A-trainの三次元削り出し加工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/18 14:06 UTC 版)
「削り出し」の記事における「A-trainの三次元削り出し加工」の解説
日立製作所のA-trainで製造された一部の車両では車両前面の製作に三次元削り出し加工と称する新しい製作工法が採用されている。 従来の鉄道車両では車両前面、特に滑らかな曲面構成の部材製作には、熟練職人のハンマーによる叩き出しに頼った製作が基本とされてきた。この工法では骨組みを格子状に組み立て、その表に曲面製作した板材を溶接して製作していた。しかし、この製作工法では非常に手間がかかることや製作に時間がかかるなどの欠点があった。これら改善するために実用化されたのが三次元削り出し加工である。 これはアルミニウムの板材を曲面プレス成形した後、従来の骨組みに該当する部分を残して高速回転ツールを用いて表と裏から削り出しを行う。複雑な曲面もコンピュータに入力された三次元データにより、歪のない正確な曲面が製作される。特にこの削り出し部材は骨組みと板材を溶接した旧来の工法に比べ、部材自体が一体となっているために強度が高く、衝突事故が発生した際の車体損傷の軽減が図れるものとされている。さらに同じ部材を大量に製作することも可能で、省力化も図れるものである。 この工法は日立製作所製の新幹線700系電車の途中から採用が始まり(ただし、新幹線はA-trainには該当しない)、新幹線以外の一般電車では2004年秋に落成した東京地下鉄05系13次車から採用が始まっている。 主な採用車両 東京地下鉄05系13次車 東葉高速鉄道2000系電車 福岡市交通局3000系電車 東京メトロ15000系電車 参考資料 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」2007年10月号「新アルミ車両システム 日立のA-train」 講談社「図解 電車のメカニズム - 通勤電車を徹底解剖 - 」
※この「A-trainの三次元削り出し加工」の解説は、「削り出し」の解説の一部です。
「A-trainの三次元削り出し加工」を含む「削り出し」の記事については、「削り出し」の概要を参照ください。
- A-trainの三次元削り出し加工のページへのリンク