ISIL占領下のモースル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 09:10 UTC 版)
「モースル」の記事における「ISIL占領下のモースル」の解説
2014年6月9日、ISILがモスルの政府施設などに攻撃を仕掛けて占拠。警察署も放火され機能を失い、街全体が武装勢力側に掌握された。イスラム教スンニ派を奉じるISIL側は、市内に居住するキリスト教徒に対し、同年7月19日までに改宗、納税、退去のいずれかを求めたことから多数のキリスト教徒が市内から脱出した。 ISILは、支配したモースル一帯を「ニナワ州」と名付け、シャリーアに基づく行政を実行した。従来の公務員や弁護士などは失職する一方で、医師や技術者などは「逃亡すれば財産を没収する」と脅して逃亡を阻止した。シーア派住民の財産は没収された。 2015年1月31日、ISILが1月初頭、本を焼くために、イラクのモスル中央図書館を攻撃したと報道された。子供向けの本や詩集、哲学書、医学書、科学書など約2000冊を図書館からトラックで運び出したとされる。 2015年2月18日、イラクのハキム国連大使が、ISILが殺害された民間人の体から臓器を取り出し、資金づくりのため密売している疑いがあると指摘し、モスルでは、遺体から臓器を摘出することを断った医師12人が殺害された、との情報もあると話した。 クルド民兵組織は、ISILがモースルを占領しているのに対抗して、近隣の石油都市キルクークを支配している。モースルやキルクークはともに石油埋蔵量が多く、勢力拡大の資金源とするためにISILとイラク中央政府、クルディスタン地域政府による争奪戦の対象となった。米英やフランスなどが2014年末からISIL支配地域への空爆とイラク中央政府、クルド人勢力に武器援助を始めたために、クルド側が有利になってきている。 2015年2月には、モースルの美術館にある7世紀ニネヴェ (メソポタミア)の石像などがIS兵士たちに破壊された。
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