中国茶 中国茶に含まれる成分

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中国茶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 06:41 UTC 版)

中国茶に含まれる成分

食材として使用される中国茶

龍井蝦仁

最も有名な料理は、杭州の龍井茶と川エビをつかった「龍井蝦仁」である。殻を剥いた小エビと龍井茶の若芽を薄塩味で炒めたものであり、お茶の香りを楽しみながら、葉も食べる。

香り

上述の記載で香りを大事にする旨の記載があるとおり、中国茶の香りには魅力があり、「清香」「甜香」等の表現をされる。中国茶は製造工程で多くの手法を用いて、魅力的な香りを出す工夫を行っている[19]

中国茶は、食品の香り付けにも使用される。 四川料理の「樟茶鴨」、庶民的な食品である「茶鶏蛋」など、お茶の香りを料理に移す手法を用いる料理も少なくない。洋風では、紅茶をクッキーケーキの香り付けに使う例もある。台湾では、梅の砂糖煮に紅茶の葉を加え、香りをつけたものもある。

無形文化遺産

2022年に「中国の伝統的な製茶技術と関連する社会的慣習」がUNESCO無形文化遺産に登録されている[20]

用語解説

  • 水色 - 抽出したお茶の色の意。日本語での統一された読み方はないため、「みずいろ」とも「すいしょく」とも呼ばれている。
  • 茶酔い - お茶を飲んだ後、「上質な酒を飲んだ時と同じような、得も言われぬような感覚に陥ることを指す」場合と、「悪酔いしたときのように体調が悪くなる」意の、2通りの使われかたがあり、意味は統一されていない。[注釈 2]
  • 単株 - 一本の樹という意味。品名に単株と書かれている場合、同一の木(あるいは、同一の品種)から生産されたお茶であるという意。特に烏龍茶普洱茶に見られる。
  • 景徳鎮陶磁器 - 景徳鎮市で生産されている陶磁器を指す。茶器も多く作られている。
  • 紫砂壺 - 宜興市で生産されている紫泥で作られた無釉の焼締め陶器。紫、黒、茶、赤、青など、もともとの土の色も多彩。主に黒茶烏龍茶の為に使われる。紫泥はもともと希少価値が高く、さらに近年、生産量が激減しつつある。紫砂壺だけを専門に作り続ける陶芸作家も多く、中には日本の人間国宝に当たる作家もいる。
  • 養壺(ヤンフウ) - 紫砂製の茶壺を長年使うと、お茶の成分が茶器に吸収され、色合いの風味が増していく。そうして茶壺を長い時間をかけて育てていくことを指す。長年養壺した茶壺ほど価値が高い。

脚注


注釈

  1. ^ 「中国茶」を称するペットボトル飲料や大量消費を目的に販売される中国緑茶の中には、ベトナムインドネシアで生産された茶葉を使用したものもある。また、近年ではプーアル茶ベトナムタイで重要な輸出品となっており、安価なプーアル茶の中にはベトナム産やタイ産の茶葉を中国の雲南省で包装しただけで「雲南省」と表示している場合もある。更に、タイ産の「三馬茶」(サンマーチャ)は華僑向けのお茶として有名なブランドである。
  2. ^ 前者は、お茶の薬効成分の一つとされる「タンニン」の広範囲な食品内の合成物によるもので、二次発酵や三次発酵を行う青茶・中国紅茶・黒茶の多彩な味覚を持つ高級種において顕著に起こりうる。後者は、お茶やコーヒー類に含まれる「カフェイン」による中毒症状に似たもので、薬品としての無水カフェインを多く摂取した際にも起こる副作用としてもよく知られていて、頭痛や眩暈だけではなく、重症の場合には歩行障害を伴う症例も報告されている。前者は、青茶の代表である烏龍茶は、店舗での最終加工での火入れの良し悪しによっても大きな違いがあり、味覚にも直接関係する。後者の「カフェイン」は、味覚には直接には関係がなく、青茶や黒茶の場合にみられる工夫茶の「洗茶」によって、茶葉の表面に現れたり結晶化したものを取り除くことでも緩和される。品質の悪い茶葉は雑味と共に、分解が進んでいない「タンニン」の渋味が出易く、また、「カテキン」が紅茶の赤色や、黒茶の黒色の食品色素に変わる前の中間生成物等の多量摂取も嘔吐感を伴う場合があり、後者の原因ともなり得る。

出典

  1. ^ 平野久美子『中国茶風雅の裏側:スーパーブランドのからくり』 299巻、文藝春秋〈文春新書〉、2003年1月、123,135頁。ISBN 4166602993NCID BA60476556 
  2. ^ a b 関剣平「魏晋南北朝における喫茶の文化」『国立民族学博物館研究報告』第27巻第2号、国立民族学博物館、2002年、283-314頁、doi:10.15021/000040402019年6月3日閲覧 
  3. ^ a b 水上和則『茶文化史にそった中国茶碗の考古学』 勉誠出版 2009 ISBN 978-4-585-03235-9 pp.3-4,224-225.
  4. ^ a b 呂毅ほか『微生物発酵茶 中国黒茶のすべて』 幸書房 2014 改訂第1刷 ISBN 978-4-7821-0378-4 pp.13-15.
  5. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、236頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  6. ^ 加藤千洋『加藤千洋の中国食紀行:うまいを知れば「素顔の中国」が見えてくる』小学館、2005年3月20日、91頁。ISBN 4093875480NCID BA71368544 
  7. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、237頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  8. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、237-238頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  9. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、238頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  10. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、238-239頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  11. ^ 王静『現代中国茶文化考』思文閣出版、2017年2月2日、238-239頁。ISBN 9784784218790NCID BB23294819 
  12. ^ 朝日新聞・夕刊3面 2006年12月18日より一部抜粋。2007年1月6日朝日新聞web版記事マイタウン静岡より追記。
  13. ^ この場合の「発酵」とは醸造に代表される微生物を用いての有機物生成ではなく、茶葉に含まれる酵素を用いての人為的酸化加工を指す。詳しくは発酵の項を参考のこと
  14. ^ http://shizuoka-cha.com/index.php/faq/faq01/01/ 公益社団法人静岡県茶業会議所
  15. ^ https://kotobank.jp/word/%E9%87%91%E7%B7%91%E8%89%B2-481976
  16. ^ お茶まめ知識”. アサヒ飲料. 2023年12月8日閲覧。
  17. ^ 周達生「三、青茶」『中国茶の世界』保育社、1994年、32-38頁。ISBN 978-4586508686 
  18. ^ 楊品瑜『台湾茶の楽しみ方とおいしい料理』三心堂出版社、1999年、34頁。ISBN 4883423131 
  19. ^ a b 『中国茶の愉しみ』 脇屋友詞 日本放送出版協会 2002年7月
  20. ^ UNESCO - Traditional tea processing techniques and associated social practices in China” (英語). ich.unesco.org. 2022年11月30日閲覧。


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