The Tempest (Tchaikovsky)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > The Tempest (Tchaikovsky)の意味・解説 

テンペスト (チャイコフスキー)

(The Tempest (Tchaikovsky) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/25 07:30 UTC 版)

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Tchaikovsky - The Tempest - カレル・デスール(Karel Deseure)指揮フランデレン交響楽団による演奏。フランデレン交響楽団公式YouTube。

幻想序曲テンペスト』(: Буря(嵐))作品18は、ピョートル・チャイコフスキーが作曲した演奏会用序曲シェイクスピア戯曲テンペスト』に基づいている。一部では幻想曲と呼ばれることもある。

概要

作曲を勧めたウラディーミル・スターソフ《1873年画》

チャイコフスキーは文学にも造詣が深く、文学作品に題材を求めた曲も幾つか残している。特にシェイクスピアはチャイコフスキーが非常に敬愛した作家の一人で、幻想序曲『ロメオとジュリエット』につづいてシェイクスピアに題材を得たチャイコフスキーの管弦楽作品の第2作となったこの曲は、1873年8月から10月にかけて作曲された。同年の2月に交響曲第2番モスクワで初演され、ロシア5人組から高い好評を得た。チャイコフスキーに作曲を勧めたのは、5人組の理論的指導者であった評論家のスターソフで、彼はシェイクスピアのほかウォルター・スコットゴーゴリの作品にも候補を挙げたという。しかしチャイコフスキーは『テンペスト』の物語に惹かれ、前作『ロメオとジュリエット』に続いてシェイクスピアを選び、3部から成る幻想序曲を書き上げた。

初演は1873年12月19日にモスクワで、ニコライ・ルビンシテインの指揮によって行なわれ、交響曲第2番に劣らぬ好評を持って迎えられた。ただ、チャイコフスキーは当初「私の最も輝かしい作品の一つ」と語ったが、後になるとこの曲に幻滅を感じていたと伝えられている。構成がやや平板で、冗長な感じを与えるためだったという。しかし、フォン・メック夫人が後年チャイコフスキーを援助したのは、この初演を聴いて感激したのがきっかけだったというエピソードは知られており、また色彩的な響きと抒情的な美しい旋律はリムスキー・コルサコフらも高く評価している。

楽器編成

ピッコロフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバティンパニ大太鼓シンバル弦五部

構成

曲は、フルートホルンなどがヘ短調の主和音を奏して始まり、金管によって海が描写され、やがて激しい嵐となる。プロスペロー公爵が魔法で嵐を起こして、宿敵の息子ファーディナンドの船を難破させる場面である。嵐が次第に収まると、チェロが「愛の動機」を奏してプロスペローの娘ミランダとファーディナンドの愛を描き、再び海の描写が戻って、最後は海の静けさを広々と描いて曲を閉じる。演奏時間は約23分。

関連作品

チャイコフスキーの幻想序曲 - いずれもシェイクスピアの戯曲に基づく。

外部リンク


「The Tempest (Tchaikovsky)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

The Tempest (Tchaikovsky)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



The Tempest (Tchaikovsky)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテンペスト (チャイコフスキー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS