DMP MAESTROテクノロジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 05:09 UTC 版)
「PICA200」の記事における「DMP MAESTROテクノロジー」の解説
パーピクセル・ライティング ライティングの計算を頂点ごとの法線情報からの線形補間のみによらず、光源ベクトル、視線ベクトル、ピクセルにおける法線ベクトルから反射方程式を解いてそのピクセルの明るさを算出する。これにより頂点単位のライティング結果をただ補間してそのピクセル色とする簡易的なライティングよりもなだらかな陰影や美しいハイライトが出せるようになる。 トゥーンレンダリング 明るさを0.0~1.0までの連続した値域の代わりに2段階程度の非連続の値を取ることにより、セル画アニメ風のかっちりした塗り分けを表現する機能。 プロシージャルテクスチャ テクスチャのピクセルデータを自動生成する機能。通常はピクセルシェーダーのプログラムとして実装する部分。 レンズフレアや光芒のようなよく用いられる幾何学模様的なテクスチャはパラメータを与えるだけで得られる。 また木目のような細部が複雑かつ不規則でありながら全体としてパターンデータが求められるようなテクスチャを計算で自動生成することができ、テクスチャに要するVRAM容量を大幅に節約できる。 屈折マッピング 環境マッピングの一種で光の屈折を計算で算出するための仕組み。不定形の水滴などの透明な物体をリアルに表現できる。 サブディビジョンプリミティブ プリミティブ (ポリゴンの形状) を算術的に補完し、なめらかな形状を自動生成する機能。 シャドウ 半影処理をサポートする。影の生成は投影シャドウだけでなく、シャドウマップ、ステンシルシャドウなどのセルフシャドウにも対応している。 ガスオブジェクト描画 ソフトパーティクルをサポートし、煙などを自然に描画できる機能。 OpenGL ES 1.1標準仕様をサポートする。DirectXではバージョン6から7に相当する。これに加え1.1拡張パック (1.1 Extension Pack) のレベルまでハードウェアとして実装され、ソフトウェアから呼び出すことが可能になっている。DMP社はOpenGL ESの仕様を策定するKhronosグループの参加メンバーでもある。 PICA200がサポートするのはMAESTRO-2Gとなっており、OpenGL ES 1.1+1.1拡張パックを超える仕様をも含む。これらの追加機能はDMP拡張API「DMP拡張パック」としてOpenGLのAPIの一部の形でソフトウェアに対して提供される。 PICA200は機能全体としてみると固定機能シェーダーアーキテクチャというよりもコンフィギュラブル・シェーダーアーキテクチャと捉える方が適切である。 エフェクトのプログラミングではPICA200の開発キットに含まれる「ShaderBox」と呼ばれるオーサリングツールを利用すると、OpenGL 2.0ベースのシェーダープログラムを記述することで半自動的にMAESTRO上の部品ロジックの組み合わせに分解し、適切に設定できるようになる。その動作はPICA200エミュレータを用いてPC上で確認することができる。
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