りさん‐か〔‐クワ〕【離散化】
離散化
【英】discretization
離散化とは、ある連続した情報を、非連続の値に分割することである。
連続した値を持った情報を解析することは非常に困難であるが、離散化を行い非連続な数値に置き換えることで、近似的な計算結果を比較的容易に算出することが可能となる。そのため、数値解析をはじめとして様々な分野において離散化は用いられてる。音声や電波のように元々が連続的な情報も、その周波数を離散化することにより、デジタルな数値としてコンピュータ上で処理することが可能となっている。
離散化され非連続となった(離散的な)値は、離散値と呼ばれる。離散値を用いて算出された計算結果は、元の情報に対し、離散化誤差と呼ばれるわずかな誤差が生じる。
数値解析において離散化を行う手法の代表的な種類として、有限要素法(FEM)、有限差分法(FDM)、有限体積法(FVM)などがある。格子状のセルを用いた離散的な計算モデルにセル・オートマトンがある。信号の周波数の解析・変換・圧縮処理などに用いられている計算手法としては、離散フーリエ変換、離散コサイン変換などを挙げることができる。
離散化

数学において、離散化 (discretization) とは連続関数、モデル、変数、方程式を離散的な対応する物へ移す過程のこと。この過程は普通、それらをデジタルコンピュータ上での数値評価および実装に適したものにするために最初に行われるステップである。二分化 (dichotomization) は離散クラスの数が2である離散化の特別な場合であり、これにより連続変数を2値変数として近似することができる(2項分類のようにモデリングの目的で2分法を作成する)。
離散化は離散数学にも関係しており、グラニュラーコンピューティングの重要な成分である。この文脈において、離散化は、複数の離散変数が集約されるもしくは複数の離散圏が融合する場合のときのように、変数もしくは圏のグラニュラリティの変更をさすこともある。
連続的なデータが離散化されるときは常にある程度の離散化誤差がある。目標は手元のモデル化の目的では無視できると考えられるレベルまでその量を減らすことである。
離散化と量子化 (quantization) という用語はしばしば同じ意味を持つが、必ずしも同じ意味というわけではない(具体的には2つの用語は意味領域を共有している)。離散化誤差と量子化誤差についても同様である。
離散化に関する数学的方法にはオイラー・丸山法とゼロ次ホールドがある。
線形状態空間モデルの離散化
離散化は連続微分方程式を数値解析に適した離散差分方程式に変換することにも関係する。
次に連続時間状態空間モデルを示す。
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