うなじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 14:45 UTC 版)
香水を付ける
香水を付ける際、一般的に拍動のある箇所が良いとされる。首周りでは後頸部と耳の後ろに付けることが推奨されているが[36]、「これらの部位には太い血管が通っているから」と説明されている[36](※もっとも、総頸動脈を始めとする多くの血管が実際に通っているのは、側頸部〈頸部を前後左右で分けたときの左右の部分〉の前のほうであって後頸部ではない)。香水のアルコール成分の温度が血管を通じて高くなり、揮発しやすくなって香りやすくなるからというのが、第一の理由である[36]。第二には、後頸部や耳の後ろは直射日光も当たらないため、香水の効果が保たれやすいということがある[36]。
後れ毛
女性が髪を掻き上げたり結い上げたりしたとき、襟首(襟元)に残って垂れた短い毛を、日本語では「後れて生えた毛」の意で「後れ毛(おくれげ)」という[37]。また、後れ毛と同じように、女性が左右の鬢(びん)や頬のあたりに数本垂らした髪を、「後れ髪(おくれがみ)」「愛敬毛(あいきょうげ、歴史的仮名遣:あいきやうげ)[38]」「遊び毛(あそびげ)[39]」という[37]。これらには、特に定義されない美的センスの判定による美醜が存在する。
比喩
人がお辞儀をするような形で咲く花は、花柄(かへい)を「首」や「うなじ」に譬えることがあり、その代表的一つは向日葵(ひまわり)の花である。向日葵の花序は大きく重く成長するが、人間が顔を上げて周囲を見渡すのと同じように陽の当たる方向へ向きを変える習性(正の光屈性〈向日性[字引 3]〉)があり、その花序を付け根で支える茎の部分である花柄は、見るからに人間の首のようである。それを詠んだ俳句も残されている。
- 向日葵の垂れしうなじは祈るかに ──篠原鳳作 『海の旅』
なお、俳句に詠む場合、「項」あるいは「うなじ」と記すのが通例となっている。
- 冬山を仰ぎ通しの項かな ──草間時彦
うなじと芸術
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パルマ・イル・ヴェッキオ "Young Woman in Profile " /1512年頃~1514年頃の間 。油彩画。ヴェネツィア派。
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フリードリッヒ・クレープ (Friedrich Krepp) "Portrait of a young woman with roses in her hair " /1853年。油彩画。
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イポリット・フランドラン 『若い娘の肖像─若いギリシア人の娘』/1863年。油彩画。
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ジョン・ウィリアム・ゴッドワード "Far Away Thoughts " /1892年。油彩画。新古典主義。
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フェリックス・ヴァロットン "The Patient " /1892年。油彩画。
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アルフォンス・ミュシャ 『ラ・プリュム』/1899年。リトグラフ。
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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス "Psyche Opening the Golden Box " /1904年。油彩画。神話画。ラファエル前派。
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ヴィルヘルム・ハンマースホイ "Rest " /1905年。人物画。
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岡田三郎助 『あやめの衣』/1927年。油彩画。
注釈
- ^ 当然ながら、男性は男性で、時に女性と同質の女性的な美、あるいは異質の男性美がある。
- ^ 関西の舞妓、関東の半玉など、呼称は地域によって異なる。
- ^ ■参考動画[3]。襟足に白塗りを施す場面は 08:55 から 11:20 あたりまで。塗り方は二人とも二本足。
- ^ 文字数制限などで制約の多い辞事典では大抵「同義語」の一言で説明されるが、元より完全同義語ではない。
- ^ なお、「首の穴」を原義とする漢語で解剖学用語でもある「頸窩/頚窩(けいか)」を「盆の窪」の同義語に挙げる資料[23]もあるが、解剖学でいう「頸窩/頚窩」は、前頸部の付け根にある「頸静脈窩/頚静脈窩」のこと、英語でいう "fossa jugularis sterni" を指す (cf. en:Suprasternal notch)。
- ^ 「一手の将たる者ども 味方諸人のぼんのくぼばかり見居て 合戦に勝てるものにてなし」などと記す資料もある[28][26]。
出典
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “引詰”. コトバンク. 2020年1月31日閲覧。
- ^ a b c ワゴコロ編集部. “(2)おしろいを塗る - 舞妓の白塗りメイクのやり方~子どもらしさを演出するお化粧と特徴的な髪型の種類~”. ワゴコロ. 株式会社ヒトノテ. 2020年1月31日閲覧。
- ^ 「半玉(舞妓)さんの白塗りメイク最初から最後まで how to "Maiko(Geisha)" make-up」〈Tokyo Geisha〉芸者さんが好きになる、2018年3月22日。YouTubeより。
- ^ a b c d 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “うなじ”. コトバンク. 2020年1月30日閲覧。
- ^ 日紫喜 2014, p. 10.
- ^ 厚労省 人体各部位.
- ^ 三省堂『大辞林』第3版. “襟首・領頸・領頚”. コトバンク. 2020年1月30日閲覧。
- ^ a b c 三省堂『例解新国語辞典』「うなじ」の項。
- ^ 三省堂『大辞林』第3版. “首筋・頸筋・頚筋”. コトバンク. 2020年1月30日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “首根・頸根”. コトバンク. 2020年1月31日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “首根子・頸根子”. コトバンク. 2020年1月31日閲覧。
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- ^ 童門 2008, 【徳川家康◆駿河土産】.
- ^ a b “第7回 最前線で、自ら戦闘力を示す ~徳川家康~ - 戦国武将に学ぶBizスタイル”. 日立システムズ. 2020年2月29日閲覧。
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- ^ a b “項背相望”. 四字熟語辞典オンライン. 2020年2月3日閲覧。
- ^ a b c 三省堂『大辞林』第3版. “項背相望む”. コトバンク. 2020年2月3日閲覧。
- ^ a b c d “失敗しない! 上手な香水の付け方をマスターしよう♡”. Wedding Park(ウエパ). 株式会社ウエディングパーク (2016年9月29日更新). 2020年1月30日閲覧。
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- ^ 三省堂『大辞林』第3版、小学館『精選版 日本国語大辞典』. “愛敬毛”. コトバンク. 2020年1月31日閲覧。
- ^ 三省堂『大辞林』第3版. “遊び毛”. コトバンク. 2020年1月31日閲覧。
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