オリジナルARMS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 01:25 UTC 版)
アザゼルがアリスを取り込んだ際に生まれた最初の4体のARMS。アリスの意思を濃く受け継いでおり、それぞれが四つに分かれたアリスの意思を象徴する固有の自我を持つ。故に制御が極めて困難で、必ずしも移植者の意思で最終形態になれるわけではなく制御するには移植者の強い意思が必要。ジャバウォックは通常形態時も含め突出した再生能力を持つが、ナイトとホワイトラビットは再生に時間を要する場面が多くジャバウォックと比較すると再生能力は低い模様。
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オリジナルARMS
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「ARMSの登場人物」の記事における「オリジナルARMS」の解説
アザゼルがアリスと融合した際に生み出された始まりのARMS。“黒いアリス”と“白いアリス”の想いがプログラムされ、それぞれが自らの意志を持ち、強大な力を持つ。 ジャバウォック 声 - 池田秀一 「黒いアリス」の「憎悪」がプログラムされている。涼の右腕がARMS化している。初期状態は生物的でややグロテスクな形状だったが、圧縮空気砲の獲得、完全体の覚醒など進化を重ねるうちに手甲のようなシンプルで洗練された形状となった。伸縮自在の柔軟性と高いパワー、神経ガスすら即座に無効化する高速再生能力を備え、「ジャバウォックの爪」に搭載されている「ARMS殺し」機能を通常形態時においても発動できるなど、他のオリジナルARMSとは一線を画した戦闘力を持つ。また詳しい原理は説明されていないが、ジャバウォックの爪には精神シールドや空間の断裂などの物理的な破壊は不可能な物体でさえも切り裂く能力が備わっており、その力はARMS殺し機能と同じく例え本体から離れ爪だけになっても失われず、それを回収した巌の要所での切札となった。 最終形態では頭髪が逆立った鬼のような凶悪な風貌となり口からの火炎放射、大爆発を引き起こす砲撃など主に炎(熱)を操る。“破壊の王”を自称しその禍々しいまでの存在感、極めて凶暴な性質と圧倒的な戦闘力から「魔獣」と呼ばれる。 ARMSの中でも特に進化が激しく、他のARMSや機械からエネルギーや能力を取り込んだり、攻撃を受ければ受けるほど、戦えば戦うほど、涼の憎しみが強まれば強まるほど“力”は増していき、戦いの中で大型の手甲のように変化して圧縮空気や電磁誘導を利用した砲撃や、高速移動(超音速移動)や反物質の生成、超振動発生能力を生み、際限なく強くなっていく。さらには核弾頭までも取り込み、自らの力の呼び水としていた。また一部の力は第二形態までの涼にもフィードバックされている様子が見られ、覚醒編以降は涼の怒り、憎しみに呼応し全身にナノマシンが広がる事によって、右腕以外の部分にも驚異的な怪力、敏捷性が備わる中間形態とも言える形態に変化することもある。 他の3体のオリジナルと比べて極めて異質なARMSであり、エグリゴリの研究班をもってしても“制御不能”“ブラックボックスが多すぎ解析不能”と言わしめた存在で、当初はプログラムに従って全てを破壊しようとするのみで涼の意思など意に介さず、傲慢な態度をとることが多かった。しかし、涼と共に戦ってきたことで次第に人間の心を理解し、自身の意思で涼に共存の誓いを立てるなど、プログラムを超えた自身の意思に目覚めていく。 ナイト 声 - 小杉十郎太 「白いアリス」の「仁愛」がプログラムされている。隼人の左腕がARMS化している。鉤爪に加え、全ARMS中最強の硬度を持つと言われ、限界こそあるが伸ばすことも可能なブレードを持つ。後に進化し、ブレードと大型の盾と射出可能なニードルが一体となった形状となった。刃がなくなり全身にARMSが回った格闘形態ともいえる形態をとったこともある。 最終形態では、その名の通り全身に甲冑を纏った騎士の姿となる。右腕は超振動によって相手を粉砕する「ARMS殺し」の「ミストルテインの槍」となっている。