篠栗線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 16:08 UTC 版)
歴史
篠栗線は、歴史的に九州鉄道が明治時代に石炭輸送のために建設した吉塚 - 篠栗間と、筑豊地区と福岡市を結ぶ短絡線として1960年代に建設された篠栗 - 桂川間に分かれる。
吉塚 - 篠栗間は、九州鉄道により1904年(明治37年)に開業した。当初は箱崎駅で本線に接続させる予定だったが住民の反対により新設の吉塚駅接続となった。九州鉄道は、1907年(明治40年)に制定された鉄道国有法により買収、国有化され、1909年(明治42年)に篠栗線の名称が制定された。
一方、篠栗 - 桂川間は日本鉄道建設公団が工事を行い、1968年(昭和43年)に開業した新しい路線だが、予定線としては、すでに1922年(大正11年)制定の改正鉄道敷設法別表第110号に規定されていたものである。開業が比較的遅くなったのは、途中の八木山峠に長大トンネルを掘削する必要があったためである。また、かつては西日本鉄道も北九州市と福岡市を結ぶ路線の構想を持っていて、福岡市と飯塚市の間のルートは現在の篠栗線のルートに沿っていた(「筑豊電気鉄道線#歴史」も参照)。
桂川延長後は福岡の近郊路線、また福岡と筑豊を従来の鹿児島本線・筑豊本線経由に比べ短距離で結ぶ路線として発展した。
2001年には全線が筑豊本線の折尾 - 桂川間とともに電化され、福北ゆたか線の一部となっている[6]。電化と同時に交換施設を増設しており、列車本数も増加している。なお電化計画当初は第三セクター会社を事業主体として電化とともに吉塚 - 篠栗間の複線化を行うことも計画されたが、財源の問題から中止され、その後JR九州の単独事業として電化は行われたものの、複線化は行われていない。
年表
- 1904年(明治37年)6月19日 九州鉄道が吉塚 - 篠栗を開業、原町・篠栗の各駅を開業。
- 1905年(明治38年)2月16日 鹿児島本線と並行する単線を併設して博多 - 吉塚を延伸開業。
- 1907年(明治40年)7月1日 鉄道国有法により九州鉄道が買収され官設鉄道となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 国有鉄道線路名称設定により博多 - 篠栗を篠栗線とする[7]。
- 1911年(明治44年)5月5日 博多 - 吉塚の単線を鹿児島本線の複線化に転用し、起点を吉塚に変更。
- 1913年(大正2年)9月1日 吉塚 - 篠栗間で蒸気動車が運転開始[8]
- 1936年(昭和11年)3月25日 吉塚 - 篠栗間でガソリンカーが運転開始[9]。
- 1968年(昭和43年)5月25日 篠栗 - 桂川を延伸開業し全通[10]、筑豊本線と連絡する。この区間は旅客営業のみ。筑前山手・城戸・九郎原・筑前大分の各駅を新設。
- 1970年(昭和45年)4月15日 篠栗 - 桂川間で貨物営業を開始。
- 1984年(昭和59年)2月1日 全線の貨物営業を廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)3月13日 柚須駅を新設、香椎線との立体交差上に長者原駅を連絡駅として新設。
- 1991年(平成3年)
- 1997年(平成9年)8月27日 電化事業起工式[12]。
- 1998年(平成10年)3月1日 全線の一部列車でワンマン運転を開始[13]。
- 2001年(平成13年)10月6日 全線を電化[6][14]。福北ゆたか線の路線愛称設定[6]。
- 2003年(平成15年)3月15日 城戸駅を城戸南蔵院前駅に改称。
- 2018年(平成30年)9月18日 駅ナンバリング設定[5]。
- 2022年(令和4年)7月11日 門松 - 長者原間で、乗客の男がハサミを持って暴れ、火を放つ威力業務妨害事件発生[15]。
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、24頁。
- ^ a b FACt SHEETS 2017 - JR九州
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ^ 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
- ^ a b “訪日外国人のお客さまに、安心してご利用いただけるご案内を目指します!北部九州エリア157駅に「駅ナンバリング」を導入します” (PDF). 九州旅客鉄道. 2018年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月28日閲覧。
- ^ a b c 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-123-6。
- ^ 「鉄道院告示第54号」『官報』1909年10月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『鉄道院年報. 大正2年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ “日本鉄道建設公団30年略史”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 8. (1993年3月23日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '92年版』ジェー・アール・アール、1992年7月1日、186頁。ISBN 4-88283-113-9。
- ^ JR九州 20年史
- ^ 「JRワンマン運転線区一覧表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、197頁。ISBN 4-88283-120-1。
- ^ 、2001、「RAILWAY TOPICS - 筑豊・篠栗線電化開業は10月6日に決定」、『鉄道ジャーナル』(通巻414号)、鉄道ジャーナル社、2001年4月 p. 92
- ^ “電車内で男がドア蹴り、はさみをなめた後にライターで紙に火付ける…乗客が非常ボタン”. 読売新聞オンライン (読売新聞社). (2022年7月12日) 2022年7月13日閲覧。
- ^ JR九州、区間別の利用状況を初公表 路線維持へ地元議論促す - 日本経済新聞(2017年7月31日 23:30配信)
- ^ “交通・営業データ(平成28年度)”. 九州旅客鉄道. 2017年8月18日閲覧。
- ^ “線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2023年9月24日閲覧。
篠栗線と同じ種類の言葉
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