三つ目がとおる 三つ目がとおるの概要

三つ目がとおる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 17:39 UTC 版)

三つ目がとおる
ジャンル 冒険バトル
漫画
作者 手塚治虫
出版社 講談社
掲載誌 週刊少年マガジン
発表期間 1974年28号 - 1978年12号
アニメ:悪魔島のプリンス 三つ目がとおる
原作 手塚治虫
監督 芹川有吾
脚本 山崎晴哉
キャラクターデザイン 清山滋崇
音楽 大谷和夫
製作 今田智憲東映動画
放送局 日本テレビ
放送期間 1985年8月25日 - (単発)
アニメ:三つ目がとおる
原作 手塚治虫
監督 うえだひでひと
シリーズ構成 関島眞頼
キャラクターデザイン 宇田川一彦
メカニックデザイン 山根公利
音楽 渡辺俊幸
製作 テレビ東京
日本経済社
学習研究社
手塚プロダクション
放送局 テレビ東京系列
放送期間 1990年10月18日 - 1991年9月26日
話数 全48話
漫画:三つ目黙示録 〜悪魔王子シャラク〜
原作・原案など 手塚治虫(原作)
藤澤勇希(脚本)
作画 柚木N'
出版社 秋田書店
掲載誌 チャンピオンRED
レーベル チャンピオンREDコミックス
発表号 2016年11月号 - 2018年5月号
巻数 全4巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ手塚治虫

概要

本作は、多重人格の少年を主人公にした、冒険バトルの漫画・アニメである。『週刊少年マガジン』(講談社刊)にて1974年から1978年3月まで連載された。1973年頃の『週刊少年マガジン』は、それまでの劇画偏重路線がたたって『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年チャンピオン』に読者を奪われ、発行部数を落としていた[1]。そこで少年誌への回帰を図る一環として、1965年の“W3事件”以来『週刊少年マガジン』および講談社との関係が途絶えていた手塚治虫に白羽の矢が立てられた[1]1974年に月1回の読切として連載が開始されたが、好評を受け翌年から毎週連載となり、『週刊少年チャンピオン』連載の『ブラック・ジャック』とともに手塚の復活を印象づけた。1977年に『ブラック・ジャック』と本作品により、手塚は第1回講談社漫画賞を受賞した。同年には、講談社から『手塚治虫漫画全集』が刊行開始されるなど、手塚と講談社の関係は修復された。

当初、手塚は「SF的な推理もの」を意図しており、写楽と和登さんの名がそれぞれシャーロック・ホームズワトソンに由来しているのもそのためである[2]。しかし、1970年代超能力超古代文明などのオカルトブームという「時代の要請」を受けて次第にオカルトを前面に押し出すようになり[2]、結果としてそれが人気を得ることになった。

アニメ化作品には、手塚がシノプシスを手がけた『24時間テレビ』内のアニメスペシャル『悪魔島のプリンス 三つ目がとおる』、手塚の没後にテレビ東京系列で放送されたテレビアニメシリーズの2種類が存在している。

また、手塚のスター・システムにより、『ブラック・ジャック』や『海底超特急マリンエクスプレス』にも写楽や和登さんが登場している。

復刊ドットコムより2017年にオリジナル版全8巻が発売されている。

ストーリー

いじめられっ子の主人公・写楽保介は、おとなしく無邪気で純粋な性格の、奇行がちで平凡な中学生である。しかしその正体は、古代ムー大陸で高度な超古代文明を繁栄させた「三つ目族」の末裔で、額に貼られた絆創膏をはがすことにより、その下に封じられた第三の目が、三つ目族の超能力と天才的頭脳を写楽にもたらす。三つ目の写楽保介は現代文明を滅ぼして「三つ目王国」を再興するという野望を持つが、そのたびに親友で想いを寄せる少女・和登さんこと和登千代子に阻止されていく。そんな日々の中、学園生活や日常の中で様々な事件に巻き込まれた写楽と和登さんが、謎を解き明かし解決していく。

超古代文明など、1970年代オカルトブームが反映されている。またストーリーの魅力として、古代遺跡に手塚独自の解釈があてられていることが挙げられ、例えば酒船石は古代人が奴隷を服従させるための秘薬の精製装置であるとしている(「酒船石奇談」)。

一話完結の短編のほか、複数話にまたがる「長編」があり、短編よりもさらにスケールの大きな冒険が展開される。

長編概要

三つ目族の謎編
ある日突然、犬持邸に謎の黒い球が送りつけられる。それは写楽の叔父で、同じく三つ目族の末裔であるゴブリン伯爵から甥の写楽に贈られたもので、表面に琵琶湖の湖底に眠る三つ目族の遺産の隠し場所が示され、鉄球の中にはその案内役となる天人鳥が収められていた。写楽と和登さんは飛石連休を利用して琵琶湖へ調査に出かける。アニメでは23話〜26話に該当。
グリーブの秘密編
写楽の通う学校に特別講師として赴任して来た上底先生は、なぜか写楽一人に執拗な体罰を繰り返す。実は、彼女の真の目的は写楽にネイティブ・アメリカンの遺跡・グリーブについて調査させることだった。長編では唯一アニメ化されていない。
怪植物ボルボック編
写楽たちは三つ目族が開発した霊長植物・ボルボックを発見する。ボルボックは人間の命令に従い、地上の植物を思いのままに茂らせたり枯らしたりする能力を持っていた。写楽ははじめこれを手なずけようとするが、ボルボックが三つ目族を滅ぼした張本人であることが分かり、一転してボルボックの殲滅を目指す。
アニメでは、34話〜39話に該当する。
イースター島航海編
写楽の前に現れた長耳族の末裔・パンドラは半人半猿の配下であるポキ族を差し向け犬持博士らの謀殺を図るが、写楽たちは辛くも逃れる。その後、写楽と雲名警部は幽霊船に乗せられ、パンドラ(アニメではミスターマネー)によってイースター島への航海に導かれる。アニメでは40話〜43話に該当する。
古代王子ゴダル編
自分が滅ぼしたウル王朝のシグアナ姫の復讐で4500年もの間「ホア・カバリ・キルマの壷」に封じられてきた三つ目族の王子・ゴダルは、和登さんの体を乗っ取ることで世に再びその姿を現す。ゴダルと写楽、二人の三つ目人は国際会議を控えた京都の街で騒動を巻き起こしていく。アニメでは29話〜33話に該当する。
地下の都編
バンソウコを貼った写楽は縄文時代の遺跡を発見し、一人で掘り進めていく。その後、富士山の火山灰土に覆われた地下の都を発見し、そこで古代の巫女・アヌイと出会う。アニメでは11話〜13話に相当する。
怪鳥モア編
写楽はトルテカ人の忘れ形見・モアの雛を親鳥から託されている。舞台は変わってメキシコとなり、写楽はモアを狙うヒットマン・ケツアルからモアを守り抜こうと奮闘する。アニメでは18話、44話〜46話に該当する。

サブタイトル一覧

サブタイトル 掲載日 備考
三つ目登場 1974年7月7日号
赤い案内書 1974年8月11日号
魔法産院 1974年9月15日号
酒船石奇談 1974年10月13日号
寿命院邸の地下牢 1974年11月10日号
三角錐コネクション 1974年12月8日号
文福登場 1975年1月19+26日号 - 2月16日号 単行本未収録
三つ目族の謎編 1975年2月23日号 - 5月25日号 長編
グリーブの秘密編 1975年6月1日号 - 8月24日号 長編
めおと岩がくっついた 1975年8月31日号
キャンプに蛇がやってきた 1975年9月7日号・9月14日号
王者の剣 1975年9月28日号
円盤騒ぎ 1975年10月5日号
オハグロ沼の怪物 1975年10月12日号
怪植物ボルボック編 1975年10月19日号 - 1976年3月7日号 長編
貝塚の怪 1976年3月14日号
文福脱走 1976年3月21日号
墓あらし 1976年3月28日号
カンニング 1976年4月4日号
七蛇寺の七ふしぎ 1976年4月11日号 単行本未収録
暗黒街 1976年4月18日号
神々の食糧 1976年4月25日号
ガイコツ・ショー 1976年5月2日号
タワーリング・ミラクル 1976年5月9日号
わんわん物語 1976年5月16日号
カオスの壷 1976年5月23日号 単行本未収録
魔術師 1976年5月30日号・6月6日号
給食 1976年6月13日号 単行本未収録
復活の谷 1976年6月20日号
猪鹿中学 1976年6月27日号 単行本未収録
長耳族 1976年7月4日号 単行本未収録
イースター島航海編 1976年7月25日号 - 12月26日号 長編
舌を出すな! 1977年1月2日号 単行本未収録
ナゾの浮遊物 1977年1月9日号
ビバゴン現わる! 1977年1月16+23日号
古代王子ゴダル編 1977年1月30日号 - 4月24日号 長編
地下の都編 1977年5月1日号 - 1977年7月10日号 長編
親子車 1977年7月17日号
怪鳥モア編 1977年8月7日号 - 1978年1月15日号 長編
石の玉 1978年1月29日号
メダルの謎 1978年2月12日号 単行本未収録
スキャンダル 1978年2月19日号 単行本未収録
浦島太郎の遺産 1978年2月26日号
イカヅチ山が泣いている 1978年3月12日号
スマッシュでさよなら 1978年3月19日号

  1. ^ アニメでは「〜ホリマク」のあとに「来たれ、赤いコンドルよ」と続く。
  2. ^ アニメではアイキャッチに東洲斎写楽の大首絵などがモチーフとして使われ、「わんわん物語」(アニメ第8話「三つ目イヌ誕生」)では額にバンソウコが貼られており写楽の手で三つ目に改造された子犬・ホクサイ(声:大谷育江)が登場する。このほか原作のグリーブ篇ではCIA高官として登場したポーク・ストロガノフが写楽に「わしは日本の画家シャラクの大ファンで」と口にする場面がある。
  3. ^ 全集の後書きで手塚本人が書いている。
  4. ^ 転校のエピソードはのちに『三つ目がとおる 秘蔵短編集』(講談社漫画文庫)ISBN 978-4-06-370521-8 に収録されている。
  5. ^ パイロットフィルム紹介では一度だけ姿を現している。
  6. ^ アニメでは単に「鬼胴」。
  7. ^ 厳密には続刊停止の扱いで、講談社コミックス版の既刊は少なくとも1982年ごろまでは再版は続いている。
  8. ^ 犬持医院に人面鳥が襲撃に来るシーンで、写楽が見ていたTVに映るキン肉マンの映像。






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