GTT方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 09:37 UTC 版)
メンブレン方式は「ガストランスポート&テクニガス社」(GTT社、1994年に2社が合併した。)の設計した形式が主体を占めるため、GTT方式とも呼ばれる。 1960年代からはモス以前の独立タンク方式からメンブレン方式に一時移ったが、1970年のモスの独立球形タンク方式の登場や、メンブレン方式での低液位及び高液位でのスロッシングによる破損やクラックの発生によって再び独立タンク方式が優勢となった。特にメンブレン方式の船が古くなってくると保守修繕の過程で評価が下がり、新造船ではメンブレン方式が不利になった。21世紀初頭の現在はメンブレンとモスが拮抗しつつも、メンブレン方式の1つのGTT方式がモス方式を引き離しつつある。 IGCコードでは、いずれの方式でも基本的には2次防壁の設置が義務付けられている。 マークIIIとNo.96に続いて、2007年の時点での最新設計はGTT-CS方式となる。 GTTマークIII方式(テクニガス マークIII方式) タンク内高さで10-70%の間は、スロッシング衝撃による内壁の損傷を回避するために積付けが禁止されている。 メンブレンの厚さは1.2mmでステンレス製。 GE社製のガラス繊維強化型発泡ポリウレタン製防熱箱は1層のみで270mmである。 このポリウレタンが接着された合板が船倉内壁にボルト止めされる。 GTT No.96方式(ガストランスポート No.96方式) 最大200,000m3のLNG船が建造されている。 タンク内高さで10-70%の間はスロッシング衝撃による内壁の損傷を回避するために積付けが禁止されている。 メンブレンの厚さは0.7mmでインバー・ニッケル鋼製。 発泡パーライト製防熱箱は2層に分かれており、内側の一次防壁は230mm、二次防壁は300mmである。 このポリウレタンが接着された合板が船倉内壁にボルト止めされる。 GTT CS方式 上記両方式を改良した技術である。 メンブレン方式とモス方式は、タンクが真空に弱いためタンクの内外の圧力を制御する装置が備わっている。一方自立角型タンクでは圧力に強いため、特にこういった装置は備わっていない。メンブレン方式は、タンク間の横隔壁が冷却されると脆性破壊のリスクが高まるために、加熱保温装置が備えられている。
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