不動産会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 04:00 UTC 版)
事業規模・構成比
小規模の会社が多く、一事業所当りの平均従業者数は、全産業の平均9.7人と比べると非常に少ない。また、事業別の構成比は不動産賃貸業が最も多く、事業所数で約7割、従業員数で約5割を占める。
一事業所当たり 平均従業者数 |
事業所数 | 構成比 | 従業員数 | 構成比 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
不動産取引業 | 建物売買業・土地売買業 | 7.5人 | 18,018 | 5.6% | 20.3% | 135,408人 | 13.2% | 32.6% |
不動産代理業・仲介業 | 4.3人 | 46,987 | 14.7% | 200,580人 | 19.5% | |||
不動産賃貸業 | 不動産賃貸業 | 4.1人 | 48,726 | 13.6% | 70.9% | 178,734人 | 17.4% | 49.4% |
貸家業・貸間業 | 1.7人 | 147,331 | 46.0% | 254,340人 | 24.7% | |||
駐車場業 | 2.1人 | 36,099 | 11.3% | 74,940人 | 7.3% | |||
不動産管理業 | 6.6人 | 28,313 | 8.8% | 185,465人 | 18.0% | |||
不動産業全体 | 3.2人 | 320,474 | 100.0% | 1,029,467人 | 100.0% |
※資料 : 総務省「事業所・企業統計調査報告」(平成18年)より。国・地方公共団体を除く。
主な不動産会社一覧
以下、デベロッパーとして業を営むもの。これらとは別に不動産流通業(物件の売買・賃借の媒介)やビルメンテナンス・マンション管理業を営むものは多数存在する(以下デベロッパーの関連会社として置かれている場合もある)。
- 旧財閥直系
- 鉄道系不動産会社(開発は鉄道会社本体の不動産事業部門が手がけるが、住宅の販売・媒介業務は不動産事業子会社に分担している例が多い)
- 総合商社系(伊藤忠商事以外の大手商社は自社の不動産部門でデベロッパー事業を営んでいる)
- メーカー系不動産会社
- ゼネコン系不動産会社
- 金融系不動産会社
- みずほ銀行系 - ヒューリック(旧日本橋興業、旧富士銀系、芙蓉総合開発と合併)・中央日本土地建物(旧第一勧銀(勧銀系・第一銀系))・清和綜合建物(旧第一銀系)・名古屋ビルディング(旧第一銀系)・旧興和不動産(旧興銀系、現日鉄興和不動産)・ユニゾホールディングス(旧興銀系、グループ離脱)
- 三井住友銀行系 - 銀泉(旧住銀系)・京阪神ビルディング(旧住銀・住友系)・京阪神興業(旧神戸銀系)・神戸土地建物(旧神戸銀系)・陽栄(旧太陽銀系)・室町殖産(旧三井銀・三井系)・ホウライ(旧三井銀(十五銀)系)
- 三菱UFJ銀行系 - 丸の内よろず(旧三菱銀・三菱系)・千歳コーポレーション(旧三菱銀系)・綜通(旧東銀系)・東洋不動産(旧三和銀系)・オークラヤ住宅(旧三和銀系)・御幸ビルディング(旧東海銀系)・新東昭不動産(旧東海銀系)
- その他金融系 - 平和不動産・野村不動産・オリックス不動産・安田不動産(損保ジャパン・明治安田生命ほか旧安田財閥系各社)・第一ビルディング/相互住宅(第一生命保険)・大星ビル管理/星光ビル管理(日本生命・大林組・旧UFJグループ(旧三和グループ))・大栄不動産(埼玉りそな銀行系)・TC神鋼不動産(旧神鋼興産不動産部門+神戸製鋼所不動産部門、東京センチュリーが買収)
- その他企業グループ系列不動産会社
- 独立系不動産会社(ビル、総合)
- 物流系不動産会社
- GLP(日本GLP)・プロロジス・シーアルイー
- 住宅主体独立系不動産会社
- マンション系ゼネコン(デベロッパー兼務)
- マンション専業デベロッパー
- 賃貸アパート専業デベロッパー
- 事業分野特化型(投資運用など)の不動産会社
- レジデンス・ビルディングマネジメント・ケン・コーポレーション・木下工務店・DAインベストメンツ・スルガコーポレーション・アルデプロ・プロパスト・シノケングループ・プロパティエージェント・GAテクノロジーズ・日本財托等
- その他
不動産バブル
2002年(平成14年)からの好景気(いざなみ景気)の長期化により、大都市圏のオフィスビルの空室率や失業者率が低下し、個人では団塊の世代の大量退職・住宅ローンの貸出金利が低く推移したこと、不動産(オフィス・商業施設・住宅・リゾート)に対する需要が増加した事に加え、J-REIT(証券化)や特定目的会社という新たな資金調達手段が登場したことにより不動産投資マネーが飛び交うようになり、大型物件の開発や既存不動産の売買が相次ぐなど不動産関連企業の収益や新規参入が増加するといった活況を呈し、「不動産バブル」と言える状態となっていった。
しかし、2007年(平成19年)8月にサブプライム問題が発生。2008年(平成20年)9月の世界金融危機が追い打ちをかけ、金融機関や投資家がデベロッパー向け投融資を急激に縮小させたことから上場会社・地域の有力会社を問わず倒産する企業が相次ぎ、不動産会社に連鎖して中小ゼネコンの倒産も発生している[1]。2010年(平成22年)に入っても不動産不況は終わりを見せず、上場企業や地域の有力デベロッパーの経営破綻が相次いだ。
主な倒産企業
サブプライム問題発生以降に倒産した上場不動産会社および主な非上場不動産会社は以下の通り。下記各社の負債総額は帝国データバンクおよび東京商工リサーチ調べによる。
- 2008年(平成20年)
- 2月
- 3月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- アーバンコーポレイション(東証1部、民事再生) 2008年8月
- 創建ホームズ(東証1部、民事再生) 2008年8月
- 連鎖で新井組(民事再生、2008年10月)。
- 新井組への焦付が発生した山﨑建設が2008年10月に会社更生法の適用を申請(前掲済)。
- 連鎖で新井組(民事再生、2008年10月)。
- セボン(負債総額621億円、民事再生) 2008年8月
- 9月
- 10月
- エルクリエイト(JASDAQ、破産) 2008年10月
- ニューシティ・レジデンス投資法人(東証REIT市場、民事再生) 2008年10月
- ノエル(東証2部、破産) 2008年10月
- 康和地所(負債総額143億円、民事再生) 2008年10月
- ダイナシティ(JASDAQ、民事再生) 2008年10月
- 11月
- 環商事(負債総額158億5000万円、破産) 2008年11月
- モリモト(東証2部、負債総額1615億2000万円、民事再生) 2008年11月
- 12月
- 2009年(平成21年)
- 1月
- みどり建設興業(負債総額19億円、破産) 2009年1月
- トップハウス(負債総額76億円、破産) 2009年1月
- 中央興産(負債総額48億円、破産) 2009年1月
- 連鎖でグループ企業の中央都市開発(破産、2009年1月)、中央商事(破産、2009年1月)。
- ランドクリエーション(負債総額15億円、破産) 2009年1月
- 日本クリエイト(負債総額30億円、破産) 2009年1月
- 東新住建(JASDAQ、負債総額491億円、民事再生) 2009年1月
- クリード(東証1部、負債総額650億円、会社更生) 2009年1月
- ジョー・コーポレーション(負債総額90億円、民事再生) 2009年1月
- 章栄不動産(負債総額292億円、民事再生) 2009年1月
- シックス(負債総額50億円、破産) 2009年1月
- 連鎖でグループ企業のシックスサービス(破産、2009年1月)、シックスエージェンシー(破産、2009年1月)。
- エス・シージャパン(負債総額43億円、破産) 2009年1月
- ミヤビエステックス(負債総額205億5400万円、民事再生) 2009年1月
- 栄泉不動産(負債総額580億円、民事再生)
- 富士ハウス(負債総額358億円、破産) 2009年1月
- 連鎖でグループ企業の日京(破産、2009年1月)、サニー(破産、2009年1月)。
- 2月
- ^ “新興不動産会社ピンチ サブプライムの影響で破綻相次ぐ”. 産経新聞. (2008年7月19日). オリジナルの2008年7月22日時点におけるアーカイブ。
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