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プルターク【Plutarch】

読み方:ぷるたーく

プルタルコスの英語名。


Plutarch


プルタルコス

(Plutarch から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/25 14:48 UTC 版)

デルポイで発見された2世紀の胸像。プルタルコスとされることがある。

プルタルコス(プルータルコス[1]、希: Πλούταρχος、羅:Plutarchus、46年頃 - 119年以降)は、帝政ローマのギリシア人著述家。著作に『対比列伝』(英雄伝)などがある。英語名のプルターク[2](英: Plutarch [ˈpluːtɑrk])でも知られる。

略歴

ボイオティアにあるカイロネイアの名門出身。アテナイで数学と自然哲学を学び、ギリシャ本土と小アジアのサルディス、エジプトのアレクサンドリアに赴き、カイロネイアの使節としてローマにも度々滞在した。生涯を故郷で過ごし、市民と親しく付き合い、ローマからの客をもてなしたので、家は大いに賑わったとされる。一方では、デルフォイ神殿の神官と交流を持ち、神託を推奨した。

思想的には、アカデメイア派または中期プラトン主義に属し、その他ストア派やペリパトス派の考え方も取り入れ、折衷主義、穏健な懐疑主義[3]の立場をとった。

著作

著作活動に熱心で、3世紀頃に編纂されたプルタルコス著作目録『ランプリアス・カタログ(wikidata)』には、『対比列伝』(英雄伝)をはじめ、227もの書物が挙げられている。一方で現存著作には偽書も含まれる(偽プルタルコス(英語版))[4]。

『対比列伝』は、人物一者のみを記述した単独伝記4編と、古代ギリシアと古代ローマの各・人物を対比した対比列伝22編からなる。後者はアテナイの王テセウスと王政ローマを建国したロムルス、スパルタの立法者リュクルゴスとローマの古王ヌマ、アレクサンドロス3世(大王)とカエサル、などを対比している。

『対比列伝』は16世紀にジャック・アミヨにより仏訳され、その仏語版から17世紀のサー・トマス・ノース(英語版)が英語版を重訳[5]し、後にシェイクスピアの古代ローマ史劇『ジュリアス・シーザー』、『アントニーとクレオパトラ』、『コリオレイナス』などの執筆参考になったとされる。

『倫理論集(モラリア)』は、政治・宗教・哲学などについて論じた随想集であり、エッセーの起源であるとされる。フランス文学では、ルネサンス後期は、モンテーニュ『エセー』やラブレーなどのルネサンス文学に、17、18世紀はラ・ロシュフーコーなどのモラリストに大いなる影響があった。

日本語訳

対比列伝
倫理論集(モラリア)
  • 『モラリア』全14巻、戸塚七郎・松本仁助・伊藤照夫ほか全9名訳
    京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、1997年-2018年に刊行
  • 『倫理論集の話』(抜粋訳) 河野与一選訳、岩波書店、1964年、復刊1983年ほか
  • 『モラリア』抜粋版は以下。各・柳沼重剛訳、岩波書店〈岩波文庫〉
    • 『饒舌について 他五篇』(1985年)
    • 『愛をめぐる対話 他三篇』(1986年)
    • 『食卓歓談集』(1987年) - 「酒席で哲学論議をしてもよいか」など33編。
    • 『似て非なる友について 他三篇』(1988年)
    • 『エジプト神イシスとオシリスの伝説について』(1996年)
  • 『古代ホメロス論集』 内田次信訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2013年
    プルタルコス「ホメロスについて 1・2」/ヘラクレイトス(英語版)「ホメロスの寓意」を収録

研究

  • 『『英雄伝』の挑戦 新たなプルタルコス像に迫る』
    小池登・佐藤昇・木原志乃編、京都大学学術出版会、2019年

脚注

  1. ↑ 松原國師「プルータルコス」『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、1066-1067頁。ISBN 9784876989256。
  2. ↑ 山本貴光. “第47話 名前はむずかしい | 山本貴光 岩波文庫百話 | web岩波”. tanemaki.iwanami.co.jp. 2026年3月15日閲覧。
  3. ↑ 中畑正志 著「プラトン哲学・アリストテレス哲学の復興」、内山勝利 編『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者 古代2』中央公論新社、2007年。 ISBN 9784124035193。477f頁。
  4. ↑ 松原國師「偽プルータルコス」『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、466頁。 ISBN 9784876989256。
  5. ↑ トマス・ノース英訳版『プルターク英雄伝』(塚田孝雄編、龍渓書舎、1993年)は高価な特製本2冊組で刊行。
  6. ↑ 3巻目までが柳沼訳。2015年5月に4巻、2019年8月に5巻、2021年5月に6巻が刊。最終6巻目に全冊の固有名詞索引を収録
  7. ↑ 初刊は『プルターク英雄伝』全6巻、鶴見祐輔訳、改造社、1934年。
  8. ↑ 初刊は昭和初期の1930年、様々な版で刊行された

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