HDEPの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 16:56 UTC 版)
「三菱ふそう・6R系エンジン」の記事における「HDEPの概要」の解説
ダイムラーグループでは、メルセデス・ベンツ、三菱ふそう、デトロイトディーゼルの3社で設計の大きく異なる大型商用車用エンジンを多数擁していたが、世界各地域の自動車排出ガス規制への対応をめぐる開発費の抑制を図るため、3社共同で“Heavy-Duty Engine Platform”(HDEP)と称する基幹エンジン群を開発、これをベースに各地域に応じた小変更を加え市場に投入することとした。2007年、デトロイトディーゼルのDD15型を皮切りに市販が開始された。 HDEPは以下の4種類の直列6気筒エンジンで構成される。建設機械などのオフロード分野で用いるMTU向けユニットはメルセデス・ベンツ向けのOM47xをベースとしている。 種別内径×行程[mm]排気量[cc]外形寸法(全長×全幅×全高)[mm]乾燥重量[kg]定格出力[kW/rpm]最大トルク[N・m/rpm]燃料消費率(定格出力点/最大トルク点)[g/kWh]名称(登場年次)メルセデス・ベンツMTU三菱ふそうデトロイトディーゼル11L級 125×145 10676 1325×955×1230 990 320/1700 2100/1300 200/192 OM470LA(2012) 6R1100 6R20(2017) ― 13L級 132×156 12808 1375×980×1260 1140 390/1700 2450/1300 198/190 OM471LA(2011) 6R1300 6R10(2010) DD13(2009) 15L級 139×163 14840 ― ― ― ― ― ― ― ― DD15(2007) 16L級 139×171 15569 1425×1005×1290 1277 460/1700 2900/1300 190/188 OM473LA(2013) 6R1500 ― DD16(2009) 製造拠点マンハイム 本体製造:マンハイム補機取付:川崎 レッドフォード(ミシガン州ウェイン郡) 供給先メルセデス・ベンツゼトラ ― 三菱ふそう フレイトライナーウェスタンスターピアースMCIバンホール ボアピッチは異なるが基本設計は共通とされ、HDEPグループ内の部品共用率は90%に達している。いずれも気筒あたり4バルブDOHC、水冷、4ストローク、直接噴射式、インタークーラーターボ付きである。高筒内圧力に対処すべく、シリンダヘッドやクランク周りなど各部の剛性を高めており、従来型の直列6気筒より重量が増加している。DOHC化は将来のVVT採用を考慮したものである。15・16L級はターボコンパウンドによる排熱回収で高効率化を図っている。 環境対策として、燃料噴射系に最大噴射圧2500barのボッシュ製増圧式コモンレールシステム「X-Pulse」(CRSN4.2)、排気再循環系に大容量EGRクーラー・連続制御式EGRバルブ、後処理装置に尿素SCRとDPFを組み合わせた「BlueTecシステム」を採用。2009年に「EPA2010」、2010年に「平成21年排出ガス規制」、2011年に「Euro 6」と、米日欧の世界3大自動車排出ガス規制に適合している。MTUのオフロード用エンジンは「Stage IV」(欧州)、「Tier 4 Final」(米国)両規制に適合する。
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