ブラックホールは大型になるほど温度が高いという理論見直す必要が出てきました。

アメリカの天文観測衛星チャンドラが発見した、観測史上最も低温のブラックホール
アメリカ天文観測衛星チャンドラ発見した、観測史上最も低温のブラックホール


ブラックホール

作者横田順弥

収載図書ヨコジュンのショート博覧会
出版社徳間書店
刊行年月1987.8
シリーズ名徳間文庫


ブラックホール

作者沢渡麗二

収載図書山の夜を見よ
出版社朔風
刊行年月1996.8
シリーズ名渓流ライブラリー


ブラックホール

作者柳谷郁子

収載図書月柱
出版社読売新聞社
刊行年月1999.1


ブラックホール

作者平谷美樹

収載図書時間よ止まれ平谷美樹ショートショート
出版社角川春樹事務所
刊行年月2005.12
シリーズ名ハルキ文庫


ブラック・ホール

作者杉本晴子

収載図書幻花
出版社かまくら春秋社
刊行年月2003.11


ブラックホール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/04 07:21 UTC 版)

ブラックホールblack hole)とは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなくさえ脱出することができない天体である[1]。名称は、アメリカ物理学者ジョン・ホイーラーが1967年に命名した[2]。それ以前は、崩壊した星を意味する“collapsar”[3](コラプサー)などと呼ばれていた。




注釈

  1. ^ この乱暴な態度が、その後40年間ブラックホールの研究が滞る結果を招く要因となる。また、このやりとりはチャンドラセカールのその後の人生にも暗い影を落とすことになった[10]
  2. ^ なお、カー解は、ブラックホール唯一性定理により、軸対称定常・真空かつ無限遠平坦という仮定のもとでのアインシュタイン方程式のただ一つの解であることが示されており、ブラックホール脱毛定理(無毛定理)の描像とあわせて、物理的に形成されるブラックホールの最終段階と考えられている(出典: B. Carter, Phys. Rev. Lett. 26, 331 / 1971年)。1973年に京都大学冨松彰佐藤文隆が発見したトミマツ・サトウ解はカー解を歪めたもので裸の特異点が存在する。
  3. ^ ペンローズ本人は幾何学を専門としており、デニス・シアマにその才能を一般相対性理論の領域で活かすべきだと誘われている[18]
  4. ^ なお、ホイーラーはダラス会議から1年と経たない段階で、スティーヴン・ホーキングと出会っている[18]。ホーキングは後に、事実上ホイーラーの最良の教え子となり、ブラックホールの研究を最も確固たる形で受け継ぐことになった[18]。ホーキングは飲み込みの良い学生で、ペンローズの手法を全て吸収し[17]、逆向きの星の崩壊と考えることができる、開いた宇宙(永久に膨張し続ける宇宙)に手法を応用した[17]

出典

  1. ^ デジタル大辞泉
  2. ^ a b c 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著、P.158
  3. ^ weblio
  4. ^ 中村康二, ブラックホール:相対性理論と宇宙物理学, http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?file_id=10527 
  5. ^ 『宇宙300の大疑問』ステン・F・オデンワルド著 P.191
  6. ^ a b c d e f g h i “『銀河宇宙オデッセイ』第3集 - 接近 ブラックホール”. NHKスペシャル.(1990年7月15日)
  7. ^ a b c 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.27-30
  8. ^ a b 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.43
  9. ^ a b c 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著
  10. ^ a b 『ブラックホールを見つけた男』アーサー・ミラー著 草思社(2009年)
  11. ^ この出来事は『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 握りつぶされたブラックホール』で取り上げられた。
  12. ^ a b c d 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.152
  13. ^ J. R. Oppenheimer and H. Snyder, Phys. Rev. 56, 455(1939)
  14. ^ a b c 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.153
  15. ^ 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.156
  16. ^ R. P. Kerr, Phys. Rev. Lett. 11, 237(1963)
  17. ^ a b c d e f g h 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.161
  18. ^ a b c 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.160
  19. ^ 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.163
  20. ^ a b c 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.165
  21. ^ a b 『宇宙はこうしてはじまりこう終わりを告げる』デニス・オーヴァバイ著 P.166
  22. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.201-202
  23. ^ a b 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.8-9
  24. ^ “謎の天体 ブラックホールを解き明かせ!”. NHK サイエンスZERO. (2012年4月29日). http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp383.html 
  25. ^ D. Batcheldor, Astrophys. J. 711, L108(2010)
  26. ^ 超巨大ブラックホールは何処に?噴出ガス源流の隠れ家を突き止める”. 2013年5月17日閲覧。
  27. ^ “全天X線監視装置(MAXI)と米国スウィフト衛星を用いた観測による成果論文の英科学誌「ネイチャー」への掲載について”. JAXA. (2011年8月25日). http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/maxi/maxi_nature.html 2014年1月26日閲覧。 
  28. ^ a b 『ブラックホール ホワイトホール』ニュートン別冊
  29. ^ M. Miyoshi et al., Nature 373, 127(1995)
  30. ^ S. Matsushita et al., Astrophys. J. 545, L107(2000)
  31. ^ 牧野淳一郎「大質量ブラックホールの形成過程 : 恒星系の熱力学的進化の観点から」、『日本物理学会誌』第57巻第5号、日本物理学会2002年1月21日、 331-336頁、 NAID 1100067884982015年1月8日閲覧。
  32. ^ KECK LASER CAPTURES NEW VIEW OF DISTANT COLLIDING GALAXIES
  33. ^ Colossal Black Hole Shatters the Scales
  34. ^ “X-rays Signal Presence of Elusive Intermediate-Mass Black Hole”. NASA CHANDRA X-RAY OBSERVATORY. (2005年3月22日). http://chandra.harvard.edu/press/05_releases/press_032205.html 
  35. ^ a b 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.194-196
  36. ^ a b c d 『アインシュタインの宿題』福江純大和書房 ISBN 4-479-39079-0(2000年)
  37. ^ a b 都築卓司 『時間の不思議;タイムマシンからホーキングまで』 講談社1991年、125頁。ISBN 4-06-132873-5 
  38. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.210
  39. ^ a b 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.212-213
  40. ^ S. W. Hawking and J. M. Stewart, Nucl. Phys. B 400, 393(1993)
  41. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.236
  42. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.217
  43. ^ ブラックホールの情報喪失問題と弦理論における一次相転移(科学研究費補助金データベース)
  44. ^ ブラックホールと情報のパラドックスレオナルド・サスキンド日経サイエンス 1997年7月号
  45. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.500
  46. ^ 『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの戦い』レオナルド・サスキンド著 P.530-531
  47. ^ “加速器実験で地球消滅?元米政府職員ら差し止め提訴”. 西日本新聞. (2008年3月30日). オリジナル2008年4月2日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20080402122651/http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/science/20080330/20080330_001.shtml 
  48. ^ ニュートン 2008年10月号
  49. ^ “Little Black Holes: Dark Matter And Ball Lightning”. Arxiv.org(Cornell University Library). (2002年12月11日). http://arxiv.org/abs/astro-ph/0212251 
  50. ^ “実験室で模擬ブラックホール=高出力レーザーで実現-大阪大”. 時事通信社. (2009年10月19日) 



ブラックホール

出典:『Wiktionary』 (2011/12/12 14:37 UTC 版)

語源

名詞

ブラック ホール
  1. 超新星爆発により、恒星が非常に小さな領域までつぶれてしまい、脱出できないほどの強い重力を持つようになった天体銀河系中心には、大質量ブラックホール存在するといわれている。

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