F100-PW-100
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 07:01 UTC 版)
「プラット・アンド・ホイットニー F100」の記事における「F100-PW-100」の解説
1972年にF100-PW-100を搭載したF-15が初飛行を行ったが、初期から多数の問題が発生してF-15の導入遅延の一因となった。特にアフターバーナーに起因するスタグネーション・ストールの問題は重大であった。固定式の空気取り入れ口を採用したF-16での発生頻度は低く、複雑な衝撃波制御を行う可動式空気取り入れ口を採用したF-15との組み合わせに起因する問題だと考えられた。 スタグネーション・ストールとは、リヒート時の点火ショックがバイパスダクトを伝搬してコンプレッサーを失速させ、スロットルを操作しても回転数が変化せずにファンタービン入り口温度が上昇する現象である。一旦エンジンを停止し、規定温度内に下がったところで再点火する必要がある。コアモジュールの過熱から火災に至ることもあるため迅速な再始動を要するが、この操作はエンジン停止による推力の消滅とあいまって戦闘機にとっては致命的な弱点となる。 高高度かつ低対気速度、アイドルに近い低回転数での飛行中にパイロットの操作による急なアフターバーナー点火が行われると、点火時の圧力波がバイパスダクトからファンにまで伝搬し、コンプレッサーを失速させる事により発生する。対策としてコア流とバイパス流を分岐させるスプリッタベーンを前方に延長する一方、該当条件下でのスロットル操作にMIL位置で一旦止めて燃焼の安定を図ってからリヒートさせるという運用上の対策もなされた。エンジンコントロールユニットの制御則の変更または追加が行われた可能性もあるが、このような改善は常に行われており、対策と言えるような変更であったかどうかははっきりしない。対策後、現在に至るまでにスタグネーションストールの発生は報告されておらず、航空自衛隊に於ける墜落事故で一時はその発生が疑われたものの、別の原因によるものと明らかになった。 スタグネーションストールはごく初期に発生した問題であり、特に神経質なエンジンであるとも言われていない。 推力は23,930 lbf (106 kN)。 日本では石川島播磨重工業でのライセンス生産がおこなわれておりF-15J/DJに搭載されている。(F100-IHI-100)
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