XGの基本思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 16:21 UTC 版)
XGの基本思想は、互換性、適応性、拡張性が挙げられる。 互換性は、XG対応データはXG対応機器で再生すれば、異なるモデルであっても再生可能であり、GMとの上位互換性を持っているため、GM対応の伴奏データも正しく再生可能だということである。 適応性は、XGでは音色数や音色変更方法等を細かく規定されているが、全ての機能を網羅する必要がなく、同じ伴奏データを性能や価格帯の異なるモデルで再生しても、それぞれのモデルの能力に応じた再生が可能だということである。 拡張性は、製品の開発とともにフォーマット内容を柔軟に拡張できるということである。現にMU80からMU90、MU100と上位機種が発表されると、その機種に応じた新しいエフェクトや音色、機能が増えている。 MIDI音源の一般的な規格であるGMとの上位互換性の点でまず挙げられるのは音色数である。GMで規定された128音色があるが、XGはバンクセレクトを利用して、大幅に音色数を増やしている。バンクセレクトLSBにより、GMの基本音色に対してバリエーション的な音色を配置し、そのバンク番号ごとにバリエーションの性格(例えば、オクターブユニゾンやステレオなど)が定められ、検索を容易にしている。バンクセレクトMSBを40Hにすることにより、効果音のSFXバンクに切り替えられ、またバンクセレクトMSBを7EHまたは7FHにすることにより、そのパートをドラムパートに切り替えられる。また、上位機種で作られたデータを下位機種で再生する場合、再生する機種にない音色があってもGMの基本音色で鳴らすことができる(代理発音)。 エフェクトも切り替えられ、その種類や結線まで規定されている。そして各パラメータやコントロール方法も規定しているため、高度な要求にも応えられるようになっている。グラフィックイコライザーを搭載した機種では、曲調に合った雰囲気を出せるようにすることも可能である。そして外部からの信号を受け取り、それにエフェクトをかけ、音源内部のミキサーで音源内の音色と同様にコントロールする規定も定められている。これによって、XG音源を使ってカラオケをしたり、エレクトリックギターをつなげて、バンド演奏等もできるようになっている。 XGフォーマット自体は、ローランド社の規格GSとは直接の互換性はない。ただ、大多数のXG対応の音源モジュールやシンセサイザーにはTG300-Bモードと呼ばれるGSとの互換モードが用意されている。GS対応のMIDIデータを再生すると、このモードに切り替えて100%とまでは行かないが、違和感のない程度には再生をすることも可能である。現在はTG300-Bモードに代わり、GSモード(GSフォーマットに正式対応)を備えたXG音源モジュールも存在する。
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