SX-3以降のOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:32 UTC 版)
SX-3以降は、メインフレームベースのオペレーティングシステム (OS) をやめ、UNIXベース(System Vベース)のOS、SUPER-UXとなった。ベースは System V ではあるが、4.3BSDの機能を取り入れ、ネットワーク関係等が強化されているTCP/IPだけではなく、OSIへの対応もなされている。そのほかの特徴は以下のとおり。 マルチプロセッサ対応 カーネルのマルチスレッド化を行なっている。 2つのページサイズ 32Kバイトと1Mバイトのページサイズを提供している。UNIXコマンドのような小さなプログラムは32Kバイト、科学技術計算には1Mバイトのページサイズを割り当てている。どちらを使うかは、実行可能バイナリファイルに設定されている。 オーバレイ機能 メモリを効率的に使うため、サブルーチン単位にオーバレイ機能を使うことが出来る。この機能はソースプログラムを変更することなく実行可能である。 スケジューリング機能の大幅な変更 通常の処理(UNIXコマンドによる対話的な処理)と、数値演算のようなバッチ的な処理のスケジューリングを適切に行うために、ドメイン、スケジューリンググループという機能を用意している。ドメイン 会話処理ドメインとバッチ処理ドメインが用意されている。それぞれに対して、CPU配分、メモリ配分を設定できる。 スケジューリンググループ ユーザ毎にスケジュール方法を設定できる。従来のUNIX風のスケジュール方法の他に、固定的にスケジュールを設定する機能も、バッチ的な処理のために用意されている。 ファイルシステムの改良 ファイルシステムはs5fs(System V固有のファイルシステム)をベースに改良したSFS (Supercomputing File System) である。このファイルシステムは、基本的なUNIXのファイルシステムをベースに、大量の入出力 (I/O) に対応するように改良されている。たとえば、I/O単位がブロックをまとめたクラスタ単位である、カーネルのバッファを使わず、直接ユーザアプリケーションとI/Oを行う、仮想ボリューム機能を用いて、ディスク容量より大きなファイルを作成できるなどである。 NQS機能 バッチ処理を効率的に行うために、NQS(Network Queuing System)というジョブ管理システムが提供されている。 SX-4対応のOSでは、SVR4.2MP (System V Release 4.2 MP) 対応になった。また、並列処理も、SX-3ではタスクライブラリというFortran指向のライブラリを用意していたが、SX-4ではPOSIXスレッドを使えるようになった。また、より並列度が上がるように、粒度を向上したり、アトミック命令が追加されている。
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