天王寺駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 06:31 UTC 版)
阪堺電気軌道
阪堺 天王寺駅前停留場 | |
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![]() 新駅舎に停車中のあびこ道行きの電車 | |
てんのうじえきまえ TENNŌJI-EKIMAE | |
(0.5 km) 阿倍野 HN02► | |
所在地 | 大阪市阿倍野区阿倍野筋一丁目 |
駅番号 | HN01 |
所属事業者 | 阪堺電気軌道 |
所属路線 | ■上町線 |
キロ程 | 0.0 km(天王寺駅前起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
10,335人/日 -2022年- |
開業年月日 | 1900年(明治33年)9月20日 |
あべの筋の中央部(阿倍野区)に位置し、両側を車道で挟まれた位置にある。
歴史
- 1900年(明治33年)9月20日:大阪馬車鉄道、天王寺 - 東天下茶屋間の開業と同時に、公園東門駅(現在の天王寺駅前交差点付近にあった駅)として開業。
- 1907年(明治40年)
- 1908年(明治41年)2月1日:電化工事のため、一旦、廃止となる。
- 1909年(明治42年)12月24日:浪速電車軌道が南海鉄道に合併され、南海鉄道上町線の駅となる。これにより、南海鉄道が運営の天王寺支線の天王寺駅とは同一会社の運営となったため、徒歩連絡を開始した。
- 1910年(明治43年)10月1日:天王寺 - 住吉神社前間で電車による営業運転を開始したのと同時に旅客営業を再開。
- 1921年(大正10年)12月24日:大阪市の施策である「市営モンロー主義」に基づき、南海鉄道上町線の天王寺 - 公園東門間の路線が大阪市電気鉄道部に買収され、南海鉄道上町線の終着となる。
- 1921年(大正10年) - 1952年(昭和27年)の間:
- 駅名を天王寺駅前に改称。
- 駅が現在地に移設される。
- 1944年(昭和19年)6月1日:関西急行鉄道と南海鉄道が合併、近畿日本鉄道の駅となる。同日従来の天王寺駅との他、新たに南大阪線の大阪阿部野橋駅とも徒歩連絡を開始する。
- 1947年(昭和22年)6月1日:路線譲渡により南海電気鉄道の駅となる。これにより同日南大阪線の大阪阿部野橋駅との徒歩連絡を解消。
- 1969年(昭和44年):大阪市営地下鉄1号線との地下連絡通路設置[29]。
- 1980年(昭和55年)12月1日:路線譲渡により阪堺電気軌道の駅となる。これにより同日天王寺支線の天王寺駅との徒歩連絡を解消。
- 2016年(平成28年)12月3日:新駅舎に移設[30]。
駅構造
相対式2面1線のホームを有する。東側のホームを乗車用、西側のホームを降車用として使っている。ホーム有効長は2両分であるが、普段は車止めから1両分を空けて停車し、そこで客扱いを行っている。初詣輸送時や貸切など臨時列車を運転する場合は臨時列車を車止めぎりぎりの位置に停め、その手前に定期便の列車が入って客扱いを行う。また、ラッシュ時などで渋滞などのためにダイヤが乱れ、先行列車と後続列車の間隔が詰まっている場合にも、稀に先行列車を車止めぎりぎりの位置に停めて、すぐ後に後続列車を入れて、それぞれ客扱いを行う場合がある。このとき折り返し列車は後続列車の車両が先発となり、車両の運行順序が入れ替わることとなる。
南海平野線が廃止になるまでは前部が我孫子道もしくは住吉公園行きの列車が、後部からは平野行きの列車が発着していた。窓口と改札口が設けられており、窓口では定期乗車券の購入や一日乗車券等の購入が可能で、改札口では午前7時から午後9時までは集札業務も実施している。かつては当駅の0.1 km(営業キロで)北側で、あべの橋橋梁の上にあった。
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現在の駅舎
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近鉄前交差点から見る旧駅舎
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旧駅の改札からホームを見る
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南海上町線時代の天王寺駅前停留場(1956年頃)
ホームへ行くには歩道橋と地下からの2つのルートがある。以前、阿倍野歩道橋架替工事に伴い歩道橋からホームへ行くことが出来なくなり、2013年春の新歩道橋の完成時点では上町線のりばへの階段は設けられなかった[31]。現在は上町線が通るあべの筋(大阪府道30号大阪和泉泉南線)の西側への拡幅に伴い、駅が西側(拡幅後の道路の中心線付近)に移設され、歩道橋からの階段も新設された[32]。なお、旧地下通路は改装の上で新駅への通路に転用された。
先述の通り、当駅および阿倍野停留場が線路移設のため2015年(平成27年)夏から駅舎の移設工事を行っている。2016年(平成28年)12月3日に移設された新軌道に切り替わり、同時に当駅も新駅舎に移設し、エレベーターの使用を開始した[30]。なお新しい軌道敷には関西地区の路面電車としては初となる芝生による緑化が施されている[33]。
記事本文
- ^ 建設計画段階では天王寺公園停車場と呼称されていたが、確認されている範囲では、1929年5月7日付の申請書類以降、阪和天王寺停車場に呼称が変更されている。
- ^ この形態は前述の京阪電気鉄道天満橋駅と新京阪鉄道天神橋駅の他、大阪電気軌道奈良駅でも実施されていた。
- ^ 改札口まで完全に乗降分離とするのも、新京阪鉄道天神橋駅で既に実施されていた手法である。
- ^ 計画の初期段階では駅構内の手前で分岐し、直接国鉄の貨物積み卸し場へ連絡する支線の建設を予定していたが、これは国鉄の貨物積み卸し場が駅北側に位置していて関西線と城東線を横断せねば貨物受け渡しができなかったことと、当時大阪市電気局高速電気軌道1号線(現・御堂筋線)の具体的な建設計画が定まっておらず、これと干渉しない工事法が決定できなかったこと、それに阪和天王寺駅の敷地が駅北側に決定して高架線での建設が必要となり、財政面の問題から少しでも建設費用を節約する必要が生じたことなどから計画が変更された。
- ^ 2011年現在1番のりばから発車する特急列車は臨時の「くろしお81号」のみで、同ホームに到着する特急列車は設定されていない。
- ^ 始発の段階で表示するとそのまま阪和線や大和路線に入ると勘違いし、結果的に天王寺をもう一度通ることになり時間が大幅にかかってしまう。また、桜島線直通に関しても京橋・鶴橋方面で行くより外回りで西九条乗り換えの方が早く行けるためである。遠回りによって大幅に時間をかけないための対策とも言える。
- ^ 1996年に行われた調査であるが、会計年度上は1995年度となる。
利用状況
- ^ “あべの・天王寺エリアとは|あべのハルカスについて|あべのハルカス”. www.abenoharukas-300.jp. 2024年1月29日閲覧。
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ a b “天王寺駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月17日閲覧。
- ^ 竹田辰男「発見された土木図面に寄せて 阪和天王寺停車場の考察」『鉄道史料 第65号』、鉄道史資料保存会、1992年。
- ^ a b c d e “南海天王寺支線 なにわの庶民の足 93年の歴史に幕”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1993年4月1日)
- ^ a b c d e 石野 1998, p. 344.
- ^ a b 石野 1998, p. 120.
- ^ a b c d e f 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月16日、12-13頁。
- ^ 竹田辰男『阪和電気鉄道史』鉄道資料保存会、1989年、387頁。ISBN 978-4885400612。
- ^ a b c 竹田辰男『阪和電気鉄道史』鉄道資料保存会、1989年、76頁。ISBN 978-4885400612。
- ^ 竹田辰男『阪和電気鉄道史』鉄道資料保存会、1989年、389頁。ISBN 978-4885400612。
- ^ 竹田辰男「南海鉄道山手線史の考察」『鉄道史料』第108巻、鉄道史資料保存会、2003年、28頁。
- ^ 石野 1998, p. 365.
- ^ 交通年鑑昭和47年度内「交通日誌」
- ^ “天王寺駅に“旅セン” ”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1971年5月29日)
- ^ a b 竹田辰男「阪和の面影を残す天王寺駅」『鉄道ピクトリアル』第828巻、電気車研究会、2010年1月、pp.68 - 77。
- ^ “阪和線ホームの東口跨線橋使用開始 天王寺駅”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1983年10月2日)
- ^ “天王寺駅で電車衝突”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1989年8月29日)
- ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-119-8。
- ^ 「ICOCA」いよいよデビュー! 〜 平成15年11月1日(土)よりサービス開始いたします 〜(インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月30日
- ^ “天王寺駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年10月19日閲覧。
- ^ “全19駅にシンボルの花を定めました”. 大阪環状線改造プロジェクト. 西日本旅客鉄道. 2017年3月23日閲覧。
- ^ “大阪環状線 駅シンボルフラワー” (pdf). 西日本旅客鉄道 (2015年9月14日). 2017年3月23日閲覧。
- ^ 徳野陽一「大阪環状線唯一の踏切消える」『鉄道ピクトリアル』第866号、電気車研究会、2012年9月、110頁。
- ^ “『大阪環状線改造プロジェクト』進行中 大阪環状線発車メロディ全駅曲目決定!”. 西日本旅客鉄道 (2015年3月16日). 2022年5月5日閲覧。
- ^ “地下鉄エスカレーターで転倒、数十人折り重なる”. 読売新聞 (2010年2月2日). 2010年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月5日閲覧。
- ^ a b c “Osaka Metro|天王寺”. 大阪市高速電気軌道. 2024年3月23日閲覧。
- ^ a b “Osaka Metro|天王寺”. 大阪市高速電気軌道. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 大阪市交通局「第1号線天王寺停留場南海上町線連絡通路受託工事」、昭和44年
- ^ a b “12月3日新線切り替え”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2016年11月25日)
- ^ 阿倍野歩道橋架替工事について Archived 2013-07-13 at the Wayback Machine.
- ^ 近鉄とあべのの歴史 - あべのハルカス公式サイト「あべのハルカスについて」
- ^ “阪堺電車、天王寺駅前~阿倍野間を12月に切り替え 関西初の芝生軌道に”. あべの経済新聞 (2016年9月8日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ 路線別乗降人員(2022年11月15日 交通調査) (PDF) - Osaka Metro
- ^ 大阪府統計年鑑(平成3年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成4年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成5年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成6年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成7年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成8年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成9年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成12年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成13年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成14年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成15年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成16年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成17年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成18年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成19年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成20年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成21年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成22年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成23年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成24年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成25年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成26年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成27年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成28年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成29年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(平成30年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和元年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和2年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和3年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和4年) (PDF)
- ^ 大阪府統計年鑑(令和5年) (PDF)
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