ICT活用した教育・学習におけるデザイン思考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 15:15 UTC 版)
「デザイン思考」の記事における「ICT活用した教育・学習におけるデザイン思考」の解説
教育・学習にICTを導入することには、技術的な難しさ以外にも多くの課題が伴う。一部の研究者は、ICTの活用が学習に与える影響は限定的であると指摘している。公的教育環境(小・中学校や高等教育機関)においてICTが多用され投資もされていることを考えると、実際の問題が何なのかを突き止めることが重要である。この点について、教育コミュニティの現場からはICTを教育・学習で用いる方法についていくつかの提案がなされている。こうした背景があるため、デザイン思考を取り入れることは全体論的解決に向けた有望な戦略であると考えられる。 ICTを活用した教育・学習におけるデザイン思考も、通常のデザイン思考と同様の活動になる。第一に、教育コミュニティが教育技術を導入する際に直面する問題がユニークで、明確に定義されておらず、明確な解決方法が見当たらないことを認識することが重要である。ここでの定義はまさにデザインコミュニティにおける「厄介な問題」に対応している。第二に、デザイン領域で起きていることと同様に、行為主体の多様性が問題に複雑な次元をもたらしていることを理解するべきである。この意味において、デザインのプロセスにおいて複数の異なるステークホルダーと協働することが鍵であり、それによって学習のためのより有用な技術を開発できるようになるだろう。 デザイン思考は厄介な問題に取り組む上で有用なアプローチであると特徴づけられてきた。デザイン思考を取り入れることで、与えられた一つの状況について多くの解決がありうること、そしてどんなデザインにも検証が必要であることが理解されるようになる。この観点からも、デザイン思考をデザインの学習に導入したり、デザインの技能を技術的学習解決の発展プロセスに取り込むことは、ICTを活用した学習における更に全体論的な解決の創造に繋がると言える。
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