CORELとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > CORELの意味・解説 

コーレル

(COREL から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/24 10:29 UTC 版)

コーレル・コーポレーション
Corel Corporation
旧コーレル本社
本社所在地 カナダ
オンタリオ州・オタワ
設立 1985年 (41年前) (1985)
業種 情報・通信業
事業内容 プラットフォーム、デザイン、イメージングおよびパブリッシング用ソフトウェアの提供
売上高 298 million USD (2016)[1]
従業員数 1,205 (2023)
主要株主 コールバーグ・クラビス・ロバーツ
主要子会社 Roxio
関係する人物
  • Christa Quarles (CEO)
マイケル・コープランド
外部リンク www.corel.com
テンプレートを表示
コーレル株式会社
Corel Japan Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 コーレル
本社所在地 日本
東京都港区港南2-16-5
NBF品川タワー 6F
設立 2004年12月1日
業種 情報・通信業
事業内容 コンピューターソフトウエアの開発、販売、及び保守に関する業務
企業・官公庁・教育機関へのソフトウェアライセンスの販売
代表者 堺 和夫(会長)
資本金 4億7,500万円
従業員数 10人
外部リンク http://www.corel.com/jp/
テンプレートを表示

コーレル・コーポレーション (Corel Corporation) は、カナダのオタワに本社を置くソフトウェアメーカー。主にグラフィックデザイン、デジタルアート、写真・動画編集などのクリエイティブ分野、およびオフィス生産性向上のためのソフトウェアを開発・販売している。代表的な製品として、ベクターグラフィックスエディタの「CorelDRAW」、動画編集ソフトの「VideoStudio」、デジタルイラストレーションソフトの「Painter」、写真加工ソフトのPaint Shop Pro、ファイル圧縮・解凍ソフトの「WinZip」、Mac用ライティングソフトのTORST、マインドマップツールの「MindManager」などがある。

沿革

1985年にコーレル・コーポレーションは、マイケル・コープランドによって設立された。コープランドは当初、コーレルを研究所として運営するつもりであった。実際、当時の社名 "Corel" とはコープランド・リサーチ・ラボラトリー(Cowpland Research Laboratory)の略語である。

コーレルは、1990年代のハイテクブームの追い風を受け、ソフトウェア製品「CorelDRAW」の開発・販売会社として大きな成功を収め、一時はカナダ国内で最も大きなソフトウェア会社となった。コーレルは初期に投資した株主に莫大な富を与えたが、成長は長く続かず、1996年、ノベル社のワープロソフト「WordPerfect」を手に入れたことを契機に、マイクロソフト社との競争になり、結果的にその競争に敗れ、コーレルは多くの従業員をレイオフ(一時解雇)せざるを得なくなった。また、コープランドはオンタリオ州証券取引委員会によって査察を受け、同委員会の監視下に入った。

WordPerfect獲得に関して、コープランドは、WordPerfectを「(Microsoft Wordをコカコーラに見立て)コカコーラに対するペプシのような存在」と信じていた。これは古典的な市場観ではあるが、根本的に誤った認識であり、コープランドのソフトウェア業界の専門知識の欠如を示しているといえる。というのも、ソフトウェアプログラムは食料品とは異なり、互換性を維持することが最も重要であり、綿密な対抗策を練らない限りソフトウェア競争に困難がつきまとうからである。仮にWordPerfectに明確な利点や優位点があったとしても、Wordユーザーに対して、ソフトウェアの乗り換えを訴えていかねばならず、新規ユーザーは既存ソフトとの互換性を求めてくる。

マイクロソフトは新規出荷のパソコンにWordをバンドルするという強硬手段を決行、それを止められなかった結果、当時相対的に高かったといえるWordPerfectのシェアは徐々に低下していったため、WordPerfectのバンドルを望む顧客の主張をきちんと確かめることも難しくなった。

その後もPainter(Fractal Design)、PaintShop Pro(Jasc Softaware)、WinZip(Winzip)、VideoStudio(Ulead)、WinDVD(InterVideo)、Pinnacle Studio(Avid)、Parallels Desktop(Parallels)など、多方面の有名なソフトを手に入れることにより増強を図っている。

2019年、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)がコーレルを買収した[2]。

2022年、コーレル傘下のブランドを再編することとなり、社名をコーレル・コーポレーションからカスケード・ペアレント(Cascade Parent Limited)に変更し、Corel製品やParallels製品などを統括するマスターブランド(屋号)として「アルード」(Alludo、All You Doの略[3][4][5][6])を名乗った。これにより「Corel(コーレル)」は、Parallels、MindManager、WinZipと並ぶAlludo傘下の主要ブランドのひとつとして位置付けられた。

2025年12月、カスケード・ペアレント社は社名を元のコーレル・コーポレーションに戻し、Alludoブランドは廃止された。

2026年2月26日、事業を「コーレル」と「パラレルス」の2社に分割・独立させる最終合意を発表[7][8](同年5月5日に取引完了)。CorelDRAWやWinZipなどのソフトウェア事業(コーレルブランド)は過去にも同社を所有していたベクター・キャピタルが買い戻す形で買収し、元COOのプラサナ・ガネーサンがCEOに就任。一方、仮想化ソフトウェア事業(パラレルス)は引き続きKKRが所有権を維持し、現CEOのクリスタ・クアレスがパラレルスのCEOに専念する体制となった。

年表

訴訟

コーレルはこれまでの歴史の中で、ソフトウェア業界の競争や特許、および著作権に関するいくつかの重要な訴訟に関与してきた。特に以下の訴訟は、オフィス市場における独占禁止法や、パブリックドメインの著作権に関する画期的な判例として知られている。

マイクロソフトとの訴訟

かつてコーレル(および買収元の企業)とマイクロソフトの間では、オフィススイートの市場競争やユーザーインターフェース(UI)の特許を巡る法廷闘争が複数回行われた。現在はすべて決着している。

  • WordPerfectの独占禁止法違反訴訟

『WordPerfect』の元開発会社であるノベルは、2004年11月、マイクロソフトを独占禁止法違反でユタ州連邦地方裁判所に提訴した。ノベルの主張は、同社が『WordPerfect』や『Quattro Pro』を所有していた期間(のちにコーレルへ売却)に、マイクロソフトがOSの技術情報を意図的に隠蔽し、競争を排除する行為によってノベルに損害を与えたというものであった。シェアが当時50%あったものが、コーレル売却時には10%にまで激減していた。2008年3月17日に米最高裁がマイクロソフトの上訴を棄却したことで裁判が本格化したが、最終的に2012年、連邦地裁が「証拠不十分」としてマイクロソフト側の棄却申し立てを認め、長期にわたる訴訟は終結した[19]。

  • Live PreviewおよびリボンUIを巡る特許訴訟

2015年7月、コーレルは「Microsoft Officeに搭載されているLive Preview機能が、コーレルの持つRealTimeプレビューの特許を侵害している」としてマイクロソフトを提訴した[20]。これに対しマイクロソフトは2016年1月4日、Officeの「リボン」や拡大縮小のスライダーデザインを許諾なく『Corel Home Office』等に使用されたとしてコーレルを逆提訴した。これらは、かつて『Quattro Pro』(当時のボーランド社)がはじめて採用した「シートをタブで切り替えるUI」を『Excel』が模倣したとされる当時の歴史的背景を彷彿とさせるものであったが、最終的にコーレル側が訴訟を継続する防衛費用の観点からリボンUI等の侵害を認める(2018年決着)などして、両社間の法廷闘争は収束している[21]。

パブリックドメインと情報共有への貢献

コーレルが関わった歴史的に最も意義深い訴訟のひとつに、1999年の「ブリッジマン・アート・ライブラリ対コーレル・コーポレーション事件」がある。

イギリスの美術写真ライブラリであるブリッジマン社は、自社が所蔵・撮影したパブリックドメインの絵画の写真(スライドなど)を、コーレルが無断でCD-ROM製品(Corel Professional Photos)に収録したとして、著作権侵害でコーレルを提訴した。しかし、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所は「パブリックドメインの平面的な美術品を、単に忠実に写真複製しただけのものには、新たなオリジナリティ(独創性)が欠如しているため、写真自体に著作権は発生しない」との歴史的な判決を下し、コーレル側の主張が全面的に認められ勝訴した[22]。

このコーレルの勝訴は、美術館や企業による「単なる写真複製による著作権の永続化」を防ぐ重要な米国の判例として確立した。この判決結果は、現在におけるウィキペディアやウィキメディア・コモンズをはじめとする、歴史的絵画やパブリックドメイン画像の自由な利用・共有の法的な基盤を守る大きな役割を果たしている。

日本法人

現在、日本国内におけるコーレル製品の製品販売およびサポートはソースネクストが行っている。また、企業・官公庁・教育機関向けのライセンス販売はコーレル(日本法人)が行っている。

ウェブサイトは日本向け公式サイト(corel.com/jp/)が展開されたほか、各ソフトウェアブランド(CorelDRAW ならhttps://www.coreldraw.com/ など)の専用サイトが展開されている。

