IP伝送の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 14:32 UTC 版)
SNGの登場によって日本各地から映像伝送が行えるようになったが、SNG中継車は1台数億円もする高価な設備で放送局といえども何台も保有はできない。また通信サービスを行う衛星会社も限られているため周波数にも限りがあり、SNGの運用には放送局同士でのブッキングが必要である。大きな事件事故が発生すると回線申請は混雑し、パソコン上のブッキングブラウザは奪い合いの様相を呈する。また、衛星を用いた電波を扱うには専用の陸上無線技術士の免許が必要であり、発放するのは免許を取得した技術者がのみが行える資格であるため技術者の不足している地方局では有資格者が多忙を極めることになる。このような事態から脱却する手段として特殊専用回線から汎用一般回線への乗り換えが行われ始めた。NTTのフレッツ光サービスに代表される一般向け通信サービスの帯域を用いて圧縮処理された映像音声を数秒間の遅延で伝送するシステムで、富士通のIPシリーズやクボッテックのMpegBlockシリーズである。それぞれに演算素子の改良やソフトウエアの向上によって今日では充分に放送に耐えうる画質と低遅延を実現している。
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