ホモトピー型とは? わかりやすく解説

ホモトピー

(ホモトピー型 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 20:03 UTC 版)

数学におけるホモトピー (homotopy) とは、などの幾何学的対象、あるいはそれらの間の連続写像が連続的に移りあうということを定式化した位相幾何学における概念のひとつである。位相幾何学では、2 つの対象 AX との関係のうち、連続的な変形によって保たれるものを問題とすることが多い。これらの関係はふつう連続写像 AX を通して定義され、ホモトピーの概念は連続的に変形する連続写像の族によって定式化される。ホモトピー的な種々の不変量は位相幾何学の研究における基本的な道具となる。

考察している幾何学的対象に「」が開いていれば、端を固定された曲線はそれを越えて連続的に変形することができない。したがって、ホモトピーによって「穴」の有無や、単純な構成要素に分解したときのそれらの組み合わせ的なつながり具合といった構造を調べることができる。ホモトピーが威力を発揮するのは、空間や写像といった幾何学的な対象に対し準同型などという代数的な対象を対応づけることであり、またそのような代数的な対象がしばしばもとの幾何学的な対象よりも単純化されているということにある。

このように、代数的な道具によって空間と写像の位相的性質を調べるという方法をとる幾何学は、代数的位相幾何学と呼ばれる。

基本群

単純な場合として、1 次元の位相空間からの連続写像のホモトピーを説明しよう。

まず、線分の厳密な抽象化である、(みち、path)という概念を定義する。IR閉区間 [0, 1] とし、X位相空間とする。I から X への連続写像 α を X 内のといい、α(0) を始点、α(1) を終点という。

写像 α のX 上の連続曲線となるが、道という用語が表すのは写像 α のことであり、その像である曲線のことではない。道の定義では α の単射性は求められていないため、像である曲線が同じ点を 2 回以上通ってもよい。極端な話、閉区間 I の各点を 1 点に写したものも「道」であり、これは定値道と呼ばれる。始点と終点が一致する道は閉道(へいどう、closed path)あるいはループ (loop) という。閉道の始点のことを(それは終点といっても同じものだが)基点 (base point) という。基点以外に自分自身と交わる点を持たない閉道はサイクルと呼ばれることがある。

sは空間の「穴」であり青い道と緑の道は異なったホモトピー型を持つ

連続関数 H: [0, 1] × [0, 1] → X が、X 内の 2 つの道 α, β に対して

H(0, t) = α(t) かつ H(1, t) = β(t)

を満たすとき、写像 H を道 α, β の間のホモトピー (homotopy) あるいはホモトピー写像という。また 2 つの道 α, β の間にホモトピーが存在するとき、α と β は互いにホモトープ (homotop)、ホモトピック (homotopic) である、または、同じホモトピー型であるといい、

主要概念

ホモトピー型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/11 06:55 UTC 版)

微分同相写像」の記事における「ホモトピー型」の解説

S2 の微分同相写像群は部分群 O(3) のホモトピー型を持つ。これは Steve Smale によって証明された。 トーラス微分同相写像群はその線型自己同型のホモトピー型を持つ: S1 × S1 × GL(2, Z). 種数 g > 1 の向き付け可能曲面微分同相写像群は写像類群のホモトピー型を持つ、すなわち成分可縮である。 3 次元多様体微分同相写像群のホモトピー型は、少しの目立った未解決ケース主として有限基本群を持つ 3 次元多様体、があるが、Ivanov, Hatcher, Gabai and Rubinstein の仕事によってかなりよく理解されている。 n > 3 に対して n 次元多様体微分同相写像群のホモトピー型は十分に理解されていない例えば、Diff(S4) が2つよりも多く成分を持つか否か未解決問題である。しかし Milnor, Kahn and Antonelli の仕事によって Diff(Sn) は n > 6 であれば有限 CW 複体のホモトピー型を持たないことが知られている。

※この「ホモトピー型」の解説は、「微分同相写像」の解説の一部です。
「ホモトピー型」を含む「微分同相写像」の記事については、「微分同相写像」の概要を参照ください。

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