体細胞クローン

デジタル大辞泉

たいさいぼう‐クローン〔タイサイバウ‐〕【体細胞クローン】

読み方：たいさいぼうくろーん

皮膚や臓器など特定の組織に分化した体細胞を用いて遺伝的に同一の個体を作りだすクローン技術。皮膚や乳腺などの体細胞から取り出した核を、別の個体から採取し核を取り除いた卵細胞に移植して再構築胚を作製し、さらに仮親となる別の個体に移植して作る方法が一般的。

[補説] 体細胞クローン動物は出生前後や若齢期の死亡率が高い。これは、再構築胚が十分な全能性（生体を構成するすべての細胞に分化する能力）を獲得していないために起こると考えられている。

生物学用語辞典

体細胞クローン

英訳・(英)同義/類義語：somatic cell clone

体細胞に由来する核を、核を除いた未受精卵に移植して作成したクローン（動物）。

バイテク用語集

体細胞クローン

【英】： Cloned Animal from Somatic Cell Nucleus

皮膚などの体細胞から核を取り出し、あらかじめ核を取り除いた卵細胞に移植することにより作製されたクローンのこと。

体細胞クローンは成功率が非常に低く、体細胞クローン技術により生まれた牛などは死産などの発生率が高い。この要因として体細胞の分裂回数や寿命などが考えられているが、はっきりした理由はまだ解っていない。その理由の解明とクローン技術の改良のための研究が続けられている。

なお、2007年11月に、京都大学の山中伸弥教授らの研究チームは、ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞（ES細胞）と遜色のない能力を持った人工多能性幹細胞（iPS細胞）の開発に成功したと発表した。

皮膚などの体細胞から核を取り出し、あらかじめ核を取り除いた卵細胞に移植することにより作製されたクローンのこと。 体細胞クローンは成功率が非常に低く、体細胞クローン技術により生まれた牛などは死産などの発生率が高い。この要因として体細胞の分裂回数や寿命などが考えられているが、はっきりした理由はまだ解っていない。その理由の解明とクローン技術の改良のための研究が続けられている。 なお、2007年11月に、京都大学の山中伸弥教授らの研究チームは、ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞（ES細胞）と遜色のない能力を持った人工多能性幹細胞（iPS細胞）の開発に成功したと発表した。

拡大表示

・ 核

・ 細胞

・ クローン

・ iPS細胞

食品の安全性に関する用語集

体細胞クローン

動物の体細胞を利用して元の動物と遺伝学的に同一な個体を新たに作製する技術のことです。家畜などの動物の体細胞クローンの作製は、元となる個体の皮膚や筋肉などの体細胞から遺伝子を含む核を取り出し、核を抜いた未受精卵に元となる個体の核を移植し、電気的刺激等により融合させた卵を雌の家畜の子宮へ移植・受胎させ、クローン個体を出産させるという手順で行われます。作製された個体は、元の体細胞を取り出した個体と同一の遺伝情報を持っています。
畜産の分野では、生産性や品質の向上等を目的とした牛や豚などの家畜の改良を進めるための有効な手段の一つとして期待され研究開発が進められています。また、畜産分野以外でも動物の体細胞クローン技術は、実験用動物の生産手段、医薬品の製造手段及び希少動物などの保護・再生手段への利用が期待されています。