SNGの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 14:32 UTC 版)
ENGとFPUの登場によって飛躍的に高速化したニュース伝送だったが、FPUはその周波数の特性から直進性が強く、お互いのパラボラアンテナが見通せる環境でしか通信できなかった。そのため山間の地域や建造物に囲まれた場所から伝送を行うには事前の準備が必要で、ニュース現場がこのような地域の場合は多くの人手と時間を要した。このFPUの弱点を補う技術としてSNG(サテライト・ニュース・ギャザリング)と呼ばれる通信衛星を用いた映像伝送が開発された。通信衛星による映像伝送の歴史は古く、わが国で最初の衛星中継は1963年、アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの暗殺を伝えるニュース映像伝送だったが、これらは大規模な設備と強力な電波を用いて行われる国家的な大事業で、一民間放送局が簡単に使用できるようなものではなかった。技術革新と規制緩和、自由競争が1980年代のバブル経済と相まって、国内向けの通信サービスとして通信衛星が用いられるようになり、送信設備も1台の中継車に搭載可能となったことで、衛星中継車SNGが登場したのである。
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