左腕は初覚醒時にはブレードがなくなっていたが、その後は復活し、終盤では完全体での戦闘においてもニードルやブレードを併用し機転を利かした戦いに一役買った。後に槍は進化し、刀身全てが光り輝く双頭の槍(「神槍」)へと姿を変えた。これは隼人の意思で自由に変形可能で、エネルギー状となった刀身を長大化させたり、高速回転させることによりブリューナクの槍すら防ぐシールドと化す。また、隼人に全感覚を委ねることで、「水の心」を始めとした超感覚や、隼人の技量を使うことも可能となる。ただし感覚を全て委ねる必要があるため、痛覚も伝わる。 ジャバウォックとは逆で非常に理性的であり、基本的には隼人の意思を優先させ、高潔な騎士を思わせる心を持ち、純粋に誰かを守りたいという心に反応する。しかし、その存在は世界の破壊者に成りうるジャバウォックの対をなす世界の守護者として存在しており、暴走したジャバウォックに対するカウンターとしてプログラムされているため、ジャバウォックが暴走すると隼人の意思を完全に無視して、即座に殺しに向かう。しかし、プログラムに反する隼人の意思を知り同調することでさらなる力を得ていく。 ホワイトラビット 声 - 中田浩二 「白いアリス」の「勇気」がプログラムされている。武士の両足がARMS化している。純粋な戦闘力は低いと言われているが、移植者に驚異的な脚力をもたらし高所からの着地も苦にせず、視認することすら困難な高速移動や長距離跳躍、攻撃時にはそれらを生かした回し蹴りや飛び蹴りで立ち回る。後に進化し、圧縮空気を噴射することによって飛行することも可能になり、アニメやゲームでは噴射を利用した攻撃も見られた。 最終形態では、ウサギと鳥と人を混ぜたような姿となり、背には蝙蝠のような大きな翼を備える。翼と手足を折りたたみ戦闘機のような形態になることで、音速(極超音速程)を超えた速度を出すことも可能でそれを利用した突進やソニックブームで敵を粉砕する。後に「白いアリス」と一時的に融合したことで全身が光り輝き、空間の断裂すら砕く「ARMS殺し」機能を得る。終盤は「白いアリス」がいなくなった為か常時光を放ち続けることは出来なくなったが、「白いアリス」がいなくてもARMS殺しの機能は健在で、完全体と化したモデュレイテッドARMS部隊との決戦では明らかな数的不利にも関わらず一歩も退くことなく単騎で彼らを全滅させ、その戦闘力を遺憾なく発揮した。 "導く者"の名の通り、知的な面を見せ、静かな義務感を抱き、多くの者を導いた。しかし、ナイトと同様にジャバウォックが暴走した際にはカウンターとして、武士の意思を無視してジャバウォックの滅殺に向かう。アリスの世界での姿は童話「不思議の国のアリス」における白ウサギそのものであり、性格や言動もややおっとりとした柔らかなものとなっている。しかし"導く者"としての使命は忘れておらず、アリスの世界と現実世界の状況を目の当たりにした武士の覚悟を試すような言動も見られた。 クイーン・オブ・ハート 声 - 山口奈々 「白いアリス」の「審判」がプログラムされている。恵の両眼がARMS化している。空気の流れや相手の熱源反応、筋肉の動きに至るまであらゆることを見通し、透視能力まで備えている。1キロメートル先の本が読めたり、飛んでくる弾丸も捉えることも可能らしいが、「視る」こと以外の能力は、常人とあまり変わらない。再生能力も他のARMSと比較すると低いと思われる描写も見られる。 唯一、最終形態となっても身体が変異しないARMSであり、恵を包む形でホログラム(正確には力場)が現れる。攻撃能力自体は無いが、あらゆる攻撃を跳ね返す「アイギスの鏡」を持つ。 ARMSと生みの親たるアリス自身への疑いが生んだ“審判者”であり、適合者の意思により全てのARMSを適合者諸共滅ぼす禁断のプログラムを備えている。物語ではそのプログラムが実行されることはなかったが、「女王」の名の通り事実上最強のARMSである。終盤に見せたその仮面の下の素顔はアリスであり、アリスの想いをもっとも受け継いだARMSといえる。
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