ローランド・TR-909
TR-909
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 06:38 UTC 版)
ローランドの歴史的名機とも評されるリズムマシン。ハウスシーンにおける再評価によって、1990年代以降の幾多の音楽シーンに多大なる影響を与えた。電気の活動初期には本体そのものをメンバーが所有しておらず、主にレコード等からのサンプリング音源や、おなじくローランドのPCMリズムマシンR-8の音色ライブラリを使用するに止まっていたが、デビュー後に石野が入手。続いて砂原も必要性に駆られて導入したといわれる。一時期はその過剰なまでの愛着から、ライヴにおける舞台セットに巨大なTR-909とTB-303の書き割りを設けていたほどである。そのあまりにも有名な音色以外にも多機能で知られる909であるが、電気のレコーディングでは時期によって使用方法が異なるのも特徴である。当初はメインシーケンサー(W-30、MC-50等)で組まれたシーケンスによってMIDI音源的に使用されていたが、『ORANGE』の一部の曲では909本体内蔵のシーケンサーをメインに据え、サンプラーなどの外部音源をトリガーするといった使用がみられた。続く『A』ではメンバー自身がサンプラーによるリズムプロダクションに傾倒していた為、一旦音色をサンプラー内に取り込んだ上で間接的に使用されている。現在、石野使用のモデルはバスドラム、ハイハット、リムショット等に独自の改造を加えた上で再びメインのリズムマシンとして愛用されている。砂原は1995年のソロ作あたりからしばらく距離を置いていたが(一方で当時のインタビュー記事では『ただし売り払うつもりは全くない』と明言)、近年のスーパーカーのプロデュース作業などで再び大胆に使用した。
※この「TR-909」の解説は、「電気グルーヴ」の解説の一部です。
「TR-909」を含む「電気グルーヴ」の記事については、「電気グルーヴ」の概要を参照ください。
- TR-909のページへのリンク