鳥越俊太郎 来歴

鳥越俊太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/07 12:45 UTC 版)

来歴

1940年福岡県浮羽郡吉井町(現:うきは市)出身。父親は俊雄といい、その俊の一字をとって俊太郎という名前がついた[1]。父親は大学を卒業して企業に入り、現場でいろいろないじめにあって神経症を発症、俊太郎が生まれたときは九州大学精神科の病棟に入院していた[1]

1946年、小学校へ入学し、戦後教育の第一期生となる。久留米大学附設高等学校を経て、1965年、京都大学文学部国史学専攻)を学生運動にのめり込んだため、二年留年した後に卒業[2]

1965年毎日新聞社に入社。初任地は新潟支局であった。

1968年10月、見合いで知り合い結婚。その後、毎日新聞社の週刊誌サンデー毎日』編集部に異動。在籍時に「イエスの方舟事件」が発生し、当時編集長の鳥井守幸の方針で主宰者の千石イエスを匿ったため、鳥越を含む編集部全員が犯人隠避で逮捕されそうになる。

外信部テヘラン特派員時代の1984年から1985年にかけてイラン・イラク戦争の戦場報道を行う。

1988年4月、サンデー毎日編集長となる。

1989年6月、就任間もない宇野宗佑首相の愛人問題を報じ、結果的に7月の参院選で自民党大敗・内閣退陣に追い込んだ。政治家の女性問題は報じないのが当時の不文律だったが、その「掟」を破る画期的な報道だったとされる[3]

同年8月に毎日新聞社を退職し、同年10月、テレビ朝日ザ・スクープ』の司会に就任。レギュラー放送終了後も、単発となった同番組の司会を務める。

2003年関西大学社会学部教授に就任。

2005年4月5日、呼びかけ人の一人として『マスコミ九条の会』結成に参加[4]

10月3日、レギュラーアンカーを務めていたテレビ朝日『スーパーモーニング』に本人が電話出演し、直腸癌であることを告白した。3日後に手術を受け、その後復帰。

2006年5月、インターネット新聞『オーマイニュース』日本語版の初代編集長に就任。

2007年2月、民主党東京都知事候補としての擁立を打診するも、自身が依然として療養中であるため、「(任期の)4年間に責任を持てない」として打診を断る[5]

同年6月1日、『オーマイニュース』日本語版の編集長を辞任した。

同年9月17日、『スーパーモーニング』で、癌がに転移していたことを明かす。同年1月に左肺を一部切除、同年8月には右肺も手術していた。

2009年2月9日、同番組で癌が肝臓に転移していることを明かし、翌10日に切除手術を受け療養に入る。2月26日に同番組で復帰した。

2009年3月27日NPO法人がん患者団体支援機構』の3代目理事長に就任。2010年5月まで約1年2ヶ月務めた。

都知事選挙

2016年7月12日東京都知事選挙への立候補を表明する[6]。記者会見では「昭和15年の生まれです。終戦の時20歳でした。もちろん空襲も覚えてます。防空壕に逃げ込んだこともよく記憶しております」と自己紹介した[7][注釈 1]

7月31日の投開票では、134万6103票を得るも、小池百合子増田寛也に次ぐ3位となり落選した。

受賞歴

1999年埼玉県JR桶川駅前で発生した「桶川ストーカー殺人事件」におけるマスメディアの報道姿勢(「単なる男女の痴話げんか」など)に疑問を抱き、『ザ・スクープ』で独自取材。その結果、警察の虚偽発表と怠慢が次々と明るみに出て、2001年には、日本記者クラブ賞を受賞する[8]

2004年、『ザ・スクープ スペシャル』における警察の裏金疑惑報道が第41回ギャラクシー賞報道活動部門大賞を受賞[9]

2007年、男性向けエステティックサロンダンディハウスが主催する第2回「ダンディ大賞2007」の文化人部門で1位を獲得し[10][11]、翌2008年の第3回でも、同部門で1位になった[12]


注釈

  1. ^ 原文のまま。実際には終戦時5歳である。

出典

  1. ^ a b c “東京都知事選 鳥越俊太郎氏演説詳報(22日)「東京都からはっきりと『反安倍』の旗を立てます」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2016年7月23日). https://www.sankei.com/article/20160723-ZSSIZN3RKZPKDDTH5CGH43WTTI/2/ 2017年12月19日閲覧。 
  2. ^ 略歴 鳥越俊太郎公式サイト
  3. ^ 政治家の女性スキャンダル(山口一臣)朝日新聞デジタル2013年7月3日
  4. ^ マスコミ九条の会を知りたいマスコミ九条の会
  5. ^ どうなってるの?東京都知事選 ジャーナリスト・烏越俊太郎さんに聞く―「毎日新聞」
  6. ^ “【東京都知事選・鳥越俊太郎氏出馬会見(上)】「九州なまりが消えない東京都民であります」 舛添氏は「とんでもない税金の使い方」”. 産経新聞. (2016年7月12日). https://www.sankei.com/article/20160712-MSWPGU4PWBP2TIP35SNRHGNPOM/ 2016年7月12日閲覧。 
  7. ^ 【全文】鳥越俊太郎氏「76歳、残りの人生を東京都のために注ぎたい」都知事選出馬表明会見 - ログミー
  8. ^ 日本記者クラブ賞受賞者(2001年度を参照)”. 日本記者クラブ. 2020年8月18日閲覧。
  9. ^ ザ・スクープテレビ朝日
  10. ^ ダンディハウス - ニュースリリース -
  11. ^ 女性から見た"ダンディ"な男とは? - 「ダンディ大賞 2007」発表
  12. ^ 〜女性から見る“ダンディ”とは?〜第三回 『ダンディ大賞 2008』 決定!2008年12月25日、ニュースリリース - 男のエステ ダンディハウス)
  13. ^ a b 鳥越俊太郎「デタラメ家系図」発覚で「廃業モノの大失態」の声アサ芸プラス
  14. ^ a b c d 週刊新潮』新潮社、2016年5月26日号、pp46-48。
  15. ^ a b c d e f 『人事興信録 第2版』254頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年8月29日閲覧。
  16. ^ 鳥越俊太郎の家系図はデタラメだった NHK「ファミリーヒストリー」で紹介 『週刊新潮』
  17. ^ デタラメ家系図について鳥越俊太郎がコメント「朝日新聞記者の作文でしょう」 『週刊新潮』
  18. ^ 「鳥越俊太郎「女子大生淫行」疑惑 被害女性の夫が怒りの告白!」週刊文春 2016年 7/28 号 P.23
  19. ^ 弁護団からのコメント 鳥越俊太郎公式サイト
  20. ^ 鳥越氏陣営、週刊文春に抗議文 女性疑惑「事実無根」 朝日新聞デジタル 2016年7月20日23時29分
  21. ^ 週刊新潮2016年8月4日号22頁以下、鳥越俊太郎氏の“女子大生淫行”疑惑…被害女性が13年前に「週刊新潮」に語っていた”. 週刊新潮. 2016年7月28日閲覧。
  22. ^ 弁護団からのコメント(7/28発売 週刊新潮)”. 鳥越俊太郎公式サイト (2016年7月28日). 2016年7月28日閲覧。
  23. ^ 鳥越俊太郎候補、週刊新潮を告訴”. YOMIURI ONLINE (2016年7月28日). 2016年7月28日閲覧。[リンク切れ]
  24. ^ 宇都宮氏が明かす、鳥越氏の応援演説しなかった理由”. 日刊スポーツ (2016年8月1日). 2018年3月9日閲覧。
  25. ^ 「密室で決め、無条件に支持する市民運動」 宇都宮氏はこうして鳥越氏を見限った【都知事選2016】”. J-CASTニュース (2016年8月1日). 2018年3月9日閲覧。
  26. ^ 橋下徹氏、淫行疑惑報道の鳥越氏に「訴える前に…説明責任を果たしなさい」サンスポ
  27. ^ 週刊文春編集長らを不起訴 鳥越俊太郎氏の女性問題報道 東京地検特捜部、2017年3月23日)
  28. ^ 鳥越氏の刑事告訴、週刊文春編集長を不起訴 東京地検 朝日新聞デジタル 2017年3月23日
  29. ^ CSRプロジェクト
  30. ^ 出典:組織概要。なお、鳥越自身のホームページにはこの肩書が書かれていない。また、この法人は働き盛りのがん経験者・家族・医療従事者・企業の支援を目的とする法人である。
  31. ^ 鳥越俊太郎、桑田にエール「前より健康に」サンスポ 2010年8月5日
  32. ^ “[プレミアムトーク]鳥越俊太郎さん“72歳現役がん患者”ホノルルマラソン完走誓う”. スポーツ報知. (2012年4月25日). オリジナルの2013年3月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130302111215/http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/serial/health/news/20120425-OHO1T00088.htm 
  33. ^ 第40回JALホノルルマラソン TBS JALホノルルマラソンに参加する鳥越俊太郎、太田雄貴、久保田智子に密着する。
  34. ^ “無差別殺傷事件続く 「小泉改革のせいと思えてならない」”. J-CASTニュース. (2008年7月23日). https://www.j-cast.com/tv/2008/07/23023912.html 2010年8月8日閲覧。 
  35. ^ “鳩山代表「故人献金」の真相 「秘書の浅智恵」程度の話か”. J-CASTニュース. (2009年7月1日). https://www.j-cast.com/tv/2009/07/01044362.html 2010年8月8日閲覧。 
  36. ^ “小沢幹事長は大金持ち? 「捜査はともかく」分かったコト”. J-CASTニュース. (2010年1月21日). https://www.j-cast.com/tv/2010/01/21058385.html 2010年8月8日閲覧。 
  37. ^ “検察審査会の「市民目線議決」に異論続出”. J-CASTニュース. (2010年4月28日). https://www.j-cast.com/tv/2010/04/28065540.html 2010年8月8日閲覧。 
  38. ^ 鳥越俊太郎氏 若者ら除外する世論調査結果の信憑性に疑問NEWポストセブン 2012年7月20日
  39. ^ 鳥越俊太郎 新聞・TV安倍批判控えるも1年経てば罵倒始まるNEWポストセブン 2012年12月21日
  40. ^ 【北海道】「安倍政権に反対の声を」千歳市の街頭演説会で池田さんや各界応援団が訴え”. 民進党 (2016年4月11日). 2020年8月18日閲覧。
  41. ^ 杉尾ひでや氏のポスター配布開始”. 信州市民連合 (2016年5月18日). 2020年8月18日閲覧。
  42. ^ a b c 『産経新聞』 2016.7.14
  43. ^ “【高市総務相電波停止発言】岸井成格氏「品性、知性のかけらもない」「恥ずかしくないのか」 自身への批判に反論 (2/2)”. 産経ニュース (産経新聞). (2016年2月29日). https://www.sankei.com/article/20160229-NHE2LYED6ZJSPNMTKZMK7H5VWY/2/ 2016年7月18日閲覧。 
  44. ^ 2月29日、鳥越俊太郎氏の発言に対する日本会議の見解”. 日本会議 (2016年3月1日). 2016年7月18日閲覧。
  45. ^ [1],デイリースポーツ,2016年7月13日
  46. ^ (人生の贈りもの)わたしの半生 ニュースの職人・鳥越俊太郎:75歳(1/10) 朝日新聞2016年2月15日 - 28日、全10回
  47. ^ a b 鳥越俊太郎さん:スペシャルインタビュー - 日本の人事部
  48. ^ オリラジ中田 鳥越氏の都知事選出馬に好感「“準備がない、気持ちで出た”っていうのが全部伝わってくる」 リアルライブ
  49. ^ “CM好き”ジャーナリスト鳥越俊太郎の歪んだ晩節 サイゾー2007年9月18日
  50. ^ 初代編集長・鳥越俊太郎の罪=誰がオーマイニュースを殺したか(中)
  51. ^ a b “【阿比留瑠比の極言御免】鳥越俊太郎氏が都知事となって本当に大丈夫なのか? (3/3)”. 産経ニュース (産経新聞). (2016年7月15日). https://www.sankei.com/article/20160715-LIUK63URM5JTHINDHWVLXVEQGI/3/ 2016年7月16日閲覧。 
  52. ^ a b 会社の沿革、年表、鳥越製粉株式会社公式サイト。
  53. ^ 週刊新潮』新潮社、2016年5月26日号、46-48頁。
  54. ^ a b 『大衆人事録 第二十三版 西日本編』574頁。
  55. ^ ラジオ「Changeの瞬間~がんサバイバーストーリー」好評放送中 【随時更新】”. 日本対がん協会. 2023年5月6日閲覧。
  56. ^ [2]






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