年表

  • 2005年以前 - 日本市場での販売は、イーフロンティアやメディア・ビジョンなどが代理店として行っていた。
  • 2005年1月 - 完全子会社の日本法人が東京都港区虎ノ門に設立される(設立時の社長は下村慶一)。これを機に、それまでコーレル本体としては消極的であったハードウェアへのバンドル展開が日本市場において強化され、『Digital Studio』や『PaintShop Pro』などのプリインストールが進んだ。
  • 2012年10月 - 『PaintShop Pro』発売から2015年の『VideoStudio X8』発売までの期間、一時的に日本での販売・サポートを再びイーフロンティアへ委託。その後コーレル直販へ戻るなど、時期によって販売体制に変更が加えられた。
  • 2019年5月 - それまで日本向けサイトとして「corel.com/jp/」と「Corel SSBB」が共存していたが、SSBBの廃止に伴い現在の体制に整理された。


製品

現行製品

グラフィック・DTP

  • CorelDRAW Standard
  • CorelDRAW Go (日本語未対応)

テクニカルイラスト、CADデータ活用

CGイラスト、写真編集

動画編集・変換・オーサリング

データライティング 、マルチメディアスイート

圧縮・解凍

オフィス

業務効率化


旧製品

日本未発売のものも含む。

  • IGrafx

仮想化・インフラストラクチャー

脚注

  1. ↑ “The Company's New Executive Team Takes Charge And Restarts Corel; There's More Than Hot Air In That Balloon.”. Graphics Speak (2021年12月10日). 2023年6月15日閲覧。
  2. ↑ “https://techcrunch.com/2019/07/03/kkr-corel-vector-parallels/”. Corel.corp. 2019年7月7日閲覧。
  3. ↑ 竜也, 山本 (18 September 2022). “週末の「気になるニュース」一気読み!(9月18日号)”. ITmedia. 2026年6月27日閲覧.
  4. ↑ Greiner, Lynn (14 September 2022). “Corel rebrands to Alludo”. IT World Canada. 2022年10月22日閲覧.
  5. ↑ “Corel Rebrands as Alludo But Product Names Will Live On” (英語). PCMAG. 2022年10月21日閲覧。
  6. ↑ Corel (2022年9月13日). “Corel is reimagining the future of work—and its own historic brand—as it fully rebrands as Alludo”. GlobeNewswire News Room (Press release) (英語). 2022年10月21日閲覧.
  7. ↑ “Corel Corporation Announces Strategic Transaction to Create Two Independent Companies”. 2026年6月27日閲覧。
  8. ↑ “Corel Corporation Relaunches as Independent Company Backed by Vector Capital”. 2026年6月27日閲覧。
  9. ↑ “CorelDRAW - ベクターグラフィックスの歴史”. 2026年6月27日閲覧。
  10. ↑ “Novell and Corel Announce Definitive Agreements”. 2026年6月27日閲覧。
  11. ↑ “オープンギャラリー:Linux普及の軌跡”. 2026年6月27日閲覧。
  12. ↑ “Corel acquisition by Vector Capital completed”. 2026年6月27日閲覧。
  13. ↑ “Corel Corporation acquires Jasc Software”. 2026年6月27日閲覧。
  14. ↑ “Corel Corporation Acquires WinZip Computing (PDF)”. 2026年6月27日閲覧。
  15. ↑ Corel Signs Definitive Agreement to Acquire Roxio Business from Rovi Corporation(コーレル プレスリリース)
  16. ↑ “Corel Acquires ClearSlide: Sales Engagement Platform Leader Poised for Growth”. 2018年8月15日閲覧。
  17. ↑ “Corel、仮想化ソフトのParallelsを買収。製品サービスは今後も継続”. 2018年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月21日閲覧。
  18. ↑ “KKR buys Corel, the company behind WordPerfect and WinZip, from Vector Capital”. 2019年7月7日閲覧。
  19. ↑ “Microsoft Competitor Left in Dust Loses Suit”. Courthouse News Service (2012年7月17日). 2026年6月27日閲覧。
  20. ↑ “Live Preview Gets Microsoft Into A Lawsuit With Corel Software”. Tech My Money (2015年8月9日). 2026年6月27日閲覧。
  21. ↑ “Microsoft Corporation v. Corel - Order Regarding Post-Trial Motions” (2018年5月11日). 2026年6月27日閲覧。
  22. ↑ “Bridgeman Art Library, Ltd. v. Corel Corp., 36 F. Supp. 2d 191 (S.D.N.Y. 1998)”. Justia Law. 2026年6月27日閲覧。

外部リンク





英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「COREL」の関連用語

CORELのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



CORELのページの著作権

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコーレル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS