冬樹社とは? わかりやすく解説

冬樹社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/14 02:21 UTC 版)

冬樹社(とうじゅしゃ)は、かつて日本に存在した出版社

沿革

1958年8月に設立[1]。設立直後に矢田挿雲『江戸から東京へ』を出版した後に休業し、1964年から出版活動を再開した[1]。1966年から定期刊行物としてスキー専門誌『スキージャーナル』を創刊するが、1969年にスキー部門を独立させて文芸路線に転じた[1]。二代社長・高橋直良[1]の下、編集者に森内俊雄や高橋徹などがおり、『坂口安吾全集』『岡本かの子全集』などを刊行[2][3]

1980年代には、ニュー・アカデミズムブーム、ポストモダンブームと連動して、雑誌「GS たのしい知識」を刊行してニューアカブームを仕掛けたなどと言われた[3][4]四方田犬彦『クリティック』、伊藤俊治『写真都市』、蓮實重彦『映画 誘惑のエクリチェール』、栗本慎一郎吉本隆明『相対幻論』などを出したこの頃を、評論家の坪内祐三は「1980年前後、たしかに冬樹社という時代があった」と語っている[5]。しかし1980年代半ばに経営不安が囁かれ[6]荻原魚雷によると1991年に廃業[3]

商号を受け継いだ者がIT関連の本を出す会社として再建したが、これも廃業したとされる[7]

定期刊行物

主な刊行物

出典

  1. ^ a b c d e f g 内野祐、高沢皓司『出版社now 出版社の全プロフィール』凱風社、1985年、p.115
  2. ^ 高崎俊夫vs坪内祐三「消えた出版社総まくり 函入り本を出すと出版社は消える?」『本の雑誌』2018年8月号、p.14
  3. ^ a b c 荻原魚雷「荻原魚雷の古書古書話66 メロウでプラスチックな八〇年代」『小説すばる』2013年6月号、p.372
  4. ^ 長山靖生「僕がSFでマンガでアニメで、おたくと呼ばれた頃 記憶のなかの80年前後SFファンダム史 〈後篇〉」『S-Fマガジン』2011年7月号、p.188
  5. ^ 坪内祐三「“たしかに冬樹社という時代があった” 『50冊の本』」『私の体を通りすぎていった雑誌たち』新潮社、2005年、pp.196-197
  6. ^ 「一行情報」『噂の真相』1985年5月号、p.79
  7. ^ 冬樹社(とうじゅしゃ)”. 2006年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月29日閲覧。

冬樹社(1969年-1970年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 00:52 UTC 版)

山川方夫」の記事における「冬樹社(1969年-1970年)」の解説

山川方夫全集第1巻小説 第1)、冬樹社、1969年6月収録バンド休暇, 安南王子, 仮装, 娼婦, 歌束, 昼の花火, 春の華客, 煙突, , 遠い青空, 頭上の海, 日々の死 『山川方夫全集第2巻小説 第2)、冬樹社、1969年5月収録演技果て, その一年, 帰任, 海の告発, 画廊にて, にせもの, ある週末, 海岸公園, 軍国歌謡集 『山川方夫全集第3巻小説 第3)、冬樹社、1969年12月収録の死と, 街のなかの二人, 外套の話, 夜の中で, 月とコンパクト, 夏期講習, 愛のごとく, 夏近く, 旅恋い, 煙突, 「別れ」が愉し, 最初の秋, 千鶴, ゲバチの花, 展望台のある島, 春の驟雨, Kの話, 遅れて坐った椅子山川方夫全集第4巻小説 第4、戯曲放送台本)、冬樹社、1969年9月収録十三年, お守り, ロンリー・マン, 箱の中のあなた, 予感, 待っている女, 恐怖正体, 博士の目, 赤い手帖, 蒐集, ジャン新盆, 夏の葬列, はやい秋, 非情な男, , メリイ・クリスマス, 愛の終り, 暑くない夏, トンボの死, 社内旅行, 新年の挨拶, カナリヤ少女, 朝のヨット, 歪んだ窓.他人の夏.邂逅.クリスマス贈物.なかきよの.大人つきあい.テレビ効用, 相性は―ワタクシ, あるドライブ, 夫婦の仲, 三つの声, 偶然に乾杯, もっとも安楽な椅子, "S・M・A"の秘密, 未来の中での過去, ある幸福, 蛇の殻, 頭の大きな学生, クレヴァ・ハンスの錯誤, 昭和雛人形, 僧侶の夢, 埴輪, 朝の真空, 音の・けものの声, 不知道―ぷう・ちい・たお, 叱られる山川方夫全集第5巻エッセイ)、冬樹社、1970年7月収録灰皿なれないということ, 「文明」の無力さと「力」とについて, 「民主主義」の確認, "自由"のイメージ, 国語審議会解散すべきである, 永井竜男氏の「一個」, サルトルとの出逢い, 早春記憶, 『われらの時代』について, 『悲の器』について, 『文学と詩精神』について, 『町ッ子』について, 『マリアの首』について, 『蠍を飼う女』について, 『サンド・ストーム』について, 西島大について, 江藤淳について, 中原弓彦について, 曽野綾子について, 石原慎太郎について, わが町東京, 借用未遂, 女の町・午前2時30分, 熊公とカルパス, 新鮮・以前,山を見る, 神話, 「日々の死」の銀座, 正常という名の一つ狂気, 恋愛について, 商売心ということ, 感想一束, 弱むしたち, 日劇について, 今年の言葉, 謎, 麻美子と恵子桐子青春, 女性について, あの頃, 海を見る, 「古代再訪, 「ザ・タリスマン」白書, 半年の後, 日南海岸, わがままな由来, 一通行者の感概,私の良妻論, 映画批評家への公開状, 目的もたない意志, 映画映画である, 『情事』の観念性, 中途半端な絶望, 増村保造氏の個性エロティシスム, 『素晴らしき恋人たち』について, 『フラワー・ドラム・ソング』について, 『二十歳の恋』について,気ままな楽しみ, 『去年マリエンバードで』への一つ疑問, 『かくも長き不在』について, 「シルヴィ」の幻, 『肉体市場その他について, 『尼僧ヨアンナ』について, 『恋や恋なすな恋』について, 『オルフェ遺言』について, 『憎いあンちくしょう』について, 『キングコング対ゴジラ』について, トコという男, 動物秘密, デパートにて, 二人同一人物, アルス・アマトリア, 人間の条件, ヘン日本人, 嘘八百真実, "健全"な心配, 行動理由, "恐怖"のプレゼント

※この「冬樹社(1969年-1970年)」の解説は、「山川方夫」の解説の一部です。
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