空気アルミニウム電池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/06 23:42 UTC 版)
重量エネルギー密度 | 1300 (実測値), 6000/8100 (理論値) W·h/kg[1] |
---|---|
体積エネルギー密度 | N/A |
出力荷重比 | 200 W/kg |
公称電圧 |
1.2 V(水溶電解質) / 1.6 V(固体電解質)[2] / 2.7 V(理論起電力) [3] |
空気アルミニウム電池 (Al-air batteries) とは、空気中の酸素をアルミニウムで反応させることによって電力を発生させる電池である。アルミニウム空気電池あるいは空気・アルミニウム電池とも呼称される。
概要
空気アルミニウム電池は、あらゆる電池の中で最もエネルギー密度が高い方式の一つであり、実用化されている亜鉛空気電池を大きく上回る高体積エネルギー密度の電池である。また資源的にも豊富で安価であり、環境面でも優れているため、早急な実用化が期待されている[2]。
一方でコストや寿命、起動時間、副産物の除去などの問題であまり広く使われておらず、主に軍用に限られてしまっている。アルミニウム電池を載せた電気自動車は鉛蓄電池に比べ同じ重量で10 - 15倍の走行可能距離を持たせることができ[1]、実質的なコストはシステムの複雑さによるものである。
アルミニウム電池は一次電池、つまり充電できない形式であり、負極活物質であるアルミニウムは正極の酸素雰囲気下で反応して酸化アルミニウム (水酸化アルミニウム) として沈殿する。こうなると電池はもはや電気を発生しない。しかしながら、装置内のアルミニウムを補充することで機械的に「充電」することができる。そのアルミニウムは水酸化アルミニウムからリサイクルされる。アルミニウムのリサイクルはアルミニウム電池を広範囲に採用する際には欠かすことのできない要素である。
放電の反応式
- 正極:
- 自動車蓄電池
- 鉛蓄電池
- 制御弁式鉛蓄電池
- リチウム・空気電池
- リチウムイオン二次電池
- リチウムイオンポリマー二次電池
- リン酸鉄リチウムイオン電池
- チタン酸リチウム二次電池
- リチウム・硫黄電池
- デュアルカーボン電池
- 溶融塩電池
- ナノポア電池
- ナノワイヤ電池
- ニッケル・カドミウム蓄電池
- ニッケル・水素充電池
- ニッケル・鉄電池
- ニッケル・リチウム電池
- ニッケル・亜鉛電池
- 多硫化物臭化物電池
- カリウムイオン電池
- 充電式アルカリ電池
- ナトリウムイオン二次電池
- ナトリウム・硫黄電池
- レドックス・フロー電池
- 亜鉛・臭素フロー電池
- シリコン電池
- 亜鉛・セリウム電池