請負工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 00:52 UTC 版)
工事は運営方法から直営工事と請負工事に大別され、直営工事は、施主が、材料費や職人への賃金など、必要な費用を直接支払う方法で、工事途中で費用に増減が生じる可能性が高い。中世まではこの方法がとられていた。一方、請負工事は、事前に予定価格を決めたうえで、複数の施工者から見積もりを取る、すなわち競争入札を行って、最も安価な施工者に請け負わせるもので、工事の完成を約束し、完成に対してその対価を報酬として支払うという工事請負契約を締結した工事を一般に請負工事と呼称している。このため公共事業としての建設工事は請負工事となり、国土交通省など官庁や公共団体が発行する書類等には請負工事積算要領や請負工事費、請負工事共通仕様書など請負工事という名称を使用したものが見受けられる。 建設工事はこのため仕事完成義務の観点からは請負契約とみられるが、片務性是正のために報酬支払時期など注文者に一定のリスク負担を求めていること、受注者が注文者の指導に従うこと等を踏まえ、一部準委任的な性質を帯びているとする考え方もあるため(準委任工事)請負契約の書面を交わさなければ必ずしも建設工事が(民法上の)請負であるとは限らない。 競争入札ならば費用は予定価格以下に収まるが、監理が悪いと質の低下を招く恐れがある。なお請負には工事全体を請け負わせる一括請負と工事ごと、あるいは材料など部分的にうけ負わせる部分請負とがある。入札制度そのものは中世末において一部民間に見られるが、公儀の普請(公共事業)に一般化したのは日本では豊臣秀吉の時代からである。
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