4次元位相多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/01 06:51 UTC 版)
単連結でコンパクトな 4次元多様体のホモトピー型は、中間次元ホモロジー上の交叉形式にのみ依存する。M. Freedman (1982)の有名な定理は、多様体の同相タイプはこの交叉形式であるカービー・ジーベンマン不変量と呼ばれる Z/2Z 不変量にのみ依存するという定理であり、さらに、ユニモジュラー形式(英語版)とカービー・ジーベンマン不変量のすべての結合を得るという定理である。ただし、形式が偶数のときは、カービー・ジーベンマン不変量は (符号)/ 8 (mod 2) である。 例: 形式が 0 である特別な場合は、このことは 4次元位相多様体のポアンカレ予想を意味する。 形式が E8 であれば、この多様体をE8多様体(英語版)と呼び、どのような単体複体とも同相でない多様体となる。 形式が Z であれば、カービー・ジーベンマン不変量に依存する 2つの多様体が存在する。ひとつは、2次元複素射影空間であり、もうひとつは、フェイク射影空間である。同じホモトピー型をもつが同相ではない(滑らかな構造をもたない)。 形式のランクが 28 より大きいと、正定値ユミモジュラー形式の数(英語版)は、ランクを急増加して始まるので、対応する単連結位相4次元多様体の数は非常に巨大となる(これらの大半はほぼ興味がないように思える)。 フリードマンの分類は、基本群が複雑過ぎない場合へ拡張することができる。たとえば、基本群が Z のとき、Z の群環上のエルミート形式を使う上の分類と同じ分類がある。基本群があまりに大きすぎると(たとえば、2つの生成子をもつ自由群)であると、フリードマンのテクニックはうまくいかず、そのような多様体についてはほとんど知られていない。 任意の群の有限表現に対し、その群を基本群としてもつ(滑らかな)コンパクトな 4次元多様体を構成することは容易である。しかし、群の 2つの有限表現が同型(たとえ自明であることが知られている場合でも)であるかどうかを知るアルゴリズムが存在しないように、2つの 4次元多様体が同じ基本群をもつかどうかを知るアルゴリズムは存在しない。この理由は、4次元多様体に関する仕事の大半が単連結な場合のみを考えているからである。多くの問題の一般的な場合は、扱いにくいことがすでに知られている。
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