OSPF
OSPFとは、TCP/IPにおいて、パケットの配送経路を制御(ルーティング)するためのプロトコルのことである。
ネットワークをエリアと呼ばれる小単位に分割し、バックボーン回線によって結ぶ方式や、あるいは可変長のサブネットマスク(VLSM)のサポートなどにより、階層化されたルーティングが可能であることを特徴とする。これによって経路情報を小さくすることができる。
ルーティングの際には転送路の帯域やユーザーの指定するコスト値を組み込むことができるので、単純に経由するルーターの台数(ホップ数)だけに基づいたルーティングプロトコルであるRIPよりもネットワークを有効に利用することが可能となる。OSPFは比較的大規模な企業内ネットワークで用いられることが多い。
Open Shortest Path First
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/17 16:46 UTC 版)
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Open Shortest Path First (オープン・ショーテスト・パス・ファースト、略称:OSPF) は、小規模から大規模のネットワーク向けのリンクステート型ルーティングプロトコルである。
概要
自律システム (AS) 内のルーティングを行うInterior Gateway Protocol(IGP)の通信プロトコルである。 (対して、自律システム (AS) 間のルーティングを行う通信プロトコルはBGP4などのEGPである)
RIPにおける制約を解消するためにIETFにおいて提唱され、スタティック・ルーティングやRIPでは実現できなかった冗長経路構成を容易に実現できる。
OSPFは、リンクステート型(LSA)のルーティングを行うリンクステート型ルーティングプロトコル(リンク状態型ルーティング)である。 各ルータは隣接するルータとリンクしてアドバタイズ(周囲に通知)することでネットワーク・トポロジーのデータベースを構築し、ダイクストラのアルゴリズムで最短経路ツリーを「コスト」という距離(メトリック)の単位で計算してルーティング・テーブルを作成する。
ネットワーク規模の増大に対処するため、OSPFはネットワークを複数のエリアに分割することを可能としており、フラッディングや経路計算をエリアごとに効率よく実現できる。 エリア間の通信はエリア境界ルータ (area border router; ABR) を介して行われ、エリア間のルーティングは特定のバックボーン・エリアが中継することで実現される。 またルーティング情報更新の負荷を軽減するため、セグメントごとに代表ルータ (designated router; DR) とバックアップ代表ルータ (backup designated router; BDR) が選出されハブとして働く。
OSPFv2はIPv4、OSPFv3はIPv6にそれぞれ対応している。[1]
主なRFC
- RFC 1131 (1989年) - 最初の標準化提案
- RFC 1584 (1994年) - OSPF マルチキャスト拡張 (MOSPF)
- RFC 2328 (1998年) - OSPFv2、STD 54 に
- RFC 3101 (2003年) - OSPF NSSA オプション
- RFC 3630 (2003年) - OSPF-TE
- RFC 5340 (2008年) - OSPFv3、IPv6対応(RFC 2740(1999年)のアップデート)
その他多くの関連RFCがある。
出典
関連項目
外部リンク
「Open Shortest Path First」の例文・使い方・用例・文例
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