RAID 5: ブロック単位でのパリティ分散記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 20:49 UTC 版)
「RAID」の記事における「RAID 5: ブロック単位でのパリティ分散記録」の解説
RAID 5は水平パリティを使用して複数のハードディスクに誤り訂正符号データと共に分散させて記録することで、RAID 3、RAID 4のボトルネックを回避している。最低3ドライブが必要である。RAID1やRAID1+0に比べて使用効率に優れている。またRAID0のように複数のディスクに分散しているため読み出し性能が優れている。一方で書き込む場合にはパリティブロックを作成しなおすために、ディスクからの既存パリティ読み出しとパリティ演算が伴うが、I/Oプロセッサを搭載した高価格帯製品ではパリティを大容量キャッシュに保存しパリティ演算をI/Oプロセッサや専用演算機にて行う事で速度低下を回避している。 長所ボトルネックとなる、RAID 3やRAID 4のような専用のパリティドライブが存在しない。 ドライブの台数が増えるほど高速化を見込める。 1台までのドライブが故障してもデータを復旧できる 短所パリティ演算が必要なため、ソフトウェアRAIDに不向き。ただしI/Oプロセッサを搭載した高価格帯製品では大容量のキャッシュメモリとI/Oプロセッサやパリティ演算機を搭載することでRAID0並みに読み書きともに高速化している製品もある。 停電やディスククラッシュにより部分的に書き込みが行われた状態での停止が発生した場合に検出困難な不整合が発生するタイミングがあり、RAID 5書き込みホールと呼ばれる。ハードウェアRAIDではバッテリを搭載するなどして電源異常時の問題を回避するように構成されている場合が多いが、ソフトウェアRAIDでは一般に対応は困難である(同様の問題はパリティを用いるRAID 4・RAID 6等でも存在する)。RAID-Zはソフトウェアによるこの問題の解法の一つ。 低価格品や低性能品では(障害発生後の)復元処理が遅い。 ドライブ1台故障時にパリティからデータを再生するため、性能が低下する。 2つ以上のドライブが同時に故障すると回復できない(RAID6では3つ同時故障で回復不能)。 ドライブ1台故障時はRAID 0並みに信頼性が低い状態となる。特に構成台数が多い場合、復元作業中にもう1台が故障し、回復不可能となってしまうケースがある(これに対する解がRAID 6)。
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