那覇市 概要

那覇市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 09:34 UTC 版)

概要

波上宮波の上ビーチ
那覇新都心スカイライン
那覇市中心部
県庁前駅周辺

沖縄県の政治経済文化の中心であり、また県外や周辺離島とを結ぶ那覇空港那覇港を擁することから沖縄県の玄関口としての役割も担っている。

都道府県庁所在地では、唯一JR線や大手私鉄準大手私鉄が通らない[注釈 1]

面積は日本の全都道府県庁所在都市の中で最も小さく(ただし新宿区よりは広い)、人口密度首都圏近畿圏の自治体、福岡県春日市政令市行政区を除くと全国で最も高く、都道府県庁所在都市では新宿区大阪市横浜市に次ぐ4位で名古屋市を上回る。また、那覇空港が市域面積の8%以上を占め、そのなかには自衛隊を含む。この他在日米軍施設那覇港の民間用途の施設の分も考慮に入れると、実際の都市活動に使用できる面積は限られる。さらに、那覇空港の制限表面により、市街地の多くは超高層ビル超高層マンションを建てることが出来ない[4]。おもろまちを中心とする那覇新都心をはじめとした航空規制の影響がない北部エリアや、再開発事業の一環として旧市街地の牧志・安里地区などに高層ビルが建ち始めている。

都市化に伴って周辺自治体のベッドタウン化が進み、那覇市を中心市とする那覇都市圏の人口は約78万人(都市雇用圏 - 2005年)となっている。なお、地方での人口減少が深刻な問題になっている今日においても那覇市及び那覇市の周辺自治体では人口増加が続いており、2015年12月現在の都市雇用圏人口は約86.1万人(10%流入人口※2010年の国勢調査の結果、北谷町から同都市圏への流入人口が沖縄市都市圏への流入人口を上回った為、都市圏域が北谷町まで広がった。)。さらに那覇市を中心とした沖縄本島中南部圏の人口は面積約482km2政令指定都市北九州市とほぼ同じ)に対し人口は約121.2万人(推計人口2021年2月1日現在。広島市とほぼ同じ)を超え、国内でも有数の人口集中地区である。

市の中心部は国場川漫湖)、及び安里川に囲まれた平地地帯に広がり、那覇市、及び沖縄県の主要施設の多くがそこに立地している。近年では1987年に米軍の牧港住宅地区が全面返還されたことにより、那覇新都心として開発が進み、中心地に置かれていた企業本社などの一部が移転しており、新たな中心部となっている。

また、中心部周囲の丘陵地はほぼ全て市街化(主に住宅地)され、元々の地形の高低から立体的な都市景観を見せる。一時は琉球王国時代の首都でもあった首里地区は海抜100m程度の高台の上に位置し、場所によっては那覇市全域を見渡すことも可能である。

観光面では、市の中心部の国際通り、市東部の高台にある首里地区の首里城(琉球王国の王府。2000年12月世界遺産琉球王国のグスク及び関連遺産群として登録)が中心であったが、近年、前述の在日米軍住宅地の跡地が那覇新都心として開発が進んでおり、2004年12月に世界最大規模で国内では唯一の空港外大型免税店であるDFSギャラリア・沖縄がオープンした。東シナ海に面しているが、那覇空港や那覇港などの施設が海岸線のほとんどを占めているため、海水浴場1991年に供用開始された波の上ビーチ人工海浜)のみとなっている。名産品として壺屋焼泡盛などがある。

2006年に中核市指定要件の1つである面積要件が撤廃された事を受け、本市は中核市移行を目指していた[5][6][7]。そして2012年10月19日に行われた閣議により、那覇市を中核市へ指定する政令を決定した[8][9][10] のち、2013年4月1日をもって全国で42番目の中核市に移行した[11]

市名の由来

「那覇(なは)」の語源は、漁場を表す「魚場(なは)」からきている[12]。この由来は、那覇市のサイトにも、伊波普猷の唱えた説として紹介されている。なお、那覇を本来の表記(旧字体)で表すと外字にあたるため、那覇市では人名用漢字を使用している。本来、「那」は左側の2本の横線を縦線の右まで突き通し、「覇」は西の下部にある一本線がない形()になる[13]


注釈

  1. ^ 沖縄県全体でもJR線・大手私鉄・準大手私鉄はない。
  2. ^ 東京都の特別区はそれぞれが市町村と同等の権限を有する基礎自治体であるため、実際に東京都庁がある新宿区のみを都庁所在地とする見方もある。この場合、那覇市より新宿区のほうが面積が小さいため、那覇市は2番目となる。
  3. ^ 普天間基地の辺野古移設に反対して自民党を除名された会派。
  4. ^ これは那覇市固有の処理施設ではない。
  5. ^ 一時間最大では239,586m3

