AN/UYK-1コンピューター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 07:40 UTC 版)
「トランシット (人工衛星)」の記事における「AN/UYK-1コンピューター」の解説
1958年には潜水艦のハッチを通るほど小型のコンピューターが存在しなかったため、AN/UYK-1と名づけられた新しいコンピューターが設計された。これはハッチを通るように丸みを帯びた角を持ち、5フィート程度の大きさで、防水のため密封されていた。設計技師主任はジーン・アムダールの兄弟で当時カリフォルニア大学ロサンゼルス校のメンバーであったローウェル・アムダールで、後にTRWとなるラモ・ウールドリッジによってラファイエット級原子力潜水艦のSSBM用に製造された。カノガパーク工場で組み込まれた15ビットの磁気コアメモリとパリティビットで8192個の単語を備えており、サイクルタイムはおよそ1ミリ秒であった。 AN/UYK-1は15ビット長の単語の「マイクロプログラム」機で、減算や乗除算のハードウェアコマンドなかったが、シフトを追加して1の補数を形成してキャリービットをテストできた。標準固定の浮動小数点の演算の実行命令はソフトウェアのサブルーチンであり、プログラムはリンクのリストとこれらのサブルーチンの演算子であった。 たとえば、「引き算」サブルーチンは減数の補数を構成し、それを加えていた。乗算には連続的なシフトと追加条件が必要であった。 最も興味深い機能はAN/UYK-1の命令セットは機械語命令は同時に演算レジスタを操作できる2つの演算子を持っていたことで、たとえば1つのレジスタが保存や読み込みを行う間に内容をもう一方が補完した。また、シングルサイクル間接アドレス機能を実装した最初のコンピューターだったとされる。 衛星が通過する間、GE受信機は軌道要素と暗号化されたメッセージを衛星から受信し、ドップラーシフト周波数を間隔で測定した結果とともにAN/UYK-1にデータを提供した。またコンピューターは船の慣性航行システム(SINS)から経度と緯度の示数を受信できた。この情報を使ってAN/UYK-1は最小二乗法アルゴリズムを運用し、位置表示をおおよそ15分で提供した。
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