化け猫
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史跡
- 妙多羅天女(みょうたらてんにょ) - 新潟県弥彦神社
- 詳細は内部リンク先を参照。由来として、文化時代の随筆『北国奇談巡杖記』にネコにまつわる怪異譚が記述されており、同書では「みょう」に「猫」の字をあてて「猫多羅天女」と表記されている[36]。北陸地方の説話による別説では、老いたネコが老婆を食い殺してその老婆になりかわり、後に改心して妙多羅天として祀られたという「弥三郎婆話」があり、北海道・北奥羽地方の「三左衛門猫」など、類話が全国に伝わっている[4][37]。
- 猫の踊り場(ねこのおどりば) - 神奈川県横浜市泉区
- かつて東海道五十三次の戸塚宿(現・神奈川県横浜市戸塚区)の醤油屋で、夜になると手拭が1本ずつなくなることがあった。ある夜に醤油屋の主人が仕事に出かけると、人のいないはずの寂しい場所から賑やかな音楽が聞こえた。見ると、そこには何匹ものネコたちが集まり、その中心では主人の飼いネコが手拭をかぶって踊っていた。主人は、手拭がなくなったのはあのネコの仕業かと納得したという。
- このネコの踊っていた場所は踊場と呼ばれ、後には泉区の踊場交差点や横浜市営地下鉄の踊場駅の駅名などに地名として残されることとなった。踊場交差点には1737年(元文2年)にネコの霊を鎮めるための供養塔が建てられており[38]、踊場駅構内には随所にネコをモチーフとしたデザインが施されている(画像参照)。
- お松大権現(おまつだいごんげん) - 徳島県阿南市加茂町
- 江戸前期、加茂村(現・加茂町)の庄屋が不作にあえぐ村を救うために富豪に金を借りたが、すでに返済したにもかかわらず、富豪の策略で未返済の濡れ衣を着せられ、失意の内に病死。借金の担保になっていた土地は富豪に取り上げられてしまう。庄屋の妻のお松は奉行所に訴え出るも、富豪に買収された奉行は不当な裁きを下す。お松がそれを不服として藩主に直訴した結果、直訴の罪により処刑され、お松の飼っていた三毛猫が化け猫となり、富豪や奉行らの家を滅ぼしたという伝説に由来する。
- お松大権現は、命をかけて正義を貫いたお松の墓所を祀ったもので、お松の仇を討った三毛猫は猫塚として祀られており、境内には全国的にも珍しいネコの狛犬もある[39]。直訴によって悪人を倒したという伝説から、勝負事にもご利益があるといわれ、受験シーズンには受験生の合格祈願も多い[40]。
- 「鍋島の化け猫騒動」と同様、鍋島氏にまつわる怪異譚に由来する史跡。化け猫が鍋島勝茂の妾に化けて勝茂の命を狙うが、勝茂の臣下の千布本右衛門がそれを退治する。しかしそれ以来、ネコの祟りのためか千布家に跡継ぎの男子が生まれなくなってしまったため、化け猫を大明神として秀林寺(現・白石町)の祠に祀ったという。この祠には、7本の尾を持つネコが牙を向いた姿で刻まれている[39]。
- 史実では、かつて白石を治めていた秀氏の秀伊勢守が、鍋島氏に尽くしたにもかかわらず、キリシタンの疑いをかけられて滅ぼされ、後に秀氏の残党が鍋島氏を怨んで抗ったことから、秀林寺では秀氏一派の暗躍が化け猫にたとえられたものと見ており、これが「鍋島の化け猫騒動」の原型になったとの説もある[24]。
- 栽松院の猫塚 - 宮城県仙台市若林区連坊
- 仙台藩御馬乗(おうまのり)草刈昌之丞の飼い猫・清女(せいにょ)を祀った石碑。この猫は隣屋敷の飼い鶏を食い殺し、それを見咎められ数名の若い衆によって散々棒で打ち据えられたがそれでも再び取り食らったため、ついには日向ぼっこの隙を狙って鉄砲で撃ち殺された。石碑には猫塚の二文字と絵姿が刻まれており、建立当時は猫の目に金箔、首輪に朱が挿されていたという。のち文久三年(1863年)にある好事家が仔細を栽松院和尚に尋ねて書き本に残したのが上記一件であり、地の文には猫を射殺したばかりに大芝居が始まったとある。
- これを大正15年に引用した郷土史家富田広重は和尚の口憚る様子や殿様の名が墨塗りで隠されていることからこの猫が身分ある屋敷の主に祟りをなしたと推察している。[42]一説によるとその主は片倉の殿様であったという。
注釈
出典
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- ^ 富田廣重『滅び行く伝説口碑を索ねて』第1輯、富田文庫、1926年、3-4頁
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