北アフリカ戦線・ヨーロッパ戦線とは? わかりやすく解説

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北アフリカ戦線・ヨーロッパ戦線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:44 UTC 版)

M4中戦車」の記事における「北アフリカ戦線・ヨーロッパ戦線」の解説

第二次世界大戦連合国主力戦車で、アメリカの高い工業力で大量生産された。生産携わった主要企業11社にも及び、1945年まで全車種で49,234輌を生産した。各生産拠点適したエンジン形式生産方法を採る形で並行生産させたため、多くバリエーションを持つが、構成部品統一して互換性持たせることにより高い信頼性良好な運用効率保たれていた。 M4が最初に戦闘投入されたのは、北アフリカ戦線エル・アラメインの戦いであったアメリカ軍機甲師団投入しようという計画もあったが、補給の問題もあってレンドリースという形式イギリス軍送られたものであったエルアラメイン送られたM4は初期型M4A1M4A2であったが、50mm 60口径搭載III号戦車主力ドイツアフリカ軍団にはM4は難敵であり、ドイツ軍戦車一方的に撃破された。特にM4が猛威振るったのが75mmの榴弾による88mm砲への攻撃であり、今までイギリス軍戦車にはなかった破壊力で、次々と88mm砲を撃破したことがドイツ軍致命的な痛手となり、イギリス軍勝利大きく貢献した。 しかし、その後カセリーヌ峠の戦いティーガーI戦ったアメリカ軍のM4は、アメリカ軍戦車兵戦車戦不慣れなこともあって苦戦しアメリカ軍M3中戦車M3軽戦車含めて183輌の戦車失っている。アメリカ軍ティーガーI脅威を知ると共にソ連からV号戦車パンター情報仕入れていたが、どちらの戦車接触頻度が稀であったので、少数配備される重戦車であると誤った認識をして、既に決定していた76.2砲を搭載する上の対策をとることはなかった。一方でイギリス軍はM4の対戦車能力向上のため、アメリカ軍の76.2mm砲よりは強力な17ポンド(76.2mm)対戦車砲搭載したシャーマン ファイアフライ開発行っている。 アメリカ軍分析とは異なりノルマンディー上陸作戦からのフランスで戦いで、M4とパンターティーガーIとの交戦頻度高く、75mm砲搭載はおろか76.2mm砲搭載型も非力さ明らかになった。東部戦線経験積んだ一部ドイツ戦車エースたちの活躍もあって、M4がドイツ軍戦車一方的に撃破されたという印象強く、とくにエルンスト・バルクマン親衛隊軍曹パンター乗って多数のM4を撃破したとされている。バルクマンの有名な逸話は、1944年7月27日サン=ローからクータンセへ続く街道曲がり角のところで、アメリカ軍のM4隊と交戦し、たった1輌で9輌のM4を撃破しアメリカ軍進撃足止めしたとされる、のちに『バルクマンコーナー』と称され活躍であったこのような一部限られた活躍をもって大戦中のアメリカ軍証言では、1台のパンターに5台のM4で戦わなければならない、と徹底されていたと主張する者もいるが、それは単に大戦時アメリカ戦車小隊が5両から編成されているからに過ぎないまた、バルクマンコーナー』でのバルクマンの活躍談も、歴史研究家多く戦車戦記での著作があるスティーヴン・ザロガ(英語版)の調査によればアメリカ軍該当する戦闘記録がないことが判明しドイツ軍プロパガンダではなかったかとの指摘もある。 限られた活躍談での印象とは異なり、M4はパンター相手にしても善戦している。ノルマンディの戦いにおけるサン マンヴュー ノレ攻防戦では、進撃してきた第12SS装甲師団パンター12輛を、第2カナダ機甲旅団の9輛のM4シャーマン一部シャーマン ファイアフライ)が迎撃し、一方的にパンター7輛を撃破し撃退している。アラクールの戦い英語版においてはアメリカ軍第4機甲師団英語版)がドイツ軍第5装甲軍大損害を与えて勝利したが、なかでもクレイトン・エイブラムス中佐率いる第37戦車大隊多数パンター撃破しており、1944年9月19日戦闘では、巧みに地形利用したM4シャーマンによって、待ち伏せ攻撃追撃11輌ものパンター撃破し撃退している。第37戦車大隊は、アラクールの戦いで55輌のティーガーIパンター撃破し連合軍の勝利貢献したアメリカ軍パンターティーガーIへの対策として、新型高速徹甲弾生産強化した。この徹甲弾は、M4戦車隊十分な量は行き届かなかったが、500mで208mmの垂直鋼板貫通力示し、76.2mm砲搭載型M4の強力な武器となったまた、M4は信頼性生産性など工業製品としての完成度高く大量補充整備性良さ、高い稼働率によって、高価すぎて且つ複雑な構造ドイツ軍戦車総合力で圧倒するようになり、ドイツ軍戦車兵大量消耗により次第に質が低下していったのに対してアメリカ軍熟練した戦車兵増えて、M4がパンター圧倒する戦闘増えている。バルジの戦いにおいて、1944年12月24日に、フレヌー(フランス語版)に接近してきた第2装甲師団第2戦車連隊第2戦車中隊のアルフレッドハーゲシェイマー親衛隊大尉とフリッツ・ランガンケ親衛隊少尉率い11輌のパンターG型を、第3機甲師団英語版)第32機甲旅団D中隊M4シャーマン2輌が迎えうって、遠距離砲撃で6輌撃破し、2輌を損傷させて一旦撃退している。その後、ハーゲシェイマー隊は残った3輌のパンター再度フレヌーを目指し途中で接触したM5軽戦車1輌を撃破したものの、またM4シャーマンからの砲撃で1輌を撃破され、ハーゲシェイマー車も命中弾を受けて損傷している。一旦退却したドイツ戦車エース1人でもあったランガンケは、命中弾を受けて自身パンター損傷していたため、フレヌー付近の中のくぼ地に身を潜めていたが、その後監視任務からフレヌーに無警戒帰還してきた他の部隊M4シャーマン4輌を撃破し一矢報いている。翌12月25日にもノヴィルを巡る戦いにおいても、M4シャーマンがわずか45分間の間に、一方的にパンターG型を6輌撃破して、ドイツ軍の攻撃撃退している。 バルジの戦いにおいて、最初2週間M4シャーマンあらゆる原因によって320輌を喪失していたが、1,085輌が前線にあり、うち980輌が稼働態とその抜群信頼性誇示していたのに対して投入され415輌のパンターは、2週間で180輌が撃破され、残り235輌もまともに稼働していたのは45%の約100輌といった有様だった。結局は正面からの撃ち合いではパンターに分があったが、生産性整備性耐久力などすべてを比較すると、M4シャーマンの方が優れていたという評価もある。1944年8月から1944年12月バルジの戦いまでの間の、アメリカ軍第3機甲師団と第4機甲師団統計によれば、全98回の戦車戦のなかでパンターM4シャーマンのみが直接戦った戦闘29であったが、その結果下記の通りであった。 M4とパンター直接交戦による撃破攻守交戦交戦したM4の数撃破されたM4の数交戦したパンターの数 撃破したパンターの数攻撃9回 68104713防御20115輌 6輌 9859合計29183161457229回を平均してM4シャーマン数的優勢1.2倍に過ぎなかったに関わらずM4シャーマン有用性パンター3.6倍で、特にM4シャーマン防御回ったときにはパンターの8.4倍の有用性があったとの評価もあるが、データの数が不十分であり両戦車性能の差が戦闘どのような影響及ぼしたのかを証明するまでには至っていない。 アメリカ軍ドイツ軍とは異なり戦車撃破数で賞されことはなかったが、第37戦車大隊大隊長エイブラムスは、自分搭乗したM4シャーマンサンダーボルト』でも多数ドイツ軍戦車撃破し終戦までに50輌のドイツ軍戦闘車両撃破している。またラファイエット・G・プール准尉も、M4を3輌乗り換えながら、兵員1,000殺害捕虜250確保戦車12輌を含む戦闘車両258撃破戦果挙げている。また、イギリスカナダオーストラリアなどイギリス連邦加盟国のほか、ソビエト連邦に4,000輌以上、自由フランス軍ポーランド亡命政府軍にもレンドリースされた。カナダ軍ではシドニー・ヴァルピー・ラドリー=ウォルターズ少佐がM4にて18輌のドイツ軍戦車多数戦闘車両撃破して、第二次世界大戦における連合軍戦車エース英語版)の1人となったが、ウォルターズ撃破した戦車なかにはドイツ戦車エース・ミハエル・ヴィットマンの乗るティーガーI含まれていたとも言われている。 「M4の75mm砲は理想武器」「敵重戦車も76mm砲で撃破できる」とするAGFArmy Ground Force/陸軍地上軍管理本部)の判断M26パーシング配備遅らせ終戦まで連合国軍主力戦車として活躍した

※この「北アフリカ戦線・ヨーロッパ戦線」の解説は、「M4中戦車」の解説の一部です。
「北アフリカ戦線・ヨーロッパ戦線」を含む「M4中戦車」の記事については、「M4中戦車」の概要を参照ください。

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