出典

  1. ^ a b 那覇市旗
  2. ^ 市のシンボル・憲章”. 那覇市. 2011年9月28日閲覧。
  3. ^ 首里・那覇方言音声データベース”. 琉球大学 沖縄言語研究センター. 2012年4月1日閲覧。 - 本来は首里市、真和志市、小禄村との合併前の旧那覇市を指す。
  4. ^ 那覇空港の制限表面区域図(国土交通省大阪航空局)
  5. ^ 中核市への移行に係る沖縄県への協力要請”. 那覇市 市長室Web出張所 (2010年4月23日). 2012年4月1日閲覧。
  6. ^ 中核市移行準備室”. 那覇市. 2012年4月1日閲覧。
  7. ^ 中核市の紹介”. 中核市市長会. 2012年4月1日閲覧。
  8. ^ 樽床総務大臣閣議後記者会見の概要』(プレスリリース)総務省、2012年10月19日https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000100.html2012年10月22日閲覧 
  9. ^ 那覇市、来年4月1日から中核市 政府が閣議決定”. 琉球新報 (2012年10月19日). 2012年10月22日閲覧。
  10. ^ 那覇を中核市に = 政府”. 時事ドットコム (2012年10月19日). 2012年10月22日閲覧。
  11. ^ 平成25年4月1日に那覇市が中核市へ移行しました。”. 中核市市長会 (2013年4月1日). 2013年4月1日閲覧。
  12. ^ 1998年7月4日放送の出没!アド街ック天国より
  13. ^ 昭和61年7月8日発行角川書店『沖縄地名大辞典』739頁より
  14. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  15. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  16. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年9月17日閲覧。
  17. ^ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2023年9月17日閲覧。
  18. ^ 住所対照簿(新旧)”. www.city.naha.okinawa.jp. 2019年9月23日閲覧。
  19. ^ 日本電信電話公社海底線敷設事務所編 『海底線百年の歩み』 電気通信協会 1971年 p.200.
  20. ^ 図典 日本の市町村章 p239
  21. ^ 那覇市会に内務大臣から解散命令『大阪朝日新聞』(九州朝日新聞)大正14年4月12日(『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編p49 大正ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  22. ^ 『続・GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン カラーで蘇るあの時代の日々』(2007年7月20日、アーカイブス出版発行)147ページより。
  23. ^ 那覇市役所本庁舎は平成21年9月24日(木)仮庁舎へ一時移転しました”. 那覇市 (2009年9月24日). 2012年4月1日閲覧。
  24. ^ 那覇市新庁舎建設について”. 那覇市 (2010年7月9日). 2012年4月1日閲覧。
  25. ^ 野球少年の夢乗せ 沖縄セルラースタジアム落成”. 琉球新報 (2010年4月3日). 2012年4月1日閲覧。
  26. ^ 中核市・那覇が誕生 翁長市長「県全体の飛躍確信」 全国42市目”. 琉球新報 (2013年4月1日). 2013年4月1日閲覧。
  27. ^ 市長室”. www.city.naha.okinawa.jp. 2022年11月16日閲覧。
  28. ^ 那覇市議会事務局議会史編さん室 2011, 30-64頁.
  29. ^ 市民意見提出制度 - 那覇市(2013年5月21日閲覧)
  30. ^ 南風原町 3つの選択肢 (PDF) (広報はえばる 2003年(平成15年)7月号) - 南風原町(2013年5月21日閲覧)
  31. ^ 那覇市・南風原町・南部離島村合併任意協議会解散の経緯について - 那覇市(2004年6月22日更新、2013年5月21日閲覧)
  32. ^ 平成27年10月1日現在の国の行政機関の組織-内閣人事局
  33. ^ a b 2012年度版那覇市勢要覧” (PDF). 那覇市. 2013年2月1日閲覧。
  34. ^ 2012年度版 那覇市統計書
  35. ^ 電気をつくる - 沖縄電力
  36. ^ 沖縄ガス株式会社 ごあいさつ
  37. ^ 都市ガス・LPガス供給エリア
  38. ^ 那覇市上下水道局企画経営課『上下水道局事業概要』p.29 ちなみにこの時点では給水普及率は13%に過ぎなかった(p.21)。
  39. ^ 『上下水道局事業概要』p.15、p.22等 各種給水施設で市内にあるものの多くは、市固有の設備である(p.50 - p.55)。
  40. ^ 『上下水道局事業概要』p.21
  41. ^ 『上下水道局事業概要』p.21 - p.24
  42. ^ 『上下水道局事業概要』p.29
  43. ^ 『上下水道局事業概要』p.45
  44. ^ 『上下水道局事業概要』p.156
  45. ^ 『上下水道局事業概要』p.112
  46. ^ 沖縄県土木建築部 下水道管理事務所
  47. ^ 『上下水道局事業概要』p.138
  48. ^ 給食費、年最大5万円差 本紙県内市町村調査”. 琉球新報 (2016年3月7日). 2016年4月12日閲覧。
  49. ^ a b c “この人も?沖縄出身の女優たち ガッキー、比嘉愛未、仲間由紀恵…まだまだたくさん!”. 琉球新報. (2019年4月27日). オリジナルの2019年11月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191130030352/https://ryukyushimpo.jp/news/entry-909622.html 2021年3月3日閲覧。 
  50. ^ “【胸キュンドラマの注目の悪役は沖縄出身ー嘉島陸、ゆいレール好きの少年が芸能界に戻った理由―】”. 琉球新報. (2018年6月14日). オリジナルの2021年3月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210311110650/https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-738435.html 2021年3月11日閲覧。 
  51. ^ 秘書広報課 - 那覇市(2013年5月21日閲覧)
  52. ^ なは市政NAVI - 那覇市(2013年5月21日閲覧)
  53. ^ 市歌 - 那覇市(2013年5月21日閲覧)






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