船楼甲板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 14:14 UTC 版)
新設の甲板室の1階に相当する船楼甲板部分は、その大部分が周囲を遮蔽された乗用車格納所区画に充てられた。後部煙突兼マスト下の後部消音器室囲壁両側に付設されていた機関整備員室と貨車添乗員室を撤去し、後部消音器室囲壁側面にも駐車スペースを作り、囲壁前方でも乗用車の両舷間通り抜け可能とし、両舷にはエアモーター駆動の横滑り式風雨密開閉扉を備えた舷門が設置され、乗用車がスムーズに乗降できる構造とした。乗用車積載数は20台であったが、1984年(昭和59年)7月7日からは船首側の空き部分にオートバイ11台の積載スペースを設け、乗用車も22台積載に増やされていた。天井には火災感知装置が設置され、スプリンクラーも装備されたほか、この区画の前後壁には工業用テレビカメラが設置され、2階(上部船楼甲板)の案内所で乗用車格納所内を常時モニターできた。乗用車格納所区画の船首側に隣接する区画には、右舷に定員40名のカーペット敷き雑居室が2部屋、左舷と船首側には機関整備員室、船員食堂厨房従業員居室、売店従業員居室、警乗員室が配置された。なおこれらのうち船員食堂厨房従業員は、改造前は従来からの甲板室の船楼甲板の船室を使用しており、空いたそれらの船室は、旅客扱いで増員された事務部員居室に充てられた。また左舷側にはトイレ、洗面所、シャワー室も設置され、この区画の中央部には2階の出入口広間へ上がる階段が設置されていた。左舷舷側は回廊状になり、ここに船員用乗船口が設けられたが、この位置は津軽丸型普通乗船口の船首側乗船口の位置であった